【コラム】フットサル初心者の実況・辻歩アナウンサーが見たFリーグの魅力 「一見さん」が楽しむには?

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【ABEMA】

「辻くん、フットサルとかって興味ある?」

去年の1月ごろに唐突に送られてきた社内メッセージ。このメッセージに「おおフットサル!いいですね〜」と、あまりよく考えず、久々のスポーツ実況のオファーにウキウキ気分で返事したことから、私は今シーズン、ABEMAで全試合生中継するFリーグの実況を担当することになりました。

ただ、「いいですね」とは言ったものの、フットサルは会社の同僚に誘われてたまにプレーするくらい。Fリーグの中継をABEMAでやっていることは知っていましたが、じっくりと見ていたわけではありませんでした。

新型コロナウイルス感染拡大の影響でリーグの開幕が遅れる中、実況練習のために、去年のFリーグの試合やJFAのYouTubeにアップされている過去の全日本フットサル選手権の動画などを見始めました。

すると、このフットサルというスポーツ、見れば見るほど面白く、知れば知るほど奥深い、不思議な魅力を持ったスポーツだということが分かってきました。

今ではすっかりフットサル沼にはまり、週末家にいるときのBGMはいつもFリーグ中継です。

フットサルを見始めて1年そこそこなのですが、そんな私だからこそおすすめしたい、「一見さん」でも楽しめるフットサルの魅力をご紹介できればと思います。

文・辻歩(ABEMAアナウンサー)
Twitter @tsuji_ayumu

Fリーグ実況アナから見た日本最高峰のフットサル

私は大学卒業後アナウンサーになり、キャリアは6年目になります。高知県でのローカル局アナ時代は野球・ラグビー・サッカーなどの実況を担当していました。その後2018年からABEMAに籍を移し、Fリーグには、2020-2021シーズンから実況として携わっていますが、フットサル実況を一言で表すなら、「もうとにかく難しいっ!」です。

難しさの理由一つは「展開の早さ」です。

現代フットサルはとにかく攻守の切り替えが早いです。一方のチームの素晴らしいシュートがあり、そのシュートの技術やポイントについて解説の方と話題を展開しようと思っても、攻守が素早く切り替えられ、もう一方のチームの大チャンスになっています。選手情報の確認のために手元の資料を見るなど、一瞬でも目を切るともう付いていけません。

もう一つは「テクニックの繊細さ」です。プレーの中で、華麗なボール捌きで相手デイフェンスを抜き去っていくシーンがよくあります。しかし、そのテクニックが1秒に複数回ボールにタッチするような繊細さゆえ、実況席から見ていて、「な、なんだったんだ今のは!?」となることがあります。そして適切な語彙を探したり、解説の方に説明をお願いしたりしようとする間に、もう攻守が切り替えられているのです……。

Fリーグの実況はこんなことの連続で、1試合終わるごとにヘトヘトになります。しかし、これらは全て裏を返すと他の何にも替えがたい「フットサルの魅力」でもあります。

したがって、実況がそれをより的確に伝えることができれば、今までフットサルになじみがなかった方にも、より魅力を届けることができるのです。まだまだ私自身修行中の身ですが、もっとレベルアップして、一人でも多くの方に、フットサルの面白さに気づいてもらえるように、日々研究を重ねています。

「Fリーグ一見さん」が楽しめるフットサルの入り口

「今まで見ていなかったけれど、Fリーグを見てみたいかも!でも入り口が難しそう?」という方もいらっしゃるかもしれません。私自身、Fリーグに携わって1年生の立場ですが、楽しむための最短距離として、おすすめしたい方法があります。

それは、まずABEMAの中継をなんとなく見てみて「推しチーム」を作ってみることです。

これをおすすめする理由としては、Fリーグでは、それぞれクラブの「色」や「理想」がプレーに表れやすいという特徴があるからです。

例えば、Fリーグの13シーズン中12シーズンで優勝を収め、これからも絶対王者であり続けるために、見るものを魅了するプレーへの努力を惜しまない名古屋オーシャンズ。地域クラブからアジアで通用するクラブになることを常に意識し、最後の1秒まで120%のプレーを続けるエスポラーダ北海道。新しい力でFリーグを変えてやろう!とフロンティア精神を持ち、サッカー出身者が見せる独特のリズムもフットサルに昇華させるY.S.C.C.横浜……。

それぞれのクラブが「理想」を掲げ、それをプレーで体現していく。その姿に自分を重ね、勇気をもらったり、共感を覚えたりすることもあるかもしれません。

そうして「推しチーム」ができると、そのチームの試合中継の中でクローズアップされる選手や監督の動きや素顔が気になり始め、時折テロップで触れられるプチ情報にも目がいくようになります。さらにその「推しチーム」の次の対戦相手に対しても「どんなチームなんだろう?」と興味が湧き、気がつけばFリーグをフルで楽しめるようになっているのです。

もちろん、地元愛が強く、ホームチームが地域にある方は、そのチームを軸に応援するのもいいでしょう。ABEMAの特設サイト「FリーグLIVE」では、好プレー集やハイライト動画をチームごとにソートできる機能があり、「推しチーム」のシーズン中の動画をまとめてチェックすることもできるのでおすすめです。

さあ、2020-2021シーズンもラストスパート。私も実況席からFリーグの魅力を最大限お届けできるように、熱くお伝えしていきます!

辻 歩(ABEMAアナウンサー)
1992年生まれ。大阪府大阪市出身。早稲田大学商学部を卒業後、2015年に新卒でKUTVテレビ高知(TBS系列)にアナウンサーとして入社。2016年から老舗ニュースワイド番組「イブニングKOCHI」のキャスターを務める。並行して高校野球、高校ラグビー、サッカーなどのスポーツ実況も担当。2018年にABEMAに移籍し、ABEMA NEWSキャスターとしてニュースチャンネルで速報特番や現場からの中継など、報道畑の日々。2020年からはスポーツチャンネルでFリーグの実況も担当する。
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著者プロフィール

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フットサルを見る・蹴る・着るという3つの視点から多角的に発信していくメディアです。見る人には、試合情報や技術・戦術などの競技の魅力、選手のキャラクターや物語を。蹴る人には、ボールを扱う喜びや仲間と蹴る爽快感を。着る人には、注目アイテムや、着こなしのアドバイスを。それぞれのニーズに合ったフットサル情報をお届けします。

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