ロードカナロア産駒のダート成績をチェック!

JRA-VAN
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【2021/1/31 東京11R 根岸ステークス(G3) 1着 3番 レッドルゼル】

先日行われた根岸Sは1番人気のレッドルゼルが勝利した。これによりロードカナロア産駒はJRAのダート重賞初制覇となった。芝ではアーモンドアイ(JRA+海外のG1・9勝)やダノンスマッシュ(香港スプリント)、サートゥルナーリア(皐月賞)などすでに活躍馬を多数輩出しているだけに、ダートの重賞制覇には意外と時間がかかった印象だ。そこで今回はロードカナロア産駒のダート成績を調べていくことにする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

平地ダートでのロードカナロア産駒(牡馬・セン馬)のクラス別成績

■表1 【平地ダートでのロードカナロア産駒(牡馬・セン馬)のクラス別成績】

表1はJRAの平地ダート(以下、同様)でのロードカナロア産駒(牡馬・セン馬)のクラス別成績だ。根岸Sを優勝したレッドルゼルは5歳牡馬。根岸Sの勝利でダートは7勝目となった。記念すべきG3の1勝は当然本馬で、さらにリステッド競走(オープン特別)の1勝(20年コーラルS)も同馬によるものだ。産駒のG2やG1の出走はまだそれぞれ1回しかなく、出走例自体が非常に少ない。G3の出走回数もさほど多くはなく、重賞制覇のチャレンジがようやく実ったというわけではない。ただ、ダートで走る大物が出てきたのが遅かったという感じだろうか。

その他のクラスの成績を順にみていくと、新馬・未勝利・1勝クラスは連対率18.0〜22.0%、複勝率24.0〜29.0%の間でまとまっている。2勝クラスは連対率31.8%、複勝率42.4%と1勝クラス以下よりも大きく上昇し、単・複の回収率は100%を超えた。3勝クラスは【7.3.3.24】で勝率18.9%・複勝率35.1%と悪い数字ではなく、単勝回収率は248%と優秀だ。そして、オープン特別(非リステッド)は【3.2.3.7】で連対率33.3%、複勝率53.3%と優秀な成績だ。

クラスが上がっても好走率が落ちずにむしろ上昇している点から、牡馬・セン馬に関してはロードカナロア産駒がダートを苦手にしている感じは全くない。ただし、重賞クラスまで行ってバリバリ活躍できている産駒は芝に比べると少ないのは事実。JRA重賞だけでなく地方の交流重賞を勝っている馬もいない。今後はG1級の大物を含めて、さらなる活躍が待たれるところだ。

平地ダートでのロードカナロア産駒(牝馬)のクラス別成績

■表2 【平地ダートでのロードカナロア産駒(牝馬)のクラス別成績】

表2は平地ダートでのロードカナロア産駒(牝馬)のクラス別成績。結論から言うと、牝馬は牡馬・セン馬と違ってダートを苦手にしている様子がうかがえる。新馬や未勝利の好走率は牡馬・セン馬とあまり変わらないが、1勝クラスになると若干下がり、2勝クラスでは大きく下がる。そして3勝クラスの成績は【0.0.0.21】と、なんと3着以内に好走した馬が全くいなかった。3勝クラスを勝ち上がれないので、当然オープンクラスは出走例も少ない。同じロードカナロア産駒でも性別で大きな差があることがわかる。

平地ダートでのロードカナロア産駒の距離別成績

■表3 【平地ダートでのロードカナロア産駒の距離別成績】

続いて距離別成績をみていく。こちらは全性の成績を表3にまとめた。最も勝率が高かったのは1600mの14.5%だった。JRAでダート1600mが行われるのは東京だけなので、マイルの距離がベストというよりも東京ダート1600mが合っているのかもしれない。連対率は1900mの25.0%が最も優秀で、複勝率は1000mの37.5%が最も高かった。活躍している距離の幅はとても広い印象だ。ただし、2000m以上は連対が一度もない。1900m以下が守備範囲といってよさそうだ。

平地ダートでのロードカナロア産駒のコース別成績

■表4 【平地ダートでのロードカナロア産駒のコース別成績】

さらにコース別成績をみていくことにする。こちらも全性の成績を表4にまとめた。最も勝ち星が多いのは東京ダート1400mの14勝だった。勝率の15.4%もかなり優秀な部類で回収率も高かった。同2位は阪神ダート1200mの12勝で、複勝率も36.9%と優秀だ。同3位は東京ダート1600m、同4位は阪神1400m。ダートでは東京と阪神のマイル以下で勝ち星をたくさん挙げている。また、中山・京都・中京のダート1200mは単勝回収率が100%を超えていた。

勝ち数は3つながら京都ダート1900mは勝率や連対率、複勝率が非常に優秀だった。100mしか違わない京都ダート1800mと比べるとだいぶ好走率がいい。また、中京ダート1900mの成績は【0.2.2.11】と未勝利だ。1900mの距離がいいと言うよりは京都ダート1900mとの相性がいいと言える。中京はダート1800mの成績も【1.5.2.26】とひと息だった。こうしてみると中距離よりも短距離の方が狙えるコースが多い印象だ。レッドルゼルも根岸1着の前にカペラSで2着と好走していた。今後もこの2つのレースで好走するロードカナロア産駒が出てくるかもしれない。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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著者プロフィール

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