重賞競走における休養明けを考える
【2021/2/21 東京11レース フェブラリーS優勝馬・カフェファラオ】
中9週以上の馬の成績
■表1 【中9週以上の馬の成績】
レース間隔別成績
■表2 【レース間隔別成績】
グレード別成績(中9週以上)
■表3 【グレード別成績(中9週以上)】
ただ、この集計期間中に中25週以上でG1勝ちを飾った馬はいない。過去にはトウカイテイオー(1993年有馬記念優勝)などの偉業もあるものの、2016年以降ではフィエールマン(2011年天皇賞・秋)、ミッキーアイル(2016年スプリンターズS)の2着が最高である。G1競走での1着候補は、休養期間が半年以内の馬が妥当だ。
人気別成績
■表4 【人気別成績】
馬体重・増減別成績
■表5 【馬体重・増減別成績】
前走比の馬体重増減をみると、10キロ以上のマイナス体重で出走した中9週以上の馬はのべ145頭で1勝のみ(2017年エルムS・ロンドンタウン)。対して10キロ以上のプラス体重馬は、2019年の秋華賞をプラス20キロで制したクロノジェネシスなど計55勝。休養明けの大幅馬体減は明らかにマイナス材料となる。
調教師成績(勝ち鞍順、8勝以上)
■表6 【調教師成績(勝ち鞍順、8勝以上)】
他の7名は勝率か複勝率の少なくとも一方では、中9週以上の成績がその他の成績を大きく上回っている。特に中内田充正調教師は中9週以上での勝率26.5%に対しその他は10.7%。約16ポイントもの差がついており、休養明けでこそ狙いたい厩舎の筆頭だ。
以上、平地重賞競走における休養明けについてのデータをいくつか調べてみた。近年は休養明けが減点材料とはならないこと(表1〜2)や、大型馬=叩き良化型とは言えないこと(表5)あたりは、競馬ファン歴の長い方ほど注意したいところだ。また、休養明けの好成績を牽引しているのは主に1番人気馬であること(表4)あたりは、しっかりと頭に入れておきたい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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