【新日本プロレス】“シンプリスト”になったSANADA選手に直撃インタビュー!!

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【新日本プロレスリング株式会社/山本正二】

いよいよ残り1週間に迫った2月11日(木・祝)広島サンプラザホール大会にて、“二冠王座戦”で王者・飯伏幸太選手に挑戦するSANADA選手に直撃。

普段は、「黙して語らず」の姿勢を貫く“Cold Skull”にロングインタビュー敢行! 年末に「ミニマリスト」〜「シンプリスト」になったというSANADA選手に現在の心境をインタビュー、まずは前編をお届け!

撮影/山本正二

※以下、インタビューの「序盤」をSportsNaviで無料公開!

俺の標的はあくまでEVILだったんで、EVILのことしか集中してなかったです。何しろ、最近の俺の趣味は“ミニマリスト”ですからね。

【新日本プロレスリング株式会社/山本正二】

──1.5東京ドームで飯伏幸太選手に挑戦表明をして、2.11広島大会での二冠戦が決まったわけですけど、ここまでの前哨戦の調子はいかがですか?

SANADA 調子は、ボチボチですね。

──ボチボチ(笑)。東京ドーム大会ではEVIL選手に勝利しましたが、「ここで勝ったら挑戦表明」をしようというお気持ちはあったんですか?

SANADA そうですね。EVILは元二冠チャンピオンなのでそこにシングルで勝ったのと、あそこの場面で挑戦表明に行く人で、一番相応しかったのはたぶんSANADAとオカダ(・カズチカ)さんぐらいだったんじゃないですか?

──たしかにオカダ選手も1.4東京ドームでウィル・オスプレイ選手に勝っていますけど、みんなの記憶がより新しいSANADAさんのほうが、挑戦表明をしやすかった部分はありますよね。東京ドームでの二冠戦、あの三つ巴はどんな目で見てたんですか?

SANADA まったく気にしなかったですね。

──あ、まったく気にしなかった。

SANADA ええ。俺の標的はあくまでEVILだったんで、EVILのことしか集中してなかったです。何しろ、最近の俺の趣味は“ミニマリスト”ですからね。

──趣味がミニマリスト……! すみません。詳しく教えていただけますか?

SANADA 必要最低限のことしか考えない。もうすべてにおいてそうしようかなと思って。

──ミニマリストって、必要最小限(ミニマル)のモノで暮らす人のことですよね。ということは、自宅で断捨離とかもバンバンされているんですか?

SANADA もう凄くやってます。でも、プロレスラーって、オーダーメイドじゃないと服のサイズがないんですよ。だから、断舎離しすぎるとメディアに出る時の衣装がなくなってしまうので、衣装というか服は捨てられないですけど。そういう感じで暮らしています。

──なるほど。そのミニマリスト的な生活を実践し始めたのはいつ頃からなんですか?

SANADA 去年の年末ぐらいですね。

──意外と最近ですね(笑)。

SANADA サイトを見ていたら、おすすめでミニマリストの本が出てきたんですよ。それでポチッと押して。その本からの影響、刺激が大きいですね。

──では、その本の影響で生活スタイルだけではなく、考え方もミニマリストになったということですか。

SANADA むしろ“考え方”の影響のほうが大事かもしれないですね。でも、モノで例えるなら、「いつか使うだろうな」っていう程度のモノは基本捨ててます。

──なるほど。片付けの達人で、こんまり(近藤麻理恵)さんという方が有名ですけど、物を持った時に「ときめき」が湧くか湧かないかで捨てるかどうかを判断すると。

SANADA ああ、自分も断捨離はそういう感じでやってますね。ただ、SANADAグッズは捨ててないです。そこには愛があるんで、ちゃんと全部取ってあります。自分大好きなんで(笑)。でも、そのミニマリスト的な発想になってから、プロレスでも余計なことは考えないようになりました。

この自粛期間中に、「世の中に無駄なものが多い」ということを教えられました。思い起こせば、自分の試合のスタイルもそうだったのかなって思います。

【新日本プロレスリング株式会社】

──そのおかげでEVIL戦に集中できたと。ただ、あの東京ドームで2日連続でメインを務めた飯伏選手は、『G1』の決勝戦でSANADA選手を破って、あの舞台に立ったわけです。それは気になりませんでしたか?

SANADA もう、そういう部分も全然入ってこないですね。そういえば、最近はエゴサもしなくなったんですよ。

──エゴサ、いわゆるエゴサーチ(自分検索)をしなくなりましたか。

SANADA ハイ。見てるのはツイッター上のファンの意見だけですね。それを見ても、その時は「そうなんだ」って思うんですけど、10分後にはもう全部忘れてるんですよ。まあ、プロレスラーはみんなそうだと思います。そう言えば、さっき調べたらミニマリストじゃない言葉もあるんですよね。なんだっけな? シンプリスト……シンプリストにします。ミニマリストじゃなくて、シンプリストですね。シンプルな生き方。

──ミニマリストじゃなくシンプリスト。そこは、SANADA選手のお好きなほうで大丈夫です。

SANADA じゃあ、シンプリストにします(笑)。この自粛期間中に、「世の中に無駄なものが多い」ということを教えられました。逆に「ムダがおもしろい」っていう人もいるとは思うんですけど。思い起こせば、自分の試合のスタイルもそうだったのかなって思います。

──たしかにSANADA選手の試合って、かなりシンプルな気がしますね。

SANADA 派手じゃないけど、基本を大事にするみたいな。プランチャ一つにしても、誰よりもきれいに魅せる。だから、シンプリストという考え方に出会ってから、凄くピンと来ましたね。それまで自分のスタイルを言い表すのにあやふやなところがあったんですよ。でも、俺のプライベートの生活も含めて合致したんですよ。

今回の挑戦は「最近できたばっかりの刺激のある新しい建物に行く」みたいな感じですね。できたての新しいアトラクションというか、新しいことにトライするような感覚

【新日本プロレスリング株式会社】

──話を戻しますけど、東京ドームのメインイベントは2日間とも観ていたんですか?

SANADA ほぼ観てないです。観てはいましたけど、ほんわか見ていたんで、集中して観ていたわけじゃないです。

──なるほど。試合の感想はいかがでしたか。1月4日は飯伏選手がキャリア16年でついに二冠王座を獲り、翌日はジェイ・ホワイトを相手に48分の防衛戦をやっています。

SANADA 東京ドームで、2日連続のタイトルマッチって、けっこう凄いことをやっていると思うんですよ。『G1』の最後の公式戦と決勝戦みたいなもんですからね。

──SANADA選手も昨年の『G1』で、それを体験されていますよね。

SANADA あれは肉体的にも精神的にもボロボロになるんですよ。だから、それをやってのけたことに関しては凄くリスペクトしてます。ただし、48分やったからというのは別に……。

──時間の部分は気にならないと。

SANADA ええ。いまの自分の考えはシンプリストなんで、大事にしているのは量より質なんですよ。だから、試合で何分やったとかはあまり気にしてないですね。

──時間は関係ないと。ちなみに、これまでIWGPヘビー級王座には3回挑戦してますが。

SANADA 相手は、3回ともオカダさんでしたね。最初に2018年2月に大阪でやって、次が2019年の5月に福岡でやって、その年の10月にも両国でやりましたね。

──両国はその年のベストバウト賞に輝いた試合ですよね。いままでの挑戦とはお気持ち的に違います?

SANADA 全然違いますね。自分にとっては、IWGP=オカダさんっていうイメージだったんで、「あっ、感覚が違う」という感じになりました。まあ、二人の違いとしては飯伏さんは新人類みたいな感じですよね。

──飯伏選手は新人類。年齢的にはオカダ選手の方が下ですけど、おっしゃっている意味はわかります(笑)。

SANADA オカダさんに関しては、非常に安定したチャンピオンだったんですよ。だから、今回の挑戦は「最近できたばっかりの刺激のある新しい建物に行く」みたいな感じですね。できたての新しいアトラクションに行くというか、新しいことにトライするような感覚があります。

※このあとは… “L・I・J”離脱は考えていない? じつは短所(穴)がめちゃくちゃある? ベルトは最高のアクセサリー?
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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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