【フットサル日本代表/WEB取材】長期のトレーニングキャンプが終了!ブルーノ監督が16日間を総括。「技術・戦術、フィジカル、心理面という3つの側面で収穫があった」
【軍記ひろし】
3月25日から4月9日まで、千葉県・高円宮記念JFA夢フィールドで長期トレーニングキャンプに臨む日本代表。今秋に予定されるワールドカップは、その出場権を争うはずのAFCフットサル選手権の中止が決まり、W杯本大会の出場自体が不透明ではあるが、ブルーノ・ジャパンは、過去最高成績(ベスト8以上)を目指して活動を続けている。
16日間全てのセッションを終えた9日12時、ブルーノ・ガルシア監督がオンライン取材に応じ、今回のトレーニングキャンプを総括。2週間以上と長い間活動したことで得るものも大きかったことがブルーノ監督の表情や言葉から感じられた。
16日間全てのセッションを終えた9日12時、ブルーノ・ガルシア監督がオンライン取材に応じ、今回のトレーニングキャンプを総括。2週間以上と長い間活動したことで得るものも大きかったことがブルーノ監督の表情や言葉から感じられた。
当初、選手のコンディションはバラバラでしたが…
──今回の長期合宿を振り返っていかがですか?
端的にお伝えすると、大変満足しています。素晴らしい成果があったキャンプだと総括できます。16日間におよぶキャンプでしたが、当初は、選手それぞれのコンディションについては、昨シーズン終了のタイミングのバラつきがあったこと、その間に取り組める環境もバラバラだったこともあり、格差がありました。キャンプが終わったときに高いレベルでコンディションが整い、バラつきがなくなっている状況にしようというチャレンジをしてきましたが、実際に終わってみて、それが達成できたという実感があります。
──具体的にはどのような収穫を感じていますか?
それは、技術・戦術、フィジカル、心理面という3つの側面からお話しします。
技術・戦術面は、昨年12月の以来の活動でしたが、代表チームのゲームモデルやシステム、機能のリフレッシュと更新、強化をして、理解を深め、シナジーを高める効果を狙い、積み上げることができました。もともと、この期間は、海外に出て(遠征先の)代表チームと試合をするか、もしくは海外のチームを迎えて試合をすることで強化する狙いがありました。それが国内キャンプになりましたが、大会に向けては着実な積み上げができました。
フィジカルは、全員のコンディションがイーブンになったということだけではなく、長いキャンプですから、フィジカルに特化した内容に打ち込むこともできました。過去のキャンプではできなかったことです。たとえば、全般的に、筋量を増す、スピードを増すということではなく、緻密に計算して、フットサルの固有性を意識したトレーニングを始めて導入して、プラスにできたので、大会準備に大きく役立ったと思っています。
もう一つ、心理面も特に大きかったです。この環境下でキャンプできること自体が素晴らしいですが、16日間は外出ができない状況でした。ホテルの自室とトレーニング会場、食事会場だけで過ごすことは、心理的にも試練でした。海外などの大会で長い期間を過ごす上では、外の世界を感じることが当然必要ですし、それが役立つものなのですが、そうしたことができないという状況下で工夫して、心理的なリカバリーをはかり、力を合わせてこの難しい状況を乗り越えることができました。特にこの点については、最高の準備ができたと感じています。
端的にお伝えすると、大変満足しています。素晴らしい成果があったキャンプだと総括できます。16日間におよぶキャンプでしたが、当初は、選手それぞれのコンディションについては、昨シーズン終了のタイミングのバラつきがあったこと、その間に取り組める環境もバラバラだったこともあり、格差がありました。キャンプが終わったときに高いレベルでコンディションが整い、バラつきがなくなっている状況にしようというチャレンジをしてきましたが、実際に終わってみて、それが達成できたという実感があります。
──具体的にはどのような収穫を感じていますか?
それは、技術・戦術、フィジカル、心理面という3つの側面からお話しします。
技術・戦術面は、昨年12月の以来の活動でしたが、代表チームのゲームモデルやシステム、機能のリフレッシュと更新、強化をして、理解を深め、シナジーを高める効果を狙い、積み上げることができました。もともと、この期間は、海外に出て(遠征先の)代表チームと試合をするか、もしくは海外のチームを迎えて試合をすることで強化する狙いがありました。それが国内キャンプになりましたが、大会に向けては着実な積み上げができました。
フィジカルは、全員のコンディションがイーブンになったということだけではなく、長いキャンプですから、フィジカルに特化した内容に打ち込むこともできました。過去のキャンプではできなかったことです。たとえば、全般的に、筋量を増す、スピードを増すということではなく、緻密に計算して、フットサルの固有性を意識したトレーニングを始めて導入して、プラスにできたので、大会準備に大きく役立ったと思っています。
もう一つ、心理面も特に大きかったです。この環境下でキャンプできること自体が素晴らしいですが、16日間は外出ができない状況でした。ホテルの自室とトレーニング会場、食事会場だけで過ごすことは、心理的にも試練でした。海外などの大会で長い期間を過ごす上では、外の世界を感じることが当然必要ですし、それが役立つものなのですが、そうしたことができないという状況下で工夫して、心理的なリカバリーをはかり、力を合わせてこの難しい状況を乗り越えることができました。特にこの点については、最高の準備ができたと感じています。
アルトゥール、毛利元亮については「非常に満足」
──長坂拓海選手、キャプテンの吉川智貴選手の負傷による離脱は残念でしたが、そこについてはどのように捉えていますか?また、ケガの具合などもわかりますか?
まず吉川選手ですが、チームの中核選手が離脱せざるを得ないことは残念ですし、チームとして“ピースが欠けた”感じになるのは当たり前のことでもあります。ただし、今年は、厳しくも素晴らしい時間が待っているなかで決断をしました。そこ(W杯)へ向けて歩み続けるためには、フレッシュに、頭もクリアにして、何も心配しないで取り組めることが重要だと思っています。吉川選手は、合宿期間のほとんどを回復に使うことになりそうだったので、いったん離脱して、その分、他の選手がこの期間を体験して、準備できるチャンスをつくり出すことを決めました。彼がこのチームで特別な選手であることは間違いないですから、コンディションを見ながら、次の機会に招集できればまた一緒にやりたいですし、良い感覚で戻ることを期待しています。
長坂選手は、浦安で素晴らしいパフォーマンスを見せていたことはみなさんご存知ですが、キャンプの立ち上がりの感覚も素晴らしいものでした。ですが、早い段階で、不運な交錯により痛んでしまいました。ヘタをすれば、合宿期間をいっぱいに使うくらい回復に時間を要するだろうという程度のケガだったので、吉川選手と同じように、この期間をフレッシュにすべて参加して、生かしてもらえる選手と代わってもらう決断を下しました。彼の取り組む姿勢を見れば、今シーズンも好調を維持してくれると思うので、どこかのタイミングでチャンスがあると思っています。
──実戦でないと見えないこともあると思うが、紅白戦などの実戦をどれくらい行い、どのような手応えがありましたか?
実戦でしか確かめられないことは間違いなくあります。私は、試合に代わるものを、トレーニングで忠実に再現することはできないと考えています。ただし、できるだけ再現する。置かれた環境下で、本来、獲得したい経験を手にするために、できる限りのリソースを活用するという逆転の発想です。こうした発想の転換は普段の3日間のトレーニングでは取り入れる時間がありません。今回は時間的なリソースがあったので、普段はチャレンジできない組み合わせやシンクロを確認、狙うことを積極的に行いました。様々な形態、形式の「モデルゲーム」をつくり、そこであらゆる組み合わせを試験するなどとして取り組みました。今までできなかったことができ、新しい組み合わせがもたらすものや反応を発見できました。たとえば、「どの鍵盤を引けばどの音が出る。どの音が今はほしい」と知ることが重要ですから、そうした意味でも、今回は(モデルゲームと呼ばれる紅白戦を通して)試合機会をつくれました。
──アルトゥール選手、毛利元亮選手という2人の新戦力の感触はいかがでしたか?
2人とも、非常に満足しています。単にパフォーマンスが高かったということではなく、2つの側面から素晴らしかった。
一つは、アダプトです。チームへの適応。空気感だけではなく、戦術的なゲームモデルへの適応。それは、「きっとできるだろう」というスカウティングに基づいて招集していますが、実際に適応できるかどうかは来てみないと分かりません。おそらく簡単ではなかったと思います。ある程度、完成期、磨き上げる段階に入っているチームに入っていくことにはハードルがありますが、2人とも見事に適応しました。もちろん、改善、洗練していく余白はありますが、現段階では素晴らしいものでした。
もう一つは、ナショナル・アイデンティティ。価値観や徳目。これは日本サッカー協会としてもそうですし、我々フットサル日本代表チームとしても、特に重きをおいています。タレントよりむしろそのほうが重要だと思っています。「それが備わっていればいい」ではなく、「備わっていないといられない」という高い要求を突きつけて、2人とも見事に理解して、応えてくれました。現段階では本当に、2人については非常に満足しています。
まず吉川選手ですが、チームの中核選手が離脱せざるを得ないことは残念ですし、チームとして“ピースが欠けた”感じになるのは当たり前のことでもあります。ただし、今年は、厳しくも素晴らしい時間が待っているなかで決断をしました。そこ(W杯)へ向けて歩み続けるためには、フレッシュに、頭もクリアにして、何も心配しないで取り組めることが重要だと思っています。吉川選手は、合宿期間のほとんどを回復に使うことになりそうだったので、いったん離脱して、その分、他の選手がこの期間を体験して、準備できるチャンスをつくり出すことを決めました。彼がこのチームで特別な選手であることは間違いないですから、コンディションを見ながら、次の機会に招集できればまた一緒にやりたいですし、良い感覚で戻ることを期待しています。
長坂選手は、浦安で素晴らしいパフォーマンスを見せていたことはみなさんご存知ですが、キャンプの立ち上がりの感覚も素晴らしいものでした。ですが、早い段階で、不運な交錯により痛んでしまいました。ヘタをすれば、合宿期間をいっぱいに使うくらい回復に時間を要するだろうという程度のケガだったので、吉川選手と同じように、この期間をフレッシュにすべて参加して、生かしてもらえる選手と代わってもらう決断を下しました。彼の取り組む姿勢を見れば、今シーズンも好調を維持してくれると思うので、どこかのタイミングでチャンスがあると思っています。
──実戦でないと見えないこともあると思うが、紅白戦などの実戦をどれくらい行い、どのような手応えがありましたか?
実戦でしか確かめられないことは間違いなくあります。私は、試合に代わるものを、トレーニングで忠実に再現することはできないと考えています。ただし、できるだけ再現する。置かれた環境下で、本来、獲得したい経験を手にするために、できる限りのリソースを活用するという逆転の発想です。こうした発想の転換は普段の3日間のトレーニングでは取り入れる時間がありません。今回は時間的なリソースがあったので、普段はチャレンジできない組み合わせやシンクロを確認、狙うことを積極的に行いました。様々な形態、形式の「モデルゲーム」をつくり、そこであらゆる組み合わせを試験するなどとして取り組みました。今までできなかったことができ、新しい組み合わせがもたらすものや反応を発見できました。たとえば、「どの鍵盤を引けばどの音が出る。どの音が今はほしい」と知ることが重要ですから、そうした意味でも、今回は(モデルゲームと呼ばれる紅白戦を通して)試合機会をつくれました。
──アルトゥール選手、毛利元亮選手という2人の新戦力の感触はいかがでしたか?
2人とも、非常に満足しています。単にパフォーマンスが高かったということではなく、2つの側面から素晴らしかった。
一つは、アダプトです。チームへの適応。空気感だけではなく、戦術的なゲームモデルへの適応。それは、「きっとできるだろう」というスカウティングに基づいて招集していますが、実際に適応できるかどうかは来てみないと分かりません。おそらく簡単ではなかったと思います。ある程度、完成期、磨き上げる段階に入っているチームに入っていくことにはハードルがありますが、2人とも見事に適応しました。もちろん、改善、洗練していく余白はありますが、現段階では素晴らしいものでした。
もう一つは、ナショナル・アイデンティティ。価値観や徳目。これは日本サッカー協会としてもそうですし、我々フットサル日本代表チームとしても、特に重きをおいています。タレントよりむしろそのほうが重要だと思っています。「それが備わっていればいい」ではなく、「備わっていないといられない」という高い要求を突きつけて、2人とも見事に理解して、応えてくれました。現段階では本当に、2人については非常に満足しています。
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