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2020/4/18 中山11R グランドジャンプ(J・G1) 1着 6番 オジュウチョウサン

不世出の王者が6連覇に挑む中山グランドジャンプを展望

JRA-VAN

今週もクラシックの皐月賞が行なわれるが、その前日にもJ・G1の中山グランドジャンプが組まれている。やはり注目はオジュウチョウサン。10歳になった今年も出走を予定しており、昨年達成した5連覇という金字塔をさらに伸ばすことはできるのか。それとも、金星を獲得する新星が現れるのか。データをもとにレースを展望したい。集計期間は過去10年としたいところだが、震災の影響で11年が7月開催となったため12〜20年の9年分。なお、今回はより普遍的な傾向を見出すための試みとして、不世出の存在であるオジュウチョウサンをあえてデータから除外して考えてみたい。もちろん、必要な箇所ではオジュウチョウサンについても随時触れることとする。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

人気別成績

■表1 ■表1 人気別成績

表1は人気別成績。最初にオジュウチョウサンについて述べておくと、中山GJ初出走の16年のみ2番人気で、続く17年〜20年は単勝1倍台の1番人気で勝利を収めている。このオジュウチョウサンが登場する以前の12〜15年の勝ち馬はどうだったかといえば、1番人気が2勝、4番人気と8番人気が各1勝という内訳。1〜3着に広げても8番人気が好走馬の最低人気で、極端な人気薄の好走は少ないレースだ。さらに、オジュウチョウサンが圧倒的な1番人気に君臨する17〜20年の1〜3着は6番人気以内から出ており、人気薄にはより厳しい傾向が出ている。

年齢別成績

■表2 ■表2 年齢別成績

表2は年齢別成績。集計対象となった1着馬4頭のうち3頭が5歳馬だったのは見逃せないところで、好走率もベストの数値を記録。なお、集計から外したオジュウチョウサンが16年に中山GJを初制覇したのも5歳のことだった。そして、6〜8歳はいずれも20%前後の複勝率を記録しているが、9歳になると10.0%と半減。さらに10歳で出走した4頭は好走には至らなかった。この10歳のなかには、中山大障害2勝のキングジョイ、中山GJ勝ちのマイネルネオスというJ・G1馬も2頭含まれているのだが、ともにふたケタ着順に終わっている。オジュウチョウサンが別格の存在であることは誰もが認めるところとはいえ、今年10歳。どこか背中が痒くなるようなデータではあるだろう。

当日馬体重別成績

■表3 ■表3 当日馬体重別成績

表3は当日馬体重別成績。ご覧の通り、集計対象の1着馬4頭は、すべて当日の馬体重が500キロ以上だった。また、オジュウチョウサンも当日500キロ以上で5連覇を達成。複勝率に関しては500キロ未満のほうが高く、好走できないわけではないのだが、500キロ以上でなければ中山GJを勝ち切れないというのは興味深い傾向だ。

中山障害・実績別成績

■表4 ■表4 中山障害・実績別成績

JRAの障害コースのなかでも、中山のタフさは群を抜くと言われる。そこで出走各馬の中山実績について調べてみたのが表4。中山の障害コースにおける最高着順が「1着」「2、3着」「4着以下」および「出走歴なし」に分けて成績を示しているが、基本的に中山での最高着順が高い馬ほど好走率も高いことがわかる。なお、中山で4着以下しかなかったのに勝った馬が1頭いるが、それは13年のブラックステアマウンテン。同馬は外国馬だから、中山で4着以下しかない中央馬は連対がなく、3着が1回あるだけということになる。

併せて、J・G1(中山GJ、中山大障害)に限定した実績別成績も掲載している。これを見ると、「1着」や「2、3着」の実績を持つ馬がいれば有望であることがわかる。ただ、J・G1で1着の実績を持つ馬は単複の回収率が低く、やや過剰人気の気配もあるので気をつけたい。また、J・G1で4着以下しかない馬は延べ24頭で2着1回だけと不振の傾向がある。どうやら、J・G1の出走経験だけでは好走につながりにくいようだ。

そのほか、中山障害コースの出走歴がなく好走した馬が3頭いる。そのうち12年2着のバアゼルリバーと13年3着のシゲルジュウヤクは、ともに前走で阪神スプリングJを勝利。残る15年2着のソンブレロも阪神スプリングJ3着からの参戦だから、中山障害未出走馬にとっては直前のJ・G2好走歴が必須と言えそうだ。

前走レース別成績

■表5 ■表5 前走レース別成績

表5は前走レース別成績。好走例のある前走レースはほぼ限られており、中山のオープン特別・ペガサスジャンプSとJ・G2の阪神スプリングJで大半を占める。これら以外では、平場の障害オープンを使っていたコスモソユーズが14年に2着、平地戦を使っていたメイショウブシドウが14年に3着に入った例があるだけ。そして、前者は中山GJで3着、後者は中山大障害で3着に入った経験があり、J・G1の好走実績を持っていたことで共通する。

前走ペガサスJS出走馬・着順別成績

■表6 ■表6 前走ペガサスJS出走馬・着順別成績

表6は、前走ペガサスJS出走馬の着順別成績。中山GJで好走した馬は9頭おり、そのうち8頭は4着以内に入っていたが、中山GJで連対したのは1着だった馬だけ。そのなかでも、ペガサスJSの4角通過順が2、3番手なら【2.2.1.1】の好成績を収めているのに対し、4角1番手は【0.0.0.2】、4番手以降も【0.0.0.1】と好走例がない。つまり、先頭を伺う2、3番手の位置で最終コーナーを回り、直線でしっかり前を捕まえてペガサスJSを勝ってきた馬がいれば有望な存在となりそうだ。なお、9着から巻き返して勝ったのは外国馬のブラックステアマウンテン。となると、日本馬はやはり4着までには入っておきたい。

前走阪神スプリングJ出走馬・着順別成績

■表7 ■表7 前走阪神スプリングJ出走馬・着順別成績

表7は阪神スプリングJ出走馬の着順別成績で、全体としては前項で述べたペガサスJSと似た傾向が見られるようだ。まず1着馬は複勝率100.0%と有望。また、好走を果たした延べ11頭中10頭は4着までに入っていた。唯一の例外は阪神スプリングJ6着から中山GJ3着に巻き返した20年のブライトクォーツで、同馬は前年の中山大障害で2着の実績を持っていた。

【結論】

今年の中山グランドジャンプの登録馬は8頭。少々寂しい頭数となった。とはいえ、8頭中6頭はJ・G1の好走歴を持っており、粒揃いのメンバーが集まりそうだ。

今年はペガサスJS組が4着のヒロシゲセブンしかいない。となると、1〜3着馬が揃って出走を予定する阪神スプリングJ組が主力を形成することになる。昨年の中山GJ2着馬にして中山大障害を勝ったメイショウダッサイは、阪神スプリングJも危なげなく制して重賞3連勝中。前走時504キロと中山GJ1着の馬体重条件も満たせそうで、絶対王者の6連覇を阻止する刺客の筆頭と言える。2着のスマートアペックスは障害馬としては若い4歳馬で、中山障害1着の実績も持つ。阪神JSでは7馬身差をつけられたが、伸びしろを活かして一気の台頭を狙っていることだろう。3着のシンキングダンサーも好走の資格はある。

ほかにもJ・G1で好走歴のある馬はいるが、マイネルプロンプトとタガノエスプレッソはともに今年で9歳。表2の項で述べた、好走率が半減する年齢がポイントになる。ケンホファヴァルトは8歳で年齢条件はクリアするが、昨年の中山大障害2着以来というローテーションがどう出るか。

そして最後にオジュウチョウサン。昨年11月の京都ジャンプSで障害戦では4年8カ月ぶりとなる敗戦を喫し(3着)、暮れの中山大障害は出走を回避と、年齢的な陰りが見え隠れするようになってきたのは事実だろう。とはいえ、稀代の王者が10歳になってどんな走りを見せるのか、今年も目を離すわけにはいかない。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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