【マッチプレビュー】2021年JFL第7節 いわきFC対鈴鹿ポイントゲッターズ

いわきFC
チーム・協会

【©︎IWAKI FC】

第23回日本フットボールリーグ(JFL)第7節。いわきFCは5月1日(土)、いわきグリーンフィールドに鈴鹿ポイントゲッターズを迎える。

鈴鹿ポイントゲッターズは、三重県鈴鹿市を本拠地とするJリーグ百年構想クラブだ。名張市を拠点とする三重FCランポーレと、鈴鹿市を拠点とする鈴鹿クラブの合併で2009年に発足した「FC鈴鹿ランポーレ」が前身。2009年シーズンに東海リーグ2部を制し、東海リーグ1部に昇格。運営体制の変更に伴い、2016年に「鈴鹿アンリミテッドFC」に改名し、2018年に東海リーグ1部を制覇。全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2018で2位に入り、JFL昇格を果たしている。

2019年にスペイン人女性監督、ミラグロス・マルティネス・ドミンゲス氏を招聘。日本の全国リーグで初めての女性監督起用となった。2020年、ポイントサイト「アメフリ」を運営するエムフロとのネーミングスポンサー契約を機に、クラブ名を現在の「鈴鹿ポイントゲッターズ」に変更。ユニークな名称は「ポイントサイトに連動したクラブ運営」を象徴するもの。「日本のスポーツクラブ経営をまったく新しい方法で塗り替えていく」と宣言するなど、異彩を放つ。

ドミンゲス監督2年目となった2020年シーズンは6勝3分6敗。同勝ち点のいわきFCを得失点差で上回り、5位に入っている。

昨年10月3日の直接対決はアウェーで行われ、いわきFCにとって悔いの残る結果になった。積極的に攻撃を仕掛け続けるも、ミスをきっかけに前半40分に失点。そのまま守り切られ、0対1で敗れている。

昨年アウェーで行われた直接対決は0対1で敗れた 【©︎IWAKI FC】

今節、いわきFCは鈴鹿ポイントゲッターズをいかに攻略するのか。田村雄三監督、村上佑太アナリストのコメントを紹介したい。

「CB二人の理解度がカギを握る」(田村雄三監督)

「鈴鹿さんはこれまで対戦してきた中で、相手のよさを消すことに最も長けているチームだと思います。フォーメーションは4-1-4-1、もしくは4-2-3-1のどちらか。ボールを1トップに当てて落とし、潜って3人目。もしくはその選手をおとりに使い、背後の選手がゴールを狙う。攻撃はそのような形を予想しています。

ここまでの試合を見る限り、前からプレッシャーをかけてくるチームが少なく、鈴鹿さんのよさが出ている印象があります。我々はやってきたことを変えるつもりはないので、鈴鹿さんが試合の中でどんなことをしてくるのか、見えない面もある。とはいえ、ガチガチに引いて守るチームでもないので、攻撃も守備も予想と大きくは変わらないと考えています。

ただ、今節は相手どうこうよりチームを整えることが大事です。第5節のラインメール青森戦、第6節のF.C.大阪戦で出た、ボールの奪い方についての意思統一という課題の改善が必要です。CB2人が1トップに引っ張られすぎて上げが遅くなり、全体が間延びしてしまう。前節の開始早々の失点は、まさにそれが原因でした。ボールの奪い方に関してチームの共通認識を高めないと、後手を踏んでしまう。もっとコンパクトな、いい距離感を作る。その意識だけはしっかり持たせたいです。

そういう意味で、今節のカギを握るのはCB2人です。今、F.C.大阪戦で初先発した黒澤丈の調子がとてもいい。彼は前節、日高大のバックアップとしてSBで初先発し、日高が入った後半は本来のCBでプレーしました。そんなチーム事情もあり、今節、CB二人を誰と誰にするかは未定。調子のいい選手を起用したいと思います。

調子があがっているDF黒澤丈 【©︎IWAKI FC】

その他のメンバーですが、まず左サイドハーフに山口。右サイドハーフは金大生で考えていますが、F.C.大阪戦であまり調子がよくなかったので、ここにバスケス・バイロンが絡んでくればポジション争いが面白くなる。そしてボランチは山下優人と宮本英治。今節のメンバーについて、言えるのはそこまでです」

「そろそろ、セットプレーからのゴールを」(村上佑太アナリスト)

「鈴鹿さんは最も勝利に近い形を探し、戦術を変えてくるチーム。ポゼッションを得意とするラインメール青森との試合では前からどんどんプレスをかけ、ボールを奪って点を取る形ができていました。逆にF.C.大阪戦や前節の高知ユナイテッドSC戦では、自分達のポゼッションサッカーを展開しようとする意図が見えました。今節は多少グラウンドの状態が悪くても、ボールをしっかりつないでくるだろうと読んでいます。

攻撃の中心は、2019年にJFL得点王に輝きベストイレブンに選ばれたFWエフライン・リンタロウ選手、そして昨年のいわきFC戦でも得点を挙げたMF和田篤紀選手。この二人を警戒していましたが、二人とも前節はベンチ外。おそらく、ケガが長引いているのでしょう。

前節のフォーメーションとメンバーを軸に考えると、警戒すべきは4-1-4-1のアンカーに入る6番のMF西村仁志選手です。アンカーから自由に配球されてボールの取りどころを見失うと、押し込まれる展開になる。そのため西村選手をしっかりと抑え、自由にボールを持たせないことが大事。直接マッチアップするMF山下、そしてFW2人と両サイドハーフの5人がいかに連動してボールを奪えるかがカギを握るでしょう。

【©︎IWAKI FC】

鈴鹿さんのこれまでの失点を見ると、5失点のうち3点がセットプレーからによるものです。セットプレーで点が取れると、試合を優位に展開させることができます。ウチもそろそろセットプレーからのゴールがほしいですね。例えば世界を見ても優勝するチームはセットプレーからも点が取れる。得点の30〜40%をセットプレーから取れるようになると、優勝はもちろん上位に食い込むチャンスがさらに広がるはずです」

過密日程となる5月に、いかに勝ち点を積み重ねるか。

第4節の東京武蔵野ユナイテッドFC戦が延期、そして第5節のラインメール青森戦と第6節のF.C.大阪戦をともに引き分けたことで現在、5試合を消化し3勝2分けで勝ち点11の4位。チームの状態は決して悪くないが、3月28日のFC刈谷戦以来、リーグ戦の勝利から遠ざかっている。

開幕から約2カ月が経過した今、期待されるのは新戦力の台頭だ。現在、フィールドプレーヤーは21人。決して層が厚いとは言えない中、チャンスはどの選手にもある。今週からは、リーグ戦と並行して天皇杯の戦いがスタート。過密日程の中、いかに勝ち星を積み重ねるかが、J3昇格に向けたカギとなるだろう。まずは今節、J3昇格を争う直接のライバルを相手に、圧倒的な勝利を見せてほしい。

試合は5月1日(土)13時より、いわきグリーンフィールドにてキックオフ。試合の模様は、YouTubeのJFLオフィシャルチャンネルにてライブ配信される。

この試合は有観客試合で行われるが、4月23日にいわき市で発令された「感染拡大防止一斉行動」の実施を受け、飲食ブースや体験ブースなどを含む全てのイベント開催を中止。当日は時間差入場を実施するなどの感染症対策を講じて運営する。観戦ルール順守の上、気持ちのこもった拍手で選手達の熱き戦いを後押しいただきたい。

なお、いわきFCの最新情報は現在、"魂の息吹く"noteにて配信中。

また、いわきFCファンクラブ「LOVE IWAKI」も、会員を随時募集。入会は無料。チケットやグッズの会員限定価格で購入や、メルマガによる情報配信など多くの特典があるので、ぜひチェックしてほしい。

いわきFCの熱き戦いに、引き続きご注目を!

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著者プロフィール

「いわき市を東北一の都市にする」ことをミッションに掲げ、東北社会人サッカーリーグ1部を戦う「いわきFC」の公式アカウントです。

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