牝馬の活躍が目立つ東京新聞杯を分析する

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【2019/12/8 中山10R 常総ステークス 1着 1番 シャドウディーヴァ】

今週日曜は古馬マイル重賞の東京新聞杯が東京のメインレースとして行われる。昨年はプリモシーンが勝利し、シャドウディーヴァが2着と牝馬のワンツーフィニッシュとなった。近5年で3勝するなど一見するだけでも牝馬の活躍が目立っている。今回のデータde出〜たでは、東京新聞杯の2016年以降・近5年のデータから馬券的に狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

東京新聞杯近5年の3着以内馬一覧

■表1 【東京新聞杯近5年の3着以内馬一覧】

まず表1は東京新聞杯近5年の3着以内馬一覧。近5年すべて良馬場で行われ、16〜18年はいずれもスローペースで勝ち時計が1分34秒台と遅かったものの、近2年は速いタイムの決着となっている。また、3着以内馬はすべて33秒9以下の速い上がりを使っており、瞬発力に秀でたタイプでないと厳しい

また、昨年のプリモシーンら牝馬が3勝をあげ、近5年で【3.2.0.4】。牝馬の出走がなかった17年を除いて毎年1頭は連対しており、連対率55.6%・複勝率55.6%と非常に高い。東京芝マイルにおける牝馬の活躍は東京新聞杯だけでなく、その他の牡馬混合重賞でも2016年以降【5.8.5.27】で連対率28.9%・複勝率40.0%と優秀だ。昨年の安田記念でも3頭出走し、1着グランアレグリア、2着アーモンドアイ、4着ノームコアとすべて上位に入っている。「東京芝1600m重賞は牝馬が狙い目」は覚えておきたい。

人気別では、1番人気馬【1.0.1.3】、2番人気馬【0.0.1.4】でともに信頼度が高くない。3〜5番人気馬で4勝をあげており、中でも5番人気は【1.2.1.1】で複勝率80%と優秀だ。また、6番人気馬も【0.3.0.2】で連対率・複勝率60%と健闘が目立つ。なお、16年は3着に11番人気マイネルアウラートが激走したが、近4年は上位6番人気以内の馬で決着している。

東京新聞杯近5年の枠番別成績

■表2 【東京新聞杯近5年の枠番別成績】

表2は枠番別成績。勝ち馬はいずれも内の1〜4枠から出ており、1・3・4枠の複勝率が高い。連対馬についてもすべて1〜6枠から出ており、外の7・8枠は3着止まりとなっている。なお、大外の馬番に入った馬は【0.0.0.5】と苦戦傾向にある。

東京新聞杯近5年の年齢別成績

■表3 【東京新聞杯近5年の年齢別成績】

表3は年齢別成績。4歳馬が一昨年のインディチャンプら3勝をあげており、連対率26.1%・複勝率39.1%と高い。5歳馬も昨年のプリモシーンが勝利しており、複勝率22.2%と4歳馬に次いで高い。6歳以上の馬は16年に1・2着に入っているものの、17年以降の3着以内馬はすべて4・5歳馬で占められている

東京新聞杯近5年の前走クラス別成績

■表4 【東京新聞杯近5年の前走クラス別成績】

表4は前走クラス別成績。前走国内G1だった馬が18年リスグラシューら3勝をあげ、連対率40%・複勝率50%と優秀だ。好走馬5頭はいずれも3〜5番人気で、複勝回収率でも100%を超えている。

他では前走3勝クラス組が一昨年1着インディチャンプ、昨年2着シャドウディーヴァと近2年続けて連対し、連対率・複勝率33.3%と健闘している。連対した2頭はいずれも4歳馬で、前走で勝利をおさめていた。

東京新聞杯近5年の前走上がり順位別成績

■表5 【東京新聞杯近5年の前走上がり順位別成績】

表5は前走上がり順位別成績。前走上がり1位だった馬が16年スマートレイアーら3勝をあげ、連対率・複勝率35.7%と高い。上がり2位以下になると、複勝率はさほど変わらない。2連系の軸には前走上がり最速馬を積極的に狙っていきたい。

東京新聞杯近5年の種牡馬別成績

■表6 【東京新聞杯近5年の種牡馬別成績】

最後に表6は種牡馬別成績。出走数最多のディープインパクト産駒が昨年のプリモシーンら2勝をあげ、連対率30.0%・複勝率35.0%。毎年1頭は連対馬を出しており、今年も要注目だ。出走数こそ少ないが、ハーツクライ産駒は18年リスグラシューが勝利し、昨年もシャドウディーヴァが2着に入っている。16年以降の東京芝1600m重賞でもディープインパクト産駒【12.13.13.82】で連対率20.8%・複勝率31.7%に対して、ハーツクライ産駒は【5.3.2.21】で連対率25.8%・複勝率32.3%と上回っている。他にも自身や産駒が日本ダービーや東京芝G1で結果を残している種牡馬が並んでいる。

今年の東京新聞杯の出走予定馬(2/3現在)

■表7 【今年の東京新聞杯の出走予定馬(2/3現在)】

今年の東京新聞杯の出走予定馬は表7のとおり。

<結論>

これまでのデータから昨年2着の牝馬シャドウディーヴァを推奨したい。東京新聞杯のみならず東京芝1600m重賞で買いの牝馬、ハーツクライ産駒も好相性だ。同馬の戦歴を見ると、3着以内に好走した7回中6回が10月〜2月の時期だった。今年も好走を期待したい。

ヴァンドギャルドは昨年の東京新聞杯では6着に敗れたが、昨秋は同コースの富士Sを勝利。前走マイルCSは6着に敗れたものの、外枠から後方追走では厳しかった。5歳馬、前走G1組、ディープインパクト産駒と好走できる条件は揃っている。

他に激走要素がある穴馬としては、牝馬のサムシングジャスト、前走オープン特別組ながら良馬場の東京芝1600mは合うカテドラルの2頭を挙げておきたい。
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