早くも開花 小祝さくら-鮮やかな逆転V

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGAツアー2020-21シーズン第15戦『第34回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,160万円)大会最終日が3月7日、沖縄県南城市・琉球ゴルフ倶楽部(6,561 ヤード/パー72)で行われ、小祝さくらが通算14アンダーで逆転優勝。勝負は終盤までもつれた。18番、バーディーを決め、JLPGAツアー通算3勝目。1打差の通算13アンダー、2位タイは森田遥、田辺ひかりが通算12アンダーの3位だった。第1日から首位を守っていた西郷真央は通算11アンダー、4位タイ。渋野日向子は通算5アンダー、13位タイに終わった。
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 21年の桜開花予想。全国的に早まった。女子プロの世界もなるほど-である。3位から2打差を追ってスタートした小祝さくらが鮮やかな逆転優勝。「うれしいです」といいながら、「優勝した実感がわかない。雨が降り、曇りだった影響かもしれません。第2日、第3日のような感じがした。実は、17番まであしたがある。そんな気持ちでプレーしていたんです」と、不思議な感覚を話した。

 通算13アンダーで森田遥と並び、パー5の18番へ。当然のことながら、バーディーが必要だ。第3打、気分が高揚したてきたのがわかった。「優勝の副賞、飾ってあるボートが目に入った。家族が釣りをするから、プレゼントを」。森田がバーディーを逃し、小祝は1メートルのチャンスにつけていた。きっちりと沈めて、通算3勝目。大会期間中、1度も首位に立つことはなかった。最後の最後に勝者になる。

 「こういった勝利は初めての経験。去年までの優勝争いは、大事なところで気がゆるんでいたのか、いいボールが打てなかった。そういうことを思えば、きょうの後半は、ひとつもミスができない状況でよくバーディーをとれたと思います」

 まさに、サンデーバックナインだ。前3日間、体内にため込んだエネルギーが、パー5の11番からボールへ宿る。残り60ヤードの第3打を58度で1メートルにつけた。バーディー奪取で猛攻がスタートした。13番でも2メートルのバーディーを決める。「このバーディーで行けそうだと感じた」という。

 そして、14番は勢いを味方に、10メートルのバーディー。「ちょっと、打ち過ぎて、ヤバい。3メートルはオーバーするかなぁと思ったけど、カップのふちに当たって跳ねて入った。あの時は、ビンゴに当たったような気分です」と笑っている。確かに、昨年まではなかったような勝負強さが。プロ入り以来の経験を生かし、充実のオフを過ごした証明のような攻めのプレーだった。

 すでに、目標を「賞金女王」と公言。ただし、「達成できなくても、死ぬとかそういうことはない。目標は大きく」という世界観を淡々と表現した。さらに、今年も全試合へ出場のプランは変わっていない。「休んでもやることがない。ゆっくり休みたいなど、そういうこともありません。とにかく、体調管理をしっかり行って毎試合、出られるように心がけていく」。これが、プロの志である。

 一方で、「もっと身長が高く、足が長く、そういうスタイルに生まれたかったなぁ、と思ったこともある」との発言は、聞くものの笑いを誘った。独特のキャラクターは百花繚乱のJLPGAツアーには、なくてはならない存在だろう。21年のスタートで、いきなりさくらが開花。「今年は複数回優勝」の決意が一気に現実へ近づいた。(中山 亜子)
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