ロッテ佐々木千隼 プロ5年目で初めて立ったオールスターのマウンド

千葉ロッテマリーンズ
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【千葉ロッテマリーンズ佐々木千隼】

 千葉ロッテマリーンズの佐々木千隼投手はプロ5年目にして初めてオールスターゲームに出場した。メットライフドームで行われた第1戦。名の知れたスター選手たちに囲まれて硬かった表情も時間と共に少しずつ解れていった。

 「最初はスター選手に囲まれて緊張しましたし、なにをしていいのか分からなかったのですが、知っている選手とかと話をするうちにだいぶ雰囲気を楽しめるようになりました」

 夢のような2日間だった。佐々木千は球宴の2日間をそう振り返る。気持ちを解してくれたのはアマチュア時代から知る選手たちの存在だ。ライオンズの松本は年下だが大学時代、同じリーグで戦い、平塚で行われた大学代表合宿のチームメート。ホークスの津森も年下で代表合宿で共にした。2人とはオールスターの舞台での再会を喜び合った。そしてセ・リーグには同じ年のカープ鈴木誠也がいた。高校2年の冬、東京都選抜メンバーに選ばれて一緒にロサンゼルスに遠征した仲。
 
 当時の事を佐々木千は「同じ年の高校生徒は思えなかった。化け物かと思った。レベルの差を感じて、こういう選手がプロにいくのだろうなあと思いました」と振り返る。

 プロとはなにかを初めて感じさせられたのが鈴木誠也との出会い。当時の佐々木千にとってプロとは遠い、遠い世界の話であり、現実の目標として考えることもできなかったが、大学4年生になり注目を集める存在となった時に最初に脳裏によぎったのは高校2年の時に目にした鈴木誠也の豪快な打球。同じステージに挑み戦いたいという想いが後押しをしてくれた。数々の怪我や挫折を乗り越えて今、オールスターというプロの中でも選ばれた選手しか出られない舞台に一緒に立った。

 「たわいもない話しかしていません。家族の話とか近況とか。でも、やっぱり、(鈴木)誠也とオールスターのグラウンドで話が出来たのは特別な感じがした。嬉しかった」

 そんな佐々木千の出番はいきなり第1戦に訪れた。4番手として七回から登板をすると先頭のタイガース近本を1球で一ゴロに仕留めると続くジャイアンツの坂本を空振り三振。タイガース佐藤輝を中飛に打ち取った。「ボクが投げたら1イニング終わらないかもしれませんよ」と登板前は自虐気味に語った男は奇麗に三者凡退で打ち取った。特筆すべきはわずか7球で仕留めたこと。派手さはないがこの男らしく変化球を交えながら淡々と仕留めていった。

 オールスターでは向上心をもって過ごした。今年、連続試合無失点の日本記録を樹立したライオンズ平良とブルペンで一緒になると質問を繰り返した。「すごいピッチャーですからね。年下なんて関係ない。色々と聞いてみたいことがあった。ウェート方法、ブルペンでの準備、試合に向けた気持ちの入れ方など」。普段はあまり積極的に話しかけるタイプではないがブルペンでの時間は他チームの主力選手たちの野球観に触れた。有意義な時間となった。

 「オールスターでの経験を踏まえて後半戦また頑張りたいと思います」

 出場前は少しこわばっていた表情も2試合を終えた佐々木千は充実した面持ちで笑顔を浮かべた。前半戦は31試合に登板をして4勝12ホールド1セーブで防御率1・06と獅子奮迅の働きを見せた。オリンピック中断期間を経て8月13日から後半戦が始まる。背番号「11」の投球がマリーンズに勝利を呼び込む。1974年以来のリーグ1位でのリーグ優勝へと導く。

千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
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