【日本選手権混成を楽しむポイント3】〜意外としらない!?種目間の過ごし方〜

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【フォート・キシモト】

混成競技選手は、各種目の合間にどのように過ごしているのか?気になったことはないだろうか。競技会に足を運んで混成競技を観ていると四六時中と言っていいほど、トラック(もしくはフィールド)に選手がいる印象を受ける。混成競技選手が種目間にどの様な過ごし方をしているのかをここでは紹介したい。


種目間の過ごし方が結果を左右する?
タイムテーブル上にあるそれぞれの種目の開始時刻を見ると、次の種目までの間が空いている様に感じるかもしれない。しかし、それぞれ種目ごとに行われる招集の時刻や助走合わせなどの練習時間を足していくと、さほど空き時間はない。また、走高跳や棒高跳は、挑戦する高さや跳躍する回数にもよるが成功し続ければそれだけ競技時間がかかる。選手は、こういった時間を考慮して自身のコンディションと向き合いながら、戦略的に2日間を過ごしていくのである。

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競技中の食事やコンディショニング
飲食はエネルギーや体の水分が枯渇することがないように摂取する必要がある。摂取するタイミングは様々だが、競技の合間、特にフィールド種目などがタイトに続く場合などには、自分の試技を待つ間に摂取することも多い。経験が少ない選手はそのタイミングを逃し、エネルギーが枯渇したり、腹痛がでたりなど十分なパフォーマンスを発揮できないことがある。飲食のタイミングは、マラソン選手の給水同様に重要である。

また、競技を進めていく中で疲労を軽減させるためにコンディショニングを要する場合もある。その過ごし方については、選手によって様々である。例えば、トレーナーのサポートを受けて疲労が蓄積しないようにストレッチやマッサージ、アイシングやアイスマッサージなどを行ったり、次の種目にむけて、ケガの予防や疼痛緩和の為のテーピングを巻いたりする。選手は競技場所に移動するとそのような助力行為は受けられないため、控室(混成競技控室)やトレーナールームでそれらの処置を受ける。そのため、国際大会を含めて混成競技者には控室やトレーナールームなどにアクセスできるADカードが選手自身のADとは別に用意されるなど、混成競技特有の競技運営上の措置が施されている。


心や体の休め方
出場選手数が多い場合、競技時間が長くなる走高跳・棒高跳の後やフィールド種目の際に、グループを分けて、時間差をつけた競技進行が行われることもある。競技規則として、前の種目の終了から次の種目の開始まで最小限で30分(翌日までは10時間)はあけることとなっているが、そのまま次の種目に移動することもあれば、次の種目まで数時間の間ができることもある。

時間に余裕がある場合は上述したようなコンディショニングに加えて、仮眠をとる選手もいる。ただし、仮眠を取った場合には次の種目を行う際に十分なウォーミングアップを行う。他の種目では考えられない行為ではあるが、混成競技の控室では稀に見られる光景である。ちなみに、オリンピックや世界選手権などでは観客動員等の関係で午前と午後のセッションに分かれて競技が行われる。この場合には、選手はサブトラックや、一旦宿泊先へ戻り、次のウォーミングアップまで休養をとることとなる。そういった面では、通常の競技会よりも格段に難しく、高いコンディショニング力が必要となる。

また、種目間は気持ちを整える大事な時間でもある。調子が良いとき、悪いときそれぞれのモチベーションのコントロール、気持ちの切り替えなどが、その後の種目に大きく影響する。2日間にわたって競技を行う混成競技選手は、各種目への貪欲なチャレンジに加えて、種目間をどのように過ごすかも重要なポイントとなる。

【フォート・キシモト】

▼〜東京2020オリンピック代表選考競技会〜 第105回日本陸上競技選手権大会・混成競技 特設サイト
https://www.jaaf.or.jp/jch/105/combined-events/

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https://www.jaaf.or.jp/news/article/14925/

▼難しすぎる陸上クイズ‐混成競技編‐
https://quiz-maker.site/quiz/play/otwb0K20200511230607
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