今年も難解で激戦必至!? フィリーズレビューを占う!
【2020/8/29 小倉9R ひまわり賞 1着 2番 ヨカヨカ】
過去10年のフィリーズレビュー上位馬
■表1 【過去10年のフィリーズレビュー上位馬】
まず前走重賞組は12頭いて、芝1600mのレースに出走していた。その内7頭は阪神ジュベナイルフィリーズ組だった。2012年1着アイムユアーズは前走同レースで2着に入っており、本競走では1番人気に応えた。やはり2歳G1で好走した実績は評価すべきだろう。15年3着ムーンエクスプレスや16年2着アットザシーサイドも前走阪神ジュベナイルフィリーズで5着以内に入っていた。
一方で、14年2着ニホンピロアンバーは前走阪神ジュベナイルフィリーズで17着と惨敗していた。ただ、同レースでは3コーナーと4コーナーの位置取りが1番手と、逃げて大きく失速したという内容だった。また、14年1着ベルカントは前走朝日杯フューチュリティSに挑戦し、逃げて10着と敗れていた。2歳G1でハナを切れるスピードがあるというのは武器であり、芝1400mのG2では生きる可能性が高まる。
このように前走重賞組は4コーナーで4番手以内に位置するレースをしていた馬が多かった。11年2着スピードリッパーや17年1着レーヌミノルも該当する。まとめると前走芝1600mの重賞で逃げ〜先行の競馬をして、5着以内に入っていた馬には特に注目したい。
続いて前走オープン特別組(L・非L)だが4頭と少ない。前走レースはバラバラだが、最近2年で連対馬が2頭出ている。20年1着エーポスは前走エルフィンSを4コーナー2番手で通過し、4着という結果だった。前走重賞組同様、逃げ〜先行で5着以内に入っていた馬に注目すべきかもしれない。
続いて前走1勝(500万)クラス組をみていく。好走馬は13頭と前走重賞組を上回った。牝馬限定の平場戦を使われていた馬の3頭が最も多いものの、レースの内訳はかなりバラバラで、13年3着のティズトレメンダスはダート1400mのはこべら賞に出走して勝っていた。
ただし、前走距離は1400〜1600mに限られる。前走1200mを使われていた馬が一頭もいない点は、大きな特徴であることを認識しておきたい。
また、前走の上がり3ハロンはメンバー中3位以内に入っていた馬が比較的多い。18年の1〜3着馬はすべて前走1勝クラスに出走し、速い上がりを使って好走していた。15年の1〜2着馬も同様で、前走メンバー中上がり1位をマークして勝っていた。前走重賞・オープン特別組は先行力に注目したが、前走1勝クラス組は末脚が鋭い馬の方がよく馬券に絡んでいる。
最後に前走新馬・未勝利組は1頭(19年1着ノーワン)しかいない。今回は格上挑戦となるので出走例自体が他の組に比べて少ないが、いい結果を残すのは難しいかもしれない。
今年のフィリーズレビュー出走予定馬(フルゲート18頭)
■表2 【今年のフィリーズレビュー出走予定馬(フルゲート18頭)】
【結論】
シゲルピンクルビーは前走17着、ポールネイロンは前走18頭と惨敗したが、それぞれ4コーナーでは4番手、2番手とかなり前目で競馬をしていた。オパールムーンは前走4コーナーで16番手にいたが、メンバー中3位の脚を使って6着まで追い上げた。この3頭も軽視はできそうにない。
前走クイーンCで逃げて4着だったエイシンヒテンも要注目。ちなみに2走前の阪神ジュベナイルフィリーズでは11着に敗れたが、4コーナーを3番手で通過していた。ベッラノーヴァは前走フェアリーSを鋭い脚で追い込み3着と好走した。デビュー戦の東京芝1400mでもメンバー中最速の上がりをマークして勝っていた。差し馬ならば本馬に注目か。
前走オープン特別(L・非L)組は3頭。強力な逃げ〜先行タイプはいないが、いずれも前走で連対を果たしている。
前走1勝クラス組は9頭。その内芝1400〜1600mを走り、メンバー中3位以内の上がりを使って連対していた馬はアンブレラデートしかいなかった。ただ、同馬の場合は前走で逃げており、それ以前のレースでは2番手からの競馬をしていた。母がダイワスカーレットという良血馬で、本質的には瞬発力を生かすというタイプではなさそうだ。
前走新馬・未勝利組も5頭登録があった。もし出走できれば前走東京芝1600mでメンバー中最速の上がりをマークして勝ったリュクスフレンドが面白いか。総合的に考えると、今年は前走重賞組に有力馬が多い印象だ。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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