第3回ライフスキルトレーニングプログラム レポート 〜自分の弱みを理解し、闘う世界を広げる〜
【JAAF】
オンラインによる全体講義も3回目。この日は、まず、日本陸連強化委員会で本プログラムを統括する山崎一彦トラック&フィールドディレクターが登壇しました。山崎ディレクターは、「みんなが、それぞれに問題意識を持って人の話を聞き、それに対して、すぐに自分の意見をきちんと言えるようになってきたことを強く感じている。これはすごくいいことで、競技にも絶対に生きる。ぜひ、実践を継続してほしい」と激励しました。さらに、後述するスティーブ・ジョブズ氏のスピーチ映像を視聴したあとの対応を引き合いに出し、「学んだことを、自身でさらに“深掘り”しているか?」と問いかけ、「自分の持つ問題意識を、もっともっと高めていこう」とリクエスト。「残り2回の講義をフル回転で頑張ってほしい。成長を楽しみにしている」と鼓舞しました。
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そして講義はこの日のメインテーマとなる「自己決定能力」に関する内容へ。布施特別講師は、これまでにも何度も出てきた「仮説を立てる」というアクションに際して、「正解がなくても、まずは“自分で決める”ことが必要」と述べ、その能力は、次の5つの段階、すなわち
・第1段階「コーチ(や誰か)に言われたから、やる」
・第2段階「やらなければならないから、やる」
・第3段階「自分にとって重要だから、やる」
・第4段階「やりたいと思うから、やる」
・第5段階「楽しいから、やる」
のステップを踏んでいくと説明。その後、受講者たちは、少人数でのブレイクアウトセッションと発表を行うなかで、自己決定の動機付けは他者による外発的なもの(第1段階)から次第に内発的なもの(第2段階以降)へ、さらに義務的なもの(第2段階)から能動的なもの(第3〜5段階)へと変化していくこと、第3〜5段階の各層には明確な線引きはないが、自分が第5段階に達すると違いが見えるようになってくることなどを理解しました。さらに、成長は、一直線に進むのではなく、「仮説を立てる→実行する→データを得る→データを踏まえて再び仮説を立てる」というサイクルを回し続けていくなかで、あるとき急にステージが上がっていることに気づくもので、この「仮説思考」を用いた「創造的戦略」と、将来のなりたい自分から逆算して自分の今後をプランニングしていく「縦型思考」を用いた「意図的戦略」の2つを、いかにバランスよく組み込めるかが大切となることも学びました。
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わずかな休憩を挟んでスタートした第2部のゲストスピーカーは、学生時代にテニス選手として活躍した経験を持つ小柳健一氏。大学卒業後は三菱商事に入社し、海外勤務経験等も含めて“商社マン”として活躍。同社執行役員、中部支社長、グループ顧問等の重要なポストを歴任しました。2019年には大日コーポレーション株式会社代表取締役専務兼グループCOOに就任。同時に大日コンクリート工業株式会社代表取締役社長、帝京平成大学スポーツ局長、株式会社グロップ顧問と、複数の要職を務めつつ現在に至っています。
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その後、小柳氏は、東京海上日動キャリアサービスの田崎博道代表取締役社長がファシリテーターとなって行われた受講者たちとの質疑応答で、各受講者がさまざまな観点から繰り出す問いを、迷う様子なく受け止め、迅速かつ端的に回答していく場面を披露。そのやりとりは、受講者たちに小柳氏のライフスキルの高さを実感させるとともに、改めてライフスキルの重要性を認識させる機会となりました。
■ライフスキルトレーニングプログラム特設サイトはこちら
https://www.jaaf.or.jp/lst/
■〜競技パフォーマンス向上とキャリア自立の両立を目指して〜第一回ライフスキルトレーニングプログラム レポート
https://www.jaaf.or.jp/news/article/14540/
■第2回ライフスキルトレーニングプログラム レポート 〜目標に向けて、自分にできることを〜
https://www.jaaf.or.jp/news/article/14612/
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
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