迷いから一転 青木瀬令奈が復調のV争い

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)第3日

 先が見通せないコロナ禍である。プロゴルファーでも例外ではない。青木瀬令奈が赤裸々に語った。「皆さん同様、コロナ禍で将来に不安を覚えた。28歳を迎え、私も潮時などを考えはじめた」。何とも身につまされるひとことだったが、66のチャージで破顔一笑である。通算12アンダーの2位タイで久々の優勝争いへ加わった。

 今年に入ってから予選落ち5回、棄権1回と不振のスパイラルに迷い込んだ。しかし、同じスポンサー契約のレーシングドライバー・松下信治がこんなきっかけを与えてくれた。「ノブ(松下)が私の状態を見抜いていたのかもしれない。いいアドバイスをプレゼントされた」という。「今いるところは、自分でずっと立ちたかった所でしょう。それなら、自から降りる必要はない。今の立場でいられる間は、しっかり目の前のことだけをやったらどうですか」。

 抽象的な表現は、もちろん松下の気遣いだ。しかし、胸のつかえがスッと楽になった。「あの言葉です。ゴルフに対して前向きになれました」と明かした。直後の中京テレビ・ブリヂストンレディスで今年初のトップ5フィニッシュ。それも、「最終日は裏街道からのスタート。でも、(シーズンベストの)4位タイへ食い込んだ」と、効果てきめんだった。

 今大会、開幕前はショット、パッティングともにいまひとつ。ところが、「肩をクローズして、ハンドファースト気味に。これがハマった。球筋がストレートないしフェードぐらいになった。微妙なピンポジションでも、しっかり攻めていける」と手応えを得て、第2日からの快進撃を支える。さらに、パッティングの調整にも成功。「クローグリップにしたり、クロスハンドにしたりしながら試行錯誤を繰り返した」と話した。10番の7メートル、14番では10メートルのロングパットも決めている。

 「無になることが一番。だけど、何も考えない、ということはその時点で考えていることでしょう」と、メンタルの整え方の一部を教えてくれた。ということで、「最終日は、久しぶりの優勝争いの空気を楽しむ」。きっと、新たな発見があるに違いない。(宮脇 廣久)
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