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2021/5/2 東京10R 府中ステークス 1着 11番 ヤシャマル

年齢とコース実績を中心にエプソムCを展望する

JRA-VAN

今週の重賞は、エプソムCと函館スプリントSの2レースが組まれている。今回は、東京芝1800mで行なわれる前者を過去10年のデータから分析してみたい。昨年は3連単400万円を超える波乱となったが、今年はどんな決着となるか。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

人気別成績

■表1 ■表1 人気別成績

表1は人気別成績。不良馬場となった昨年は9番人気のダイワキャグニーが勝ち、3着に18番人気のトーラスジェミニが逃げ粘って波乱となった。ただ、全体的な傾向として荒れやすい重賞というわけではない。昨年を除く9年間は1〜5番人気から1着馬が出ており、やや不振の3番人気を除くと回収率も上々だ。本命・対抗級だけでなく、4〜6番人気が揃って複勝回収率100%以上を記録しているのも見逃せない。その裏返しとして穴馬の出番は必然的に少なくなり、10番人気以下は3着が2回だけとなっている。

年齢別成績

■表2 ■表2 年齢別成績

表2は年齢別成績。過去10年で7勝の4歳馬が好走率、回収率ともに他の年齢を突き放している。連対例があるのは4〜6歳馬に限られ、7歳馬は3着まで。そして8歳以上の好走は、過去10年では一度もなかった。

前走・前々走着順別成績(平地戦のみ)

■表3 ■表3 前走・前々走着順別成績(平地戦のみ)

表3は前走および前々走の着順別成績。なお、前走、前々走が障害戦だった馬は集計対象から除外した。

前走着順別成績から見ていくと、1着や2着はいずれも複勝率30%台で、他の着順より高いことがわかる。ただし、どちらも回収率は伸ばせず、特に単勝の数値は厳しい水準にとどまる。また、前走3〜5着馬の好走が少ないのも特徴で、合わせて【2.0.1.40】、勝率4.7%、複勝率7.0%、単勝回収率19%、複勝回収率16%と振るわない。その一方で、前走6着以下馬が5勝を挙げ、1〜3着は計13回。つまり、全好走の半分近くを前走で掲示板を外していた馬が記録している計算となる。

前走の着順別成績の傾向はなかなか難解だ。そこで、前々走の着順別成績も出してみることにした。表3の下半分をご覧いただきたい。前々走の1着馬は優秀な成績を収め、掲示板に載った5着馬までは概ね高い好走率を記録している。これが6〜9着馬になると好走率は明らかに下がり、10着以下馬の連対例はない。この通り、前走着順より前々走着順のほうがエプソムCの着順に直結している様子が見て取れる。いささか異例ではあるが、前走着順ではなく前々走着順を参考にすると面白い馬をピックアップできるかもしれない。

前走4角通過順別成績(平地戦のみ)

■表4 ■表4 前走4角通過順別成績(平地戦のみ)

表4は前走4角通過順別成績。なお、前走が障害戦だった馬は集計対象から除外した。好走例が多いのは前走の4角通過順が7〜9番手や10〜12番手だった馬で、好走率も他の番手より高い。さらに後ろの13番手以降になると2着1回と苦戦しているが、前走で中団からレースを進めていた馬が好成績を挙げている。対して、前走で前に行っていた馬の好走率はあまり高くない。具体的には、前走4角1〜3番手という括りで【1.0.4.30】、連対したのは15年1着のエイシンヒカリだけと、前走で逃げ・先行策をとっていた馬の苦戦が見て取れる。

1着実績コース別成績

■表5 ■表5 1着実績コース別成績

表5は、中央4場の芝1800mおよび前後200mの各コースで1着実績を持つ馬が、エプソムCでどのような成績を残しているかを示したもの。まずは同じ東京について確認すると、同距離の芝1800mで1着実績を持つ馬の好走率が意外なほど低い。表5を見る限り、東京で重視すべきは芝2000mの1着実績で、過去10年の勝ち馬のうち7頭が有しており、近2年も連勝中だ。

東京以外では、京都芝1600m外での1着実績を持つ馬が4勝を挙げ複勝率40.0%で要注目。また、阪神芝1600m1着馬は2着が多いものの、複勝率32.0%は軽視できない。一方、どの距離も振るわないのが中山。内回り使用の京都芝2000mや阪神芝2000mといったコース1着馬の成績があまりよくないことを考えても、直線が短いコースの1着実績はエプソムCにあまり直結しないようだ。

種牡馬別成績

■表6 ■表6 種牡馬別成績

※1着または3着以内を複数回記録した種牡馬のみ

表6は種牡馬別成績で、1着がある種牡馬か3着以内を複数回記録した種牡馬を掲載の対象とした。近2年はレイエンダ、ダイワキャグニーとキングカメハメハ産駒が連勝中。ただし、今年は同産駒の登録がなかった。となると、延べ9頭で4勝、1〜3着計9回を記録しているディープインパクトに注目か。ちなみに12年、15年、18年と3年おきに複数の産駒が好走を記録しており、これでいくと21年は順番の年ということになるが、果たして。そのほか、ダンスインザダーク、マンハッタンカフェ、ステイゴールドと、サンデーサイレンス系の中長距離タイプが名前を連ねていることも押さえておきたい。

【結論】

以上を踏まえて、今年のエプソムCに登録がある19頭を俯瞰していきたい。

表2の項目で見た通り、このレースでは4歳馬が強い。今年は7頭の4歳馬がエントリーしており、そのなかでも注目したいのがヤシャマルだ。エプソムCと相性がいい東京芝2000mを連勝中で、前々走1着、前走4角7番手と好走率の高いデータに合致。キズナ産駒はエプソムC初出走となるが、中長距離タイプのサンデーサイレンス系と言える。

ディープインパクト産駒は6頭が登録し、4歳馬はアドマイヤビルゴ、アルジャンナ、サトノフラッグ、ファルコニアと4頭が参戦を予定。このうちアドマイヤビルゴとサトノフラッグは連対例がない前々走10着以下に当てはまるのが気がかりで、ファルコニアも前走4角2番手だったのがどうか。データ的には、前々走5着で、前走4角10番手と差す競馬をしていたアルジャンナが好走しやすいタイプに一致する。他に4歳馬では、東京芝2000m1着があり、実質的な前走のディセンバーSで4角7番手だったガロアクリークにもチャンスはあるだろう。

5歳馬では、東京芝2000mで3勝のアトミックフォース。連勝中のキングカメハメハと同系にあたる父ワークフォースという血統も悪くはないだろう。ハーツクライ産駒のシュリは、阪神芝1600mで1着実績あり。この両馬は前走4角通過順がそれぞれ2番手、1番手で先行タイプの脚質が合わない恐れはあるが、警戒はしておきたい。もう1頭、東京芝2000mのプリンシパルSを勝ったことがあるザダルも可能性を秘めている。

6歳馬では、京都芝1600m外と阪神芝1600mの両方で勝ったことがあるエアアルマス。そして、7歳馬になると好走率がかなり下がってしまうが、好相性の京都芝1600m外で2勝を挙げ、前走4角7番手だったワンダープチュックも無視はできない。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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