牝馬の上位独占か!? 宝塚記念を分析する
【2020/6/28 阪神11R 宝塚記念(G1) 1着 16番 クロノジェネシス】
宝塚記念の人気別成績(過去10年)
■表1 【宝塚記念の人気別成績(過去10年)】
9〜12番人気馬は2・3着馬が3頭ずつ。昨年は12番人気モズベッロが3着に激走し、3連単18万3870円の波乱となった。馬連は5000円以上の配当が半数の5回、3連単で18万円以上の配当は昨年を含む4回と波乱含みの一戦といえる。
宝塚記念過去10年における牝馬の3着以内馬一覧
■表2 【宝塚記念過去10年における牝馬の3着以内馬一覧】
これら3着以内馬9頭は4歳もしくは5歳馬で、ショウナンパンドラを除く8頭は芝2200m以上でG1連対か重賞勝利実績があった。ショウナンパンドラにしても前年のエリザベス女王杯に出走しており、全馬芝2200m以上の重賞を経験していた。
宝塚記念の年齢別成績(過去10年)
■表3 【宝塚記念の年齢別成績(過去10年)】
4歳馬は昨年のクロノジェネシスら3勝。3着が6回と多く、複勝率は5歳馬に次いでいる。これら4・5歳馬で大半の9勝をあげている。6歳馬は11年アーネストリーの1勝のみ。7歳以上の馬は18年に2着に好走した香港馬ワーザーのみと不振傾向にある。
宝塚記念の枠番別成績(過去10年)
■表4 【宝塚記念の枠番別成績(過去10年)】
宝塚記念の前走レース別成績(過去10年)
■表5 【宝塚記念の前走レース別成績(過去10年)】
大阪杯組は17年サトノクラウン、昨年のクロノジェネシスと2勝。一昨年2着キセキ、昨年1着のクロノジェネシスは前走大阪杯で2着。17年サトノクラウンは前走大阪杯で6着に敗れていた。逆に前走大阪杯で1着だった馬は一昨年アルアイン4着、昨年ラッキーライラック6着と敗れている。
他では鳴尾記念組からは15年ラブリーデイが勝利するも、16年以降は好走馬なし。クイーンE2世C組は一昨年リスグラシューが勝利。連対馬2頭は前走3着以内に入っていた。目黒記念組は16年マリアライトが優勝。3着以内馬2頭はともに前走2着だった。なお、ドバイシーマC組からは勝ち馬が出ておらず、2・3着止まりとなっている。
天皇賞・春組の前走着順別成績(過去10年)
■表6 【天皇賞・春組の前走着順別成績(過去10年)】
今年は春の天皇賞が阪神で行われたが、1000mの距離短縮は変わらず、前走4着以下からの巻き返しには注意したい。
ノーザンファーム生産馬の前走着順別成績(過去10年)
■表7 【ノーザンファーム生産馬の前走着順別成績(過去10年)】
今年の宝塚記念の出走予定馬(6/23時点)
■表8 【今年の宝塚記念の出走予定馬(6/23時点)】
<結論>
これら3頭の中ではクロノジェネシスを最上位に評価したい。ノーザンファーム生産馬で今年5歳。前走ドバイシーマCで2着に敗れたが、次走で香港クイーンE2世Cを制するラヴズオンリーユーには先着を果たした。昨年は大阪杯からの臨戦で勝利、今年も前走から3か月と間隔を空けての出走で、実力を発揮できるのではないか。
レイパパレは重馬場だった前走の大阪杯で4馬身差の快勝。6戦無敗で未知の能力を感じさせるが、表2で示した芝2200m以上の経験がない点は不安だ。前走激走の影響も気にかかる。
カレンブーケドールの天皇賞・春は、道中2〜3番手につけて2周目の4コーナーでは早めに先頭に立つ強気の競馬で3着。たしかに見せ場十分だったが、力を出し切った感はあった。前走天皇賞・春3着以内馬の不振傾向からもやや評価は落としたい。
上記3頭以外ではアリストテレスの巻き返しに期待したい。前走の天皇賞・春は4着に敗れたが、3走前に不良馬場で勝利したアメリカJCCの影響が残っていたのではないか。近3走はいずれも力の要る馬場で、今回時計が速い馬場になれば巻き返す可能性は高い。芝2200mでは3戦2勝、2着1回と得意の距離だ。
他では馬場が渋れば、昨年の宝塚記念、前走の大阪杯同様にモズベッロの台頭には注意しておきたい。一昨年、昨年2着のキセキは7歳で年齢的に厳しいと見る。
文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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