いざ、チャンピオンシップ! オレたちはまだまだ、今季を終わらせない!!

大阪エヴェッサ
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大阪エヴェッサは5月1日にBリーグ開幕から5シーズン目にして、チャンピオンシップ(CS)進出を確定。そればかりか先週のシーホース三河とのGAME1を制して、西地区2位でレギュラーシーズンをフィニッシュし、初のCSをホームのおおきにアリーナ舞洲で戦う権利を勝ち取った。

今季はコロナ禍によるチーム作りの遅れ、天日謙作ヘッドコーチ(HC)の病気療養による離脱など、チームはスタートから数々の難局に見舞われた。天日HCに代わってHC代行を務めた竹野明倫アシスタントコーチは、当時を振り返って言う。

「天日さんがチームを離れるとなったのは、やはり大きな衝撃でした。今となっては当時の自分の感情は忘れてしまいましたが、やらないといけないなと思っていましたね。責任感やプレッシャーも、あったと思います。今そのときに自分がやれること、それだけに集中していました」(竹野AC)

今季に臨むにあたっては多くのメンバーを入れ替え、昨季に特別指定選手として加わった#13中村浩陸を含め4人ものルーキーが加入。新人ゆえ力量に未知数な部分も少なくなく、さらにはのちに大黒柱となる#25ディージェイ・ニュービルは、コロナの影響で来日すらできずにいた。開幕当初のチームには、不安要素もあったのではないか。

「不安要素というより、それ以前にチームとしてバスケットボールをするために、やらないといけないことがあり過ぎました。そんな状態のところで、開幕早々に#20合田怜選手が離脱したのは大きな影響がありました。合田選手はチームのプレーを理解しているので、若い選手は彼といっしょにプレーすれば『大阪は、こういうふうにプレーするんだ』とわかりやすかったと思うんです。だけどその存在が抜けて、若い選手たちはどうプレーするのかが、感覚としてつかみにくかったと思います」(竹野AC)

#20合田はキャプテンとして並々ならぬ決意で開幕を迎えたが、シーズン中に二度にわたって左肩を脱臼。今季中の復帰が絶望的となっても、精神面でチームを後ろから支えた。

「今季の日本人は若い選手が多く、ルーキーも4人。彼らのほとんどが天日さんのバスケが初めてで、知らないことばかりだったと思います。だけど僕は知らないことが多いのは、逆に強みでもあると思うんです。彼らも自分の持てるものを全部出そうと、みんな頑張ってきました。僕は昨季もいっしょにやって、天日さんが求めるバスケの経験や知識がある。若い選手に対しては、それをもとに少しずつアドバイスしてきました。シーズンが進むごとに、それが成果となって表れていたと思います」(合田)

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序盤戦は黒星が先行したが、実戦を重ねるうちにチームプレーが噛み合い出した。開幕から3ヶ月を経た12月には宇都宮ブレックス、千葉ジェッツふなばし、アルバルク東京、琉球ゴールデンキングスの強豪勢から勝ち星を奪取。そこから波に乗って、白星を積み重ねた。そんなチームにさらなる正のパワーをもたらすかのように、3月3日の信州ブレイブウォリアーズ戦でついに天日HCが復帰。指揮官が帰ってきて、チームはさらに引き締まったと竹野AC。

「強豪に勝ちきったのが最初のターニングポイントで、次は天日さんが帰ってきたことがそれですね。天日さんが戻ってきて選手たちの顔つきが変わりましたし、チームも選手も『コーチが帰ってきたし、オレたちはもっとやれる』と自信を持ちました」(竹野AC)

しかしこの試合で、日本人エースとして覚醒した#14橋本拓哉が右アキレス腱を断裂する大ケガを負う。1試合平均13あまりの得点力を失うことは、大きなダメージ。この窮地に、若い選手が奮闘した。その代表格が、#8角野亮伍。藤枝明誠高時代は世代最強のスコアラーと名を馳せ、アメリカの大学でのプレーを経て、今季にエヴェッサでプロデビューした。しかし開幕当初はスターターで起用されたが、ディフェンス面の課題を克服できず出場機会は激減。それでも腐らず努力を続けた結果、終盤戦には2度も21得点をあげるなど輝きを放った。その角野は言う。

「モチベーションはシーズン序盤からずっと変わりなく、つねに準備していました。試合に出て活躍するのが僕の仕事なので、プレータイムが増えたのは素直にうれしかったです。大事な時期に橋本選手がケガをして、その代わりを務める責任感があります。そういう場面で使ってもらえて、少しでもチームのためになれていればうれしいです」(角野)

そうしてつかみ取ったCS進出。今のチームでCS出場経験があるのは#2伊藤達哉と、#33アイラ・ブラウンのふたり。チームの精神的支柱でもあるブラウンは、CSを勝ち抜くためにはコミュニケーションが大事だと熱く言う。

「レギュラーシーズンでは選手間でコミュニケーションがとれず、自分たちのディフェンスが悪い方向に行ったことが原因で負けた試合があった。僕らはCSに進出するだけではなく、優勝も目指している。そのためには選手同士で話し合い、コミュニケーションをとってチームがひとつにならないといけない。そのことは、みんなもしっかりと意識している。CSに向けての準備は、整っているよ」(ブラウン)

一方の伊藤があげたのは、試合の入り方。

「やっぱり大事なのは、試合の出だしじゃないですかね。出だしからいかに、相手にダメだと思わせるか。宇都宮や川崎といった強豪チームは、ファーストパンチを相手に食らわせて、近づけさせないんです。試合をしてそのことを実感させられたので、それを僕たちも身に付けないといけない。CSは京都ハンナリーズ時代に出ましたが、レギュラーシーズンよりもっと大きな経験値が得られる舞台。だから楽しみだし、僕がエヴェッサに来たのもCSに出たいから。CSはシーズン中の勝敗に関係なく、勢いがあるチームが勝ち残れると思う。だからこそ、開始から勢いを持って試合に入りたい」(伊藤)

いよいよ、CSが幕を開ける。このクォーターファイナルはその初戦であり、勝ち抜けばセミファイナルを再びホームで戦える可能性がある。エヴェッサは2020-21シーズンを、まだまだ終わらせない。
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著者プロフィール

2005年にクラブ創立。七福神のお一人で商売繁盛の神様である「戎様」を大阪では親しみを込めて「えべっさん」とお呼びするところから、 人情・笑い・商売の街大阪を活気づける存在であることを願い「大阪エヴェッサ」と命名。 同年にスタートしたbjリーグで開幕から3連覇を成し遂げる。 2016年9月に開幕した男子バスケットボールの最高峰・Bリーグでは、ホームタウンを大阪市とする大阪唯一のクラブとしてB1に参戦。

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