東京五輪・競泳女子の見どころ:大橋悠依、渡部香生子、そしてリレーでの池江璃花子の活躍に期待

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【(C)Getty Images】

前回のリオデジャネイロ五輪で金メダル2個を含む、7個のメダルを獲得した日本競泳陣。2004年アテネ五輪からメダルラッシュが期待できる種目となり、自国開催となった東京五輪でも期待できる選手たちが揃った。ここでは女子の注目種目や選手を取り上げる。

◆個人メドレー日本記録保持者・大橋悠依が金メダルを目指す

女子個人メドレーで200mと400mの2種目に出場する大橋悠依。両種目と日本記録保持者で、東京五輪でもメダルが期待されている。

大橋は滋賀県彦根市出身。幼稚園の時に水泳と出会った。東京五輪陸上400mリレーメンバーの桐生祥秀とは中学校時代からの幼なじみで、ともに東洋大学へ進学し、地元彦根市の成人式にも一緒に参加している。世界を目指す同級生から刺激を受けた大橋は、その後大きく飛躍。2017年の世界選手権では女子200m個人メドレーで自己ベストを2秒以上更新する、2分7秒91の日本新記録で銀メダル、2019年の世界選手権では女子400m個人メドレーで銅メダルを獲得し、国際大会で着実に成績を残してきた。

今年4月の日本選手権兼代表選考会では、女子400m個人メドレーで優勝。200m個人メドレーで2位に入り、2種目で五輪代表内定。「落ち着いてしっかり泳ぐことができた。代表内定をしっかり取れたことは、この5年間の成長だと思う」と、リオデジャネイロ五輪選考会で敗れてからの成果を強調した。五輪本番でもしっかり泳ぎ切れば結果は必ずついてくるはずである。

◆2度の五輪経験を生かし、充実した気持ちで挑む渡部香生子

オリンピックには3大会連続出場となった渡部香生子は、日本人最年少の15歳でロンドン大会に出場。2015年世界選手権の女子200m平泳ぎ優勝を引っ提げ、満を持して出場したリオデジャネイロ五輪では準決勝敗退に終わった。インパクトは残していたものの、メダル獲得までは至っていない。

リオデジャネイロ五輪後、渡部は足首を捻挫し、思うようなレースができない日々が続く。しかし、2017年の夏季ユニバーシアードでは、平泳ぎ2種目とメドレーリレーで優勝すると、2018年日本選手権女子200m平泳ぎで2位、ジャパンオープンやアジア大会を制覇し、復活の狼煙をあげた。

今年4月の日本選手権兼東京五輪代表選考会では、平泳ぎで女子100m、200mの派遣標準記録を突破し優勝。個人2種目で代表内定を勝ち取った。これまで2度のオリンピックでは結果が伴っていなかったことから「出るだけではダメ。メダルを取れるチャンス。悔いのないように練習したい」と渡部は宣言。充実した気持ちで挑む東京五輪で、渡部は悲願のメダル獲得を目指す。

◆白血病から復活した池江璃花子、五輪で雄姿を届ける

池江璃花子は2019年2月に白血病と診断されたが、驚異的な回復力でプールへ戻ってきた。

前回のリオデジャネイロ五輪で、池江は50m自由形、100m自由形、200m自由形、100mバタフライ、400mリレー、800mリレー、400mメドレーリレーの7種目に出場。競技初日には4レースをこなすなど鉄人ぶりを発揮し、毎日のように登場するのが話題になった。

万全を期して、池江は東京五輪へ向かうはずだったが、2019年1月に白血病と診断される。過酷な闘病生活の末、12月に退院し「2024年パリ五輪でメダル獲得を目指す」と目標を切り替えていた。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響から、東京五輪の1年延期が決定。

これが池江にとって再び東京五輪を目指すきっかけとなった。2020年8月に競技復帰を果たすと、2021年2月にはジャパンオープンの女子50m自由形で2位となり、復帰後初の表彰台へ上った。東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権では、女子100mバタフライで3年ぶりに優勝。400mメドレーリレーの派遣標準記録を突破し、リレーメンバーとして代表内定を決めた。

IOCのトーマス・バッハ会長も「オリンピック選手は絶対にあきらめない。池江選手おめでとう。白血病と診断されてから闘病生活を送り、それからたった2年で東京オリンピックの日本代表に内定しました。東京であなたに会うことが待ちきれません」と池江の代表内定に際して、コメントを発表している。

白血病を克服し、オリンピックの舞台に戻ってきた池江。今度はプールから世界中の人々に雄姿を届けてもらいたい。

文=マンティー・チダ
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