フォンスーミン来日初V

チーム・協会

【<Photo:Ken Ishii/Getty images>】

 2020-21シーズンJLPGAステップ・アップ・ツアー第14戦『ユピテル・静岡新聞SBSレディース』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が6月20日、静岡県御前崎市・静岡カントリー浜岡コース(6,516ヤード/パー72)で行われ、中国のフォンスーミンが来日初優勝を飾った。6打差をひっくり返す大逆転。通算8アンダーで並んだ廣田真優とのプレーオフを制した。
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 目標はもっと先にある。22日からの最終プロテスト挑戦を控え最終日、フォンスーミンは極限の集中力を発揮した。キーホールとなったのは、やはり18番だろう。第1日、ダブルボギー。第2日がボギーを叩いた、鬼門の最終ホールだった。「第1打で必ず、フェアウェイキープ。気持ちが勝っていたように思います」と振り返った。この日は、プレーオフを含め2度のチャレンジ。バーディー奪取こそならなかったものの、ともにパーセーブで難関を突破した。「プレーオフでは、落ち着いていた。また、プレーを楽しむ余裕もあったことがうれしい」と、来日初優勝を振り返る。

 この日は6打差を追ってのスタート。1番でバーディーを奪い、流れをつかんだ。精度を生命線とするショットがさえる。パーオンが17回。前日が9回なのだから、大逆転を果たした最大の要因だろう。「ボギーフリーはまったく知らなかった」という。一球入魂のプレーで、17番まで戦況にも関心を寄せなかったそうだ。「トップに立ったことを知ったのは18番の前。速報ボードで確認した。あんまりみたくはなかったけど…」と苦笑する。

 2015年から5年間、米国でプレーを。「17年まで、US LPGAツアーです。そして、18、19年はシメトラツアーを転戦した。前週は、前週は、宮里藍さんのサントリーレディスへ出場。本人に会えてうれしかった」と話した。「米国の藍さんの引退試合へ、私も出場した。その試合では練習ラウンドをご一緒に。光栄でした。今でも、多くの人に愛されている。私もそんな選手を目指しています」と加えた。JLPGAツアー参戦は新たな自分探しの転機ーを期待したからだ。

 「米国では実力を発揮できなかったと思う。プロゴルファーになったからには、勝利をおさめずに終わることは悲しい。そのために、環境を変える必要があった。日本のツアーで活躍するトップ選手は4大メジャーを制し、各試合がハイレベル。もう一度、実力を試してみたかった」と明かしている。ただし、腕試しの前に最終プロテストで合格を果たさなければならない。すべてはそれが、スタート。今大会は、昨年に続きインターネット中継を行った。「北京で両親が見てくれたそうです。でも、第一に感謝しなければならないことがある。コロナ禍にもかかわらず、試合を開催してくださったスポンサーの皆さま、それからJLPGAにも。今、ホッと胸をなでおろしたくなったけど、そんな場合ではありません。最終プロテストで合格しなければ」と気を引き締め、背水の陣を敷く。
(ステップ・アップ・ツアー担当=新納 智明)

【<Photo:Ken Ishii/Getty images>】

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