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昨年までJR東日本東北に10年在籍した坂本拓弥は、東北マークスでプレーを続けている(写真=宮野敦子)。

【週刊グランドスラム99】いつまでも白球とともに――第45回全日本クラブ野球選手権大会でプレーした企業チーム出身者たち

公益財団法人 日本野球連盟

 力の入る接戦となった。
 2年ぶりに開催された第45回全日本クラブ野球選手権一回戦、千曲川硬式野球クラブと東北マークスの対戦は、千曲川が先制すればマークスが逆転し、千曲川が追いつき、6回を終わって3対3である。
 楽しそうな笑顔で相手打者に話しかける顔に、どこか見覚えがあった。マークスの四番に座る坂本拓弥捕手。そう、昨年まではJR東日本東北で10年間プレーし、2017年の日本選手権では左腕・西村祐太を好リードして、大会初の完全試合をアシストした女房役だ。
 試合は8回表、千曲川の石渡大成が決勝の2ラン本塁打を放って決着したが、黒星にも坂本はどこか楽しそうだ。
「ツーシームを、上手く打たれました。いいチームにどうやってついていくかが課題でしたが、五分の展開に持ち込めたのは収穫。相手の四番を打つ豊田航平は東海大望洋高(現・東海大市原望洋高)の後輩で、望洋の四番対決(笑)。二塁打を2本打たれましたけど、僕もヒットを2本打ったでしょ」

東北マークスの先発は、2018年までNTT西日本に在籍した李 基成が務めた。 東北マークスの先発は、2018年までNTT西日本に在籍した李 基成が務めた。 (写真=宮野敦子)

 そのヒット2本はいずれも、右前に落とす渋い当たり。坂本は「追い込まれていましたが、無理に引っ張るとゴロになる。社会人で身につけた技術です」と振り返る。マークスでは、先発した李 基成も2018年までNTT西日本で3年間プレーしており、千曲川の大森洋一監督によると、「序盤は145キロくらい出ていたんじゃないでしょうか。走者は出ても、何も動けなかった」と健在ぶりを見せている。

企業チームでの経験は“上から”にならないように伝える

 ほかにも、この大会では強豪企業チームの出身者が多い。2020年1月に創部したばかりで、スピード出場を成し遂げたシンバネットワークアーマンズベースボールクラブの濱田晃成主将は、東京ガスで6年間プレーした。浜松ケイ・スポーツBCとの一回戦では、5回表にチーム初得点となるタイムリーを放ち、逆転での初白星に貢献している。濱田は言う。
「こうしなければ勝てないよ、みたいなことは経験上話します。でも、東京ガスにいたから、という言い方、ニュアンスには絶対ならないよう心がけています。上からものを言っては、チームとして上手くやっていけませんから」

東京ガスで6年間プレーした濱田晃成は、シンバネットワークアーマンズベースボールクラブで攻守の中心だ。 東京ガスで6年間プレーした濱田晃成は、シンバネットワークアーマンズベースボールクラブで攻守の中心だ。 (写真=宮野敦子)

 濱田はハナマウイとの準々決勝、もともと自打球を当てて痛めていた右足に送球が直撃して退いたが、その時点で5対1とリードしていたチームは逆転負け。精神的支柱としても、チームにとって大きい存在なのだろう。そう言えば、THINKフィットネスGOLD'S GYMベースボールクラブの柴山純平も、濱田と東京ガスで同期だった。
 マークスの坂本は、JR東日本東北時代の2018年、ベーブルース杯大会でマスクを被ったのが大垣北公園野球場だったという。その後は指名打者に専念したから、「社会人で最後にマスクを被ったのがここで、クラブ選手権の始まりもここ。何か縁を感じます」と明かす。
 現在はJR福島駅勤務で、仙台とを新幹線通勤する。マークスの次の挑戦は、都市対抗予選。宮城県一次予選では古巣と対戦することもあり得るが……。
「その場合は、試合には出ません」
 なるほど。義理を通す、というわけか。
(文=楊 順行)

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1949年に設立した社会人野球を統轄する(公財)日本野球連盟の公式アカウントです。全国の企業、クラブチームが所属し、中学硬式や女子野球の団体も加盟しています。1993年から刊行している社会人野球オフィシャル・ガイド『グランドスラム』の編集部と連携し、都市対抗野球大会をはじめ、社会人野球の魅力や様々な情報を、毎週金曜日に更新する『週刊グランドスラム』などでお届けします。

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