【AFTER GAME】 2020-21第28節 福島戦(5/03)~徹底したタイムシェアで福島を撃破。いざプレーオフへ~
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レギュラーシーズンのラストゲームとなった福島ファイヤーボンズとのアウェー戦。ロボッツは点の取り合いとなった前半戦から徐々に守りを修正し、相手の攻め手を削いでいく。メンバーを大胆に変えながら試合を進めたロボッツは、1ポゼッション差の神経戦をしのぎきり、シーズン最終戦を86-83と、白星で締めくくった。残すは、シーズンの最終決戦であるプレーオフ。先の戦いを見据えつつ勝利を収めたこの試合を振り返っていく。
プレータイムをコントロール。ベンチメンバーが輝きを放つ
この中で鍵となったのは、#21鎌田真だった。今シーズン14試合に出場し、平均プレータイムが2分27秒と、長い時間のプレーがなかなかできていなかった鎌田が、試合の前半からコートに立つ。その身体能力を活かして果敢にリバウンドを奪うほか、オープンができたと見るや3ポイントも積極的に放っていった。鎌田は今シーズン最長となる10分43秒をプレーし、試合を作るには十分な働きをみせた。彼の活躍について、#25平尾充庸は試合後にこう振り返る。
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この試合におけるロボッツは、ベンチ入りした11人の選手全員が得点を記録。一方でプレータイムのシェアも一定の結果を見せ、最長時間となったのは#31アブドゥーラ・クウソーの29分8秒だった。試合の中盤からは外国籍選手がオンザコート1、あるいは#4小寺ハミルトンゲイリーを起用することでオンザコート0の時間もあった中で、#0遥天翼のディフェンスも効いていた。シーズン最終戦で、「誰が出ても力強いロボッツ」が発揮できたことは、大きな収穫だったといえるだろう。
ポイントを絞って、相手の攻めを「点」に
第3クォーター、ロボッツは小寺やクウソーが代わる代わるフェイゾンと対峙し、自由なシュートを防いでいく。前半でこそオープンになる場面もままあったが、ビッグマンがマッチアップをしっかりと組み立て、ゲームの流れを守備から作っていった。この間、日本人選手たちも積極的にカバーリングに入り、ボールの出し所や連携点を作らせない。結果として福島はフェイゾンか#0エリック・マーフィーによってオフェンスを完結させざるを得ない状況となり、次第に連動性を失っていくこととなった。得点のスタッツを見ると、それが顕著に表れる。後半、マーフィーとフェイゾン以外で福島が生み出した得点は、11。対するロボッツは試合後半、小寺とクウソーのビッグマン以外で25得点を稼いでいる(#11チェハーレス・タプスコットは後半プレーせず)。一見、細かいところに見えるような差も、最終的には勝敗を分けた要素といえるだろう。
相手の攻撃を「線」ではなく「点」にしていくことは、非常に大切なことだ。この試合に限らず、強力な外国籍選手を擁するチームとの激突が続くプレーオフにおいては特にその重要性が増し、相手の連動性を断っていくディフェンスは、相手のリズムを着実に狂わせていく。特定の一人の精度や調子だけで勝負するような状況に持ち込むことで、優位に試合を運ぶことができる。
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そのためには、決して相手のフリーを作らず、コートを走り回り続けてディフェンスをし続けること、その一点を追い求めてほしい。40分間それを継続できた先には、勝利が待っている。強度を一段二段と高めて、次の戦いへと挑んでほしい。
決戦の舞台は目前に
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ロボッツにとっては未知の領域での戦い。選手・コーチ・スタッフの中で、重圧に思う人もいれば、これを楽しみと捉える人もいるだろう。ただ、確実にいえるのは前回のコラムで#27眞庭城聖が述べたとおり、「プレーオフの空気感に呑まれない」ことが重要。ロボッツとしてはキャプテンの平尾が言うところの「40分間戦い続けるバスケット」、あるいは「Unselfish」、「Toughness」を体現し続けて戦ってもらいたい。
対戦相手の佐賀で特に注意すべき選手は、先述したガルシアだろう。直前に行われたライジングゼファー福岡戦では、長時間のプレーをしなかったにもかかわらず2試合続けて2桁得点を記録。上々のコンディションで、ロボッツにぶつかってくることが予想される。ガードの選手としては、やや規格外のプレーヤーを相手にすることにはなるが、ロボッツは臆することなく戦って、主導権を握っていきたいところである。
「シーズンの総決算」「Dead or Alive」など、さまざまな言葉で形容される一発勝負のプレーオフ。1年を戦ってきたロボッツの戦士たちに最大のエナジーを送り、その背中を押してほしい。
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