感謝と奉仕の首位発進 笠りつ子『全部良かった』

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGA ツアー2020-21シーズン公式競技『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』が5月6日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部 東コース(6,630ヤード/パー72)で開幕した。天候は初夏を感じさせ、コースコンデションも絶好。大一番にふさわしいロケーションが各選手に素晴らしいプレーをうながした。大会第1日、6アンダーで首位に立ったのは笠りつ子。1打差の5アンダー、2位に同じ熊本県出身の大里桃子が続く。4アンダー、3位タイで西郷真央、菊地絵理香がつけた。5位タイの3アンダーに鈴木愛、申ジエなど6人がひしめく大混戦ムード。前週優勝の上田桃子は1アンダー、15位タイから上昇を狙う。
(天候:晴れ 気温:21.3℃ 風速:3.2m/s)

 久しぶりに主役を務める日が、近づいている。笠りつ子が66をマークし、ロケットスタートを決めた。2016年以来、約5年ぶりの勝利と念願の公式競技初制覇がかかっている。

 スタート前、「コースと戦う」と言い聞かせた。そして第1日、奪ったバーディーがなんと7つ。最も印象に残ったのは7番だった。2段グリーンの下から8メートルをねじ込んだ。「きょうは、ティーショットが良かった。第2打でチャンスをたくさん。それからパッティングも…。あっ、全部良かったです」と爆笑した。

 とはいえ、喜んでばかりはいられない。唯一、ボギーだった16番の攻略が脳裏を過った。会心の第1打が、フェアウェイ中央にそびえる松の木の手前へ。苦渋の末の第2打はグリーン右手前のバンカーにつかまった。さらに、第3打でピンに寄せることができない。「今、考えても、どうやったらパーで上がれたのか。思いつきません」と首をひねった。優勝を勝ち取るために、16番の攻略が大きな課題だ。それだけではない。「中野さんのコースセッティングは、(第2日以降)もっと難しくなっていくでしょう」と気を引き締めた。

 今年、若手の活躍がクローズアップされているが、地元開催のKKT杯バンテリンレディスで6位タイと上位フィニッシュ。フジサンケイレディスでも3位タイと上り調子である。コロナ禍でも試合開催が続くことを改めて考えた。「ファン、スポンサーの方々をはじめ、応援してくださる皆さんに喜んでほしい。そんな気持ちでここにいます」と神妙に語っている。

 一方で、チャリティー活動にも熱心だ。子どもたちの孤食対策などを目的とした、「熊本市こども食堂プロジェクト」に参加。1バーディーにつき、肉1キロをフードバンク熊本へ寄付している。「今年、開幕の頃、果たしてバーディーがとれるのだろうか、と緊張したけど、最近はイーグルがあって、バーディーが増えてきた」と穏やかな表情を浮かべた。奉仕の心がさらにボールへ乗り移る。
(宮脇 廣久)
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