バイセクシャル公表のタイラー・ライト「アスリート・オブ・ザ・イヤー」受賞
【WSL / Keoki Saguibo】
例年ならば年末から春先にかけ「SURFER Awards」や「WSL Awards」が発表されるが、2020年はSURFER誌が廃刊。WSLの試合も軒並み中止となったことでどちらの表彰も無くなってしまった。
一方で、海外メディア「SurferToday」と「Magicseaweed」は今年活躍したサーファー個人にフォーカスを当てたアワードを発表。試合のなかった2020年、様々な社会問題に対してアクションを起こしたタイラー・ライトの活躍が目立つ結果となった。
一方で、海外メディア「SurferToday」と「Magicseaweed」は今年活躍したサーファー個人にフォーカスを当てたアワードを発表。試合のなかった2020年、様々な社会問題に対してアクションを起こしたタイラー・ライトの活躍が目立つ結果となった。
SurferToday「アスリート・オブ・ザ・イヤー」にタイラー・ライトを選出
SurferTodayはこれまで10年以上に渡って、サーフィン、カイトボーディング、ウィンドサーフィン、ボディボードの各カテゴリーから1名ずつ「アスリート・オブ・ザ・イヤー」を選出してきた。
過去の受賞者リストには、ケリー・スレーター、ミック・ファニング、デーン・レイノルズ、カリッサ・ムーアなどが名を連ねているが、2016年以降女性アスリートの受賞が増え、全受賞者が女性だった年もある。日本からはボディボード部門で鈴木彩加と大原沙莉が受賞。2016年には五輪でのサーフィン採用に貢献したISAのフェルナンド・アギーレ会長が選出された。
2020年はカテゴリー別ではなく、全体で1名の表彰へ変更となり、タイラー・ライトが「アスリート・オブ・ザ・イヤー」に選出された。SurferTodayはタイラーの選出理由について以下の様に説明している。
「今回の表彰フォーマットの変更は、新型コロナによりほぼすべての大会が中止となり、多くの選手が試合に参加できなかったことが一因です。しかしタイラー1人を表彰するに至ったのは、世界中にはびこる人種差別と性的指向の差別の問題に対して、唯一公の場で声をあげたウォータースポーツのプロ選手だったからです」-SurferToday
■Black Lives Matter
豪グランドスラムの初戦「ツイードコーストプロ」の初日に、BLACK LIVES MATTERと書いたサーフボードで登場したタイラー。自身のヒートが始まってから約8分間、膝をつき、片手を上げて黙祷を続けた。その写真は強く明確なメッセージとして、サーフィンの精神とルーツである自主性や自由の概念を改めて認識させた。
過去の受賞者リストには、ケリー・スレーター、ミック・ファニング、デーン・レイノルズ、カリッサ・ムーアなどが名を連ねているが、2016年以降女性アスリートの受賞が増え、全受賞者が女性だった年もある。日本からはボディボード部門で鈴木彩加と大原沙莉が受賞。2016年には五輪でのサーフィン採用に貢献したISAのフェルナンド・アギーレ会長が選出された。
2020年はカテゴリー別ではなく、全体で1名の表彰へ変更となり、タイラー・ライトが「アスリート・オブ・ザ・イヤー」に選出された。SurferTodayはタイラーの選出理由について以下の様に説明している。
「今回の表彰フォーマットの変更は、新型コロナによりほぼすべての大会が中止となり、多くの選手が試合に参加できなかったことが一因です。しかしタイラー1人を表彰するに至ったのは、世界中にはびこる人種差別と性的指向の差別の問題に対して、唯一公の場で声をあげたウォータースポーツのプロ選手だったからです」-SurferToday
■Black Lives Matter
豪グランドスラムの初戦「ツイードコーストプロ」の初日に、BLACK LIVES MATTERと書いたサーフボードで登場したタイラー。自身のヒートが始まってから約8分間、膝をつき、片手を上げて黙祷を続けた。その写真は強く明確なメッセージとして、サーフィンの精神とルーツである自主性や自由の概念を改めて認識させた。
この大会でタイラーは優勝した 【© WSL/ Dubar】
■「大丈夫じゃなくて大丈夫」
ツアー本格復帰に向け準備していた3月にパニック発作を起こしていたと告白したタイラーは、「助けを求められる人達がいると知ること、隠したり恥じるべきではない」と訴えた。新型コロナウイルスの拡大で世界が不安に陥るなか、自身や周囲の人々が「大丈夫じゃなくて大丈夫」と気付くことが重要だ。
■セクシュアリティ
12月のマウイプロで、タイラーは自身がバイセクシュアルの女性であることを改めて公表。2021年を通して母国オーストラリアとLGBTQ+両方の旗を掲げたジャージで出場する。この大会を制したタイラーは名実共に最も影響力のあるアスリートであることを証明した。
ツアー本格復帰に向け準備していた3月にパニック発作を起こしていたと告白したタイラーは、「助けを求められる人達がいると知ること、隠したり恥じるべきではない」と訴えた。新型コロナウイルスの拡大で世界が不安に陥るなか、自身や周囲の人々が「大丈夫じゃなくて大丈夫」と気付くことが重要だ。
■セクシュアリティ
12月のマウイプロで、タイラーは自身がバイセクシュアルの女性であることを改めて公表。2021年を通して母国オーストラリアとLGBTQ+両方の旗を掲げたジャージで出場する。この大会を制したタイラーは名実共に最も影響力のあるアスリートであることを証明した。
Magicseaweed「2020年トレンドサーファートップ50」を発表
2018年からスタートしたMagicSeaWeedの「トレンディング・サーファー・トップ50」。2020年は、コロナ禍でサーフィン関連の活動が制限された中、過去1年において露出があり、才能を発揮し、脚光を浴び、影響を与えたサーファー50人をリストアップした。
1位は、コロナ禍でもビッグウェーブをはじめあらゆるウォータースポーツの世界で挑戦を続けるカイ・レニー。2020年に公開された映像シリーズ「Life of Kai」も注目を集めた。
「様々なサイズやタイプの波とボードをおもちゃのように扱い抜群のセンスとスキルを発揮する万能型ウォーターマン。市場性が高く、人間性も兼ね備え、ルックスも良い。プロサーフィンがコロナ禍を生き残れるとしたら、それはカイ・レニーのおかげだろう」
-MagicSeaWeed
女性トップは10位にタイラー・ライトがランクインした。
「数年間ワールドツアーを支配した後、ウイルス感染後疲労症候群に陥り18か月もツアーから離れたタイラー。長い戦いに勝ち昨シーズンのホノルアで復帰した時、ファンはようやく世界最高のサーファーの1人が戻ってきたと安堵した。コロナでタイトルレースは中断となったが、再開した2021シーズンの最初のイベント、ホノルア/パイプで見事優勝した。」
-MagicSeaWeed
トップ10の受賞者は以下のとおり。
1位 カイ・レニー
2位 ジョン・ジョン・フローレンス
3位 イタロ・フェレイラ
4位 コナー・マグワイア
5位 ガブリエル・メディナ
6位 ケリー・スレーター
7位 グラント”ツイギー”ベーカー
8位 マタヒ・ドロレット
9位 メイソン・ホー
10位 タイラー・ライト
執筆:THE SURF NEWS編集部
1位は、コロナ禍でもビッグウェーブをはじめあらゆるウォータースポーツの世界で挑戦を続けるカイ・レニー。2020年に公開された映像シリーズ「Life of Kai」も注目を集めた。
「様々なサイズやタイプの波とボードをおもちゃのように扱い抜群のセンスとスキルを発揮する万能型ウォーターマン。市場性が高く、人間性も兼ね備え、ルックスも良い。プロサーフィンがコロナ禍を生き残れるとしたら、それはカイ・レニーのおかげだろう」
-MagicSeaWeed
女性トップは10位にタイラー・ライトがランクインした。
「数年間ワールドツアーを支配した後、ウイルス感染後疲労症候群に陥り18か月もツアーから離れたタイラー。長い戦いに勝ち昨シーズンのホノルアで復帰した時、ファンはようやく世界最高のサーファーの1人が戻ってきたと安堵した。コロナでタイトルレースは中断となったが、再開した2021シーズンの最初のイベント、ホノルア/パイプで見事優勝した。」
-MagicSeaWeed
トップ10の受賞者は以下のとおり。
1位 カイ・レニー
2位 ジョン・ジョン・フローレンス
3位 イタロ・フェレイラ
4位 コナー・マグワイア
5位 ガブリエル・メディナ
6位 ケリー・スレーター
7位 グラント”ツイギー”ベーカー
8位 マタヒ・ドロレット
9位 メイソン・ホー
10位 タイラー・ライト
執筆:THE SURF NEWS編集部
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