4連続でV固め 菊地絵理香、湧き上がる自信
【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】
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《グリーン=スティンプ:12フィート コンパクション:24mm》
たぎる闘志。みなぎる自信。今大会の菊地絵理香を言い表すと、こんな表現になる。ムービングデーのこの日、66のベストスコアをマーク。グイッと4年ぶりのツアー優勝へジャイアントステップである。
「上がってみたら、4連続バーディー。そんな感じでした。13番でボギーを打って、イヤだなぁと思って、気合を入れ直しです。それだけに、15番のバーディーチャンスは、1.5メートルとはいえ絶対、決めなければならない。流れを変えるためにも…。しっかりバーディーをとった15番が大きいと思います」。
第1日から首位を明け渡すことはない。それでも終盤、ジワリジワリとライバルたちが追い上げてきた。そんな状況にもかかわらず、続く16番では全集中ともいえる、第3打をグリーンカラーから7メートルのカップイン。17番もピン奥3メートルのバーディーを決めた。
極め付きが18番。残り51ヤードの第3打を5メートルにつけ、強気の表情できっちりとバーディーフィニッシュで締める。仮に、この後プレーが続いても、まだまだバーディーラッシュの勢いだった。前日から、第3日を優勝へのターニングポイントにあげている。日頃は慎重なコメントが多いが、なぜか今大会はずっと強気の発言が続く。
「私も強気の発言が出てビックリしています」と、笑いを誘い、「今回は違う。何となくそんな感じが言葉に出る。優勝をしたい。頑張りたい。そんな意識がとても強いです」と話した。
前夜のことだった。洗濯をしながら、これまでの優勝争いを知らず知らずの内に振り返っていた。「優勝するチャンスはあっても、自滅のパターンがほとんど。よくよく考えると、勝つということよりも、ミスをしないことを最初に考えていた。要は、ハラをくくっていない証拠です。思い切りプレーすることを忘れている」ことが、脳裏に浮かんだそう。それだけに、「つまり、先にプレッシャーをかけていたわけです。自己暗示ではないけど、きょうはショットを打つ前に、ミスをするわけがない。必ず、うまくいく、と言い聞かせひとつのことに集中できた」。邪念を一掃するニュースタイルを構築したというわけだ。
2位へ4打のアドバンテージで最終日を迎える。「(差は)ないよりいい。大きいと思う。だから、早い段階でバーディーをとれば逃げ切れる。ここまできたら勝ちたい」とストレートに心中を語った。聞いたこちらまで、あすへの勇気がわいてくる魔法のメッセージ。なんだか、とても得をした気分になった。
(中山 亜子)
【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】
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