【サトウ食品日本グランプリシリーズポイント対象大会】男子十種競技で右代が手ごたえつかむ優勝/鹿児島県陸上競技記録会・混成競技 大会レポート

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【JAAF】

混成競技のサトウ食品日本グランプリシリーズポイント対象大会となる、第3回鹿児島県陸上競技記録会が5月2〜3日、鹿児島市の鹿児島県立鴨池陸上競技場(白波スタジアム)で開催されました。男子十種競技は日本記録保持者の右代啓祐(国士舘クラブ)が7816点、女子七種競技は日本選手権3連覇中の山崎有紀(スズキ)が5692点で優勝しました。
混成競技は今年度、グランプリシリーズ大会が開催できなかったため、鹿児島県記録会の中でグランプリに相当する種目として実施していただきました。第1日は時折テントも飛ぶほどの強い風に見舞われましたが、第2日は適度な風に落ち着き、ともに晴天の下で進みました。
男子十種競技は、第1日は奥田啓祐(第一学院高教)が、100mでトップの10秒85、400mも48秒22とトップのタイプを出し3965点でリード。各種目で安定した記録をそろえた田上駿(順天堂大)が3906点で続きました。2020年日本選手権覇者の中村明彦(スズキ)は3839点で4位、右代は3799点で7位と追う展開になりました。
第2日は田上が最初の110mHで14秒00をマークして1位に浮上。しかし右代がここから勝負強さを発揮し、棒高跳で4m90をクリアするなど得点を積み上げて首位に立ちました。最後の1500mは、この種目を得意とする田上が右代に約22秒差をつけて先着すれば逆転優勝となる状況でスタート。田上が積極的にレースを進めたものの、右代がしぶとく粘ってペースを崩さず13秒余りの差にとどめて逃げ切り勝ちを収めました。右代は第2日が4017点で3年ぶりの4000点突破。日本選手権混成競技(6月12〜13日、長野市営陸上競技場)に向けた手ごたえも得ました。
田上は日本歴代7位となる7764点で、自己記録を大幅に更新しました。奥田は棒高跳の記録なしが響いて7位。中村は第1日の走高跳で左足首に痛みが生じた影響を考慮して、棒高跳で5m00に成功したもののその後の種目を棄権しました。
女子七種競技は、第1日に昨年の学生女王、大玉華鈴(日本体育大)が3280点でリード。山崎は動きにやや精彩を欠いて3217点で2位と追う展開となりました。第2日は山崎が走幅跳でトップの5m83を跳んで首位に浮上すると、残る2種目もトップの記録を並べて5692点で優勝。最終的には、5396点で2位の大玉に大差をつけました。その後に続く層の選手には自己記録更新者が多数出て、全体的には底上げを感じさせる戦いとなりました。
混成競技は日本選手権が他のトラック・フィールド種目より一足早く、6月12〜13日に長野市営陸上競技場で開催されます。日本一の座、そして東京2020オリンピックを目指した熱戦が待たれます。


【JAAF】

男子十種競技
優勝 右代啓祐(国士舘クラブ)
7816点

第1日は苦しい展開だったが、第2日は自分の持ち味を出せた。これだけ失敗が多くても7800点が取れるのだから、日本選手権で自分が持つ日本記録(8308点)へのチャレンジも見えてきたし、オリンピックの参加標準記録(8350点)も破りたい。
毎日の練習で課題を細かくチェックしてきた積み重ねが、特に棒高跳でうまくかみ合った。また、昨年の日本選手権では(中村との接戦で迎えた最後の)勝負が懸かった1500mで5分近くかかり、優勝を勝ち取れなくて苦い経験をした。それ以来、心肺機能やスピードの厳しいトレーニングに徹底して取り組んできたことが今日の(4分39秒67で走り田上に逆転を許さなかった)1500mで出せた。35歳になってもまだやれるという感触を得られたし、3度目のオリンピックで勝負したいと改めて思った。


男子十種競技
2位 田上駿(順天堂大)
7764点

自己記録の更新という目標は果たせたし、棒高跳や投てき種目などで自己ベストに近い記録も出せて、課題もかなりクリアできた。気づけば右代さんに得点が近くて「優勝できるかも」と思ったが、結果的にチャンスをつかめず、右代さんの偉大さを身にしみて感じた。
右代さん、中村さんとの勝負も見据えてはいるが、それよりも自分のパフォーマンスをいかに高めるかが先。自分の強みは失敗が少なく、全体をある程度まとめることができる点にあるが、体格や動きを根本的に変えて、もっと上のレベルに行くことを意識したい。


女子七種競技
優勝 山崎有紀(スズキ)
5692点

(第1日で出遅れた)昨年の日本選手権と同じように、今回も第1日がうまくいかなかった。メンタル面で成長しきれていないことが表れた。だが、安定して記録を残せた種目もあり、日本選手権へ向けた手ごたえも感じた。
2018年に出した自己記録(5873点)を更新する力は十分についてきている。スプリント系でまだかみ合っていないところがあるが、そこがしっくり来れば、記録更新を狙わなくても自然にやっていたらいい記録が出ちゃった、というような試合運びができると思う。



▼第3回鹿児島県陸上競技記録会 (日本GPシリーズポイント対象大会)
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1627/

▼6月12日(土)〜13日(日)開催! 日本選手権混成/U20日本選手混成
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1555/

▼サトウ食品日本グランプリシリーズ!
次大会は、6月1日(火)【大阪大会】第8回木南道孝記念陸上競技大会
https://www.jaaf.or.jp/gp-series/
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