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JABA大会で頭角を現したENEOSの加藤三範(左・撮影=宮野敦子)と東芝の藤村哲之(右・撮影=横尾弘一)。

【週刊グランドスラム91】ルーキー左腕が躍動してENEOSが長野県知事旗大会、東芝が四国大会に優勝

公益財団法人 日本野球連盟

 今季のJABA大会は、東京スポニチ大会で三菱自動車倉敷オーシャンズ、静岡大会で東海理化と初優勝が続いていた。だが、ともに4月11日に準決勝・決勝が行なわれた第62回長野県知事旗大会はENEOS、第49回四国大会は東芝と社会人球界を牽引する名門が制する。ただ、優勝チームから選出される最高殊勲選手賞は若手が手にするという流れは変わらない。ENEOSは加藤三範、東芝では藤村哲之と、ともにルーキー左腕が栄誉に輝いた。
 花巻東高で硬式野球を始めた加藤は、1年時からベンチ入り。2年夏には、1学年上で同じ左腕の高橋樹也(現・広島)とともに投手陣の中心を担い、三回戦まで進出した甲子園でも2試合に先発する。3年夏は岩手県大会初戦(二回戦)で敗れ、筑波大へ進学。1年時からリーグ戦の登板機会を得て白星も手にし、キレのあるストレートは140キロ台後半をマークする。
 2年秋にはリリーフで8試合に登板し、防御率0.32の安定感を発揮。惜しくも優勝は逃したが、ベストないかに選出され、関東地区選手権に準優勝して神宮大会でも登板する。ところが、左ヒジを疲労骨折して手術を受け、3年時は戦列を離れてしまう。4年時に復活を目指したものの、コロナ禍で春のリーグ戦は中止に。プロ志望届を提出するも指名はなく、今春にENEOSへ入社した。
 豊田シニアから愛工大名電へ入学した藤村哲之も、1年時からベンチ入りする。2年秋の新チームからエースとなり、3年夏は愛知県大会決勝に進出。藤嶋健人(現・中日)を擁する東邦高と対戦し、6回までに6失点で甲子園には届かなかった。
 横浜商大でも1年時からリーグ戦のマウンドに立ったが、なかなか目立つ数字を残せなかった。それでも、3年秋には7試合に登板し、3勝1敗で防御率1.82をマーク。ベストナインにも輝く。さらなる飛躍を目指して今春に入社した東芝では、高3夏に対戦した東邦高から東海大へ進んだ同じサウスポーの松山仁彦とチームメイトになった。

加藤はリリーフ、藤村は先発で目立つ活躍

 ENEOSは8年ぶり、東芝は11年ぶりの都市対抗優勝を目指すシーズン。3月の東京スポニチ大会では、藤村が公式戦デビューを果たす。ただ、両チームともリーグ戦を突破することはできず、優勝チームに与えられる日本選手権の出場権も狙ってENEOSは長野、東芝は徳島へ向かう。
 藤村は、JFE西日本とのリーグ戦第1戦に先発。初回から3点の援護を受けたとはいえ、落ち着いた投球で凡打の山を築かせ、コールド勝ちした7回を3安打1失点で完投勝利を挙げる。さらに、4日後にはNTT西日本との決勝にも先発。準決勝までの4試合で25点を叩き出した強力打線を相手に、緩急を生かした投球が冴え渡る。ストレートは140キロに満たないが、スライダーやチェンジアップとのコンビネーションで8回まで1安打10奪三振。9回裏に連続四球を与えてマウンドを譲ったが、2大会連続優勝の原動力となって最高殊勲選手賞に選ばれた。
 一方の加藤は、ジェイプロジェクトとのリーグ第2戦で、5点をリードした9回裏二死一塁でマウンドへ。四番の左打者を2球でレフトフライに討ち取ると、次の登板は東邦ガスとの決勝だ。しかも、先発の関根智輝が2回裏に逆転の2点三塁打を浴びた直後。この大会で3本塁打を放っている四番の若林俊充を見事に空振り三振に仕留め、その後も6回まで2安打無失点で逆転勝ちの流れを引き寄せる。勝利投手とともに最高殊勲選手賞に輝いたのは、日本選手権への出場権獲得に貢献したご褒美だろう。
 なお、両大会の個人賞は以下の通りだ。

●長野県知事旗大会●
最高殊勲選手賞/加藤三範投手(ENEOS)
敢闘賞/若林俊充内野手(東邦ガス)
首位打者賞/山崎 錬内野手(ENEOS)


●四国大会●
最高殊勲選手賞/藤村哲之投手(東芝)
敢闘賞/大江克哉投手(NTT西日本)
首位打者賞/吉田 潤内野手(東芝)


 そして、16日からは日立市長杯大会(無観客開催)と岡山大会が行なわれている。次は、どんな選手が頭角を現すか楽しみにしたい。
(文=横尾弘一)

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1949年に設立した社会人野球を統轄する(公財)日本野球連盟の公式アカウントです。全国の企業、クラブチームが所属し、中学硬式や女子野球の団体も加盟しています。1993年から刊行している社会人野球オフィシャル・ガイド『グランドスラム』の編集部と連携し、都市対抗野球大会をはじめ、社会人野球の魅力や様々な情報を、毎週金曜日に更新する『週刊グランドスラム』などでお届けします。

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