我らがゴールデンルーキーは チャンピオンシップ進出へのキーマン #13 中村浩陸

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#13中村浩陸は昨季途中に、特別指定選手として加入。ケガ人が続出したポイントガード(PG)陣にあって、ひとり奮闘した。しかし今季序盤はベンチに座る時間が長く、出場すらしない試合もあった。

「シーズン序盤はなかなか試合に出られず、悔しい思いをしました。昨季と今季はチームスタイルが全然違いますし、同じPGの#25ディージェイ(・ニュービル)が入ってくることもわかっていました。なにかで彼との違いを出さないと、絶対に試合に出られないと思っていて、それがなにかを考える期間がシーズンに入ってからも続いてしまっていたんです。考え過ぎて迷路にハマったような感じで、それが響いてしまったのかなと思います」

出場の機会が得られずとも決して腐らず、自身の課題と真摯に向き合って、ひたすら出場の機会を待った。

「自分の課題は、ディフェンスだと思っていました。序盤は自分でも感じていましたし、周りで見ている人もそう思っていたでしょうが、なかなか足が動かなかったりして、あまりチームにフィットしていませんでした。その時期はベンチから見ていて、チームのディフェンスに強度が足りていないと感じていたので、僕がそれを上げていければローテーションに入れるんじゃないかと思っていたんです。そこはすごく意識してやっていたことで、今も続けています」

昨季は現役大学生ながらゲームコントロールの巧みさが注目されたが、自身の言葉通り、今季の彼はディフェンス力が著しく向上した。守備力の改善でベンチからの信頼を得て、12月2日の信州ブレイブウォリアーズ戦で今季初めて先発でコートに立つと、そこからほぼすべての試合でスターター出場。リーグを代表するPGとマッチアップしても一歩も退かず、むしろ執拗なマークで相手のプレーと気持ちを乱す場面を何度も見せた。今や中村はチームの今季の第一目標である、チャンピオンシップ(CS)進出を果たすためのキーマンのひとりにまでなった。

「厳しい戦いが続くのでシンドさはありますが、チームにはCSに出るという大きな目標があり、今は出られるラインにきています。チームがこのままより良くなっていけば、出られるんじゃないかな。いや、絶対に出られると思う。そのことに、ワクワクしています」

スターターで出場する司令塔は、チームがさらに良くなる要素が、どこにあると考えているのか。

「コミュニケーションの部分だと思っています。ディフェンスでもオフェンスでも、なにか違うなと思ったときに、選手同士でしっかり伝えあう。そうしてお互いの共通認識をもっとしっかり固めていけば、さらに強固なディフェンスや、よりイージーなオフェンスができるんじゃないかと思っています」

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CS進出を目指すチームの、先発PG。背番号13は若干23歳ながら、その役割の重要性をしっかりと認識している。

「ゲームの入りはすごく重要。その試合にどれだけの強度で入るのかで、ゲームの流れが決まってくると思います。最近の試合では自分自身も、チームとしても、なかなか高い強度で入れていないので、そこは修正していくべき点ですね。僕個人としては、日によって良い・悪いの波が大きいので、その振れ幅を小さくしていくことが今後の目標。でも先日のレバンガ北海道との初戦は、自分のプレーのインテンシティを上げて入れたので、そこは成長していっているなと感じました。今後も日ごろの練習や試合で、もっとレベルを上げていきたい」

同時に、チームの勝敗を担う責任も背負う覚悟でいる。

「自分がスタートで出ている以上、ゲームの雰囲気やチームのムードを、どう作っていくか。そのことに、責任を持って取り組まないといけない。それが、僕らがより良いチームになってくために必要だと思う。そのためには自分から仲間に話をしたり、もっとコミュニケーションをとっていなかいといけないと思っています」

ヒリヒリするような戦いが続く、シーズン終盤戦。序盤や中盤のころとはまた違う独特の緊張感に満ちているが、我らがゴールデンルーキーは頼もしい。

「昨季もCS進出圏内にいて、さあここからというところで中止。その先のシーズンの雰囲気を感じられなかったのは、とても残念でした。今はシーズン終盤の雰囲気、それにCS進出がかかった戦いが続くこの緊張感を、楽しんでやれています。終盤戦を勝ち抜くために、僕個人として大事なのはやはりディフェンス。今では自分の強みだと思っているディフェンスで、チームに貢献していきたい」

シーズンを戦いながら着実に成長を遂げている若者は、まだ見ぬ景色を目にするために、今日も全力でコートを駆ける。
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著者プロフィール

2005年にクラブ創立。七福神のお一人で商売繁盛の神様である「戎様」を大阪では親しみを込めて「えべっさん」とお呼びするところから、 人情・笑い・商売の街大阪を活気づける存在であることを願い「大阪エヴェッサ」と命名。 同年にスタートしたbjリーグで開幕から3連覇を成し遂げる。 2016年9月に開幕した男子バスケットボールの最高峰・Bリーグでは、ホームタウンを大阪市とする大阪唯一のクラブとしてB1に参戦。

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