2021年最初の重賞! 中山金杯を占う

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【2020/4/25 福島12R エールステークス 1着 3番 ヴァンケドミンゴ】

2021年中央競馬の重賞はおなじみの東西金杯で幕を開ける。例年と違うのは西の金杯が京都競馬場ではなく、中京コースで施行されるという点だ。中京マイルでどういったレースになるのか、注意深く見ていきたい。今回のデータde出〜たは東の中山金杯に注目し、2016年以降・近5年のレース傾向から今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

中山金杯 近5年の3着以内馬一覧

■表1 【中山金杯 近5年の3着以内馬一覧】

まず表1は中山金杯・近5年の3着以内馬一覧。過去5年すべて良馬場で行われ、近3年の勝ちタイムは1分59秒台となっている。ただ、昨年末の中山芝はかなり時計が掛かっており、年末年始でどれだけ回復しているか。昨年末の水準ならば、今年は2分を超える決着になりそうだ。昨年の有馬記念では上がり最速はサラキアの35秒4で、2位がクロノジェネシスとペルシアンナイトの36秒2。今年の金杯でもかなりのスローペースにならない限り上がり34秒台は出ないだろう。35秒〜36秒台の上がりになりそうだ。

3着以内馬の年齢はその年によって大きく異なり、牝馬の好走はなし。また人気順では、勝ち馬は上位3番人気以内の馬から出ているものの、近3年は続けて3着に9番人気以下の伏兵が激走している。一昨年・昨年は3連単10万円以上の配当が出ており、波乱傾向が続いている。

中山金杯 近5年の枠番別成績

■表2 【中山金杯 近5年の枠番別成績】

表2は近5年の枠番別成績。中山芝は前年末のAコースからCコースへと替わる。過去5年も同様だ。勝ち馬は3・4・6枠から出ているが、複勝率では1枠が50%でトップ。1枠からは近4年続けて1頭ずつ3着以内に入っており、一昨年3着タニノフランケル(9番人気)、昨年2着テリトーリアル(11番人気)と人気薄が好走している。その他では4枠が連対率・複勝率30%と優秀で、6枠の複勝率も33.3%と高い。

一方、外の7枠は3着以内馬なしで、8枠も2着1回のみと不振傾向にある。

中山金杯 近5年の斤量別成績

■表3 【中山金杯 近5年の斤量別成績】

表3は近5年の斤量別成績。黄色で強調した56.5kg、57.5kg、58kgの馬が好成績をあげている。これら重めの斤量を背負った実績馬が好成績だが、57kgの馬だけが2着1回のみで連対率・複勝率10%と低い。近2年はトップハンデの58kgを背負った馬が一昨年のウインブライト、昨年のトリオンフと連勝している。

対して、斤量が軽い54kg以下の馬からは連対馬が出ていない。

中山金杯 近5年の前走からの間隔別成績

■表4 【中山金杯 近5年の前走からの間隔別成績】

表4は前走からの間隔別成績。中1週の馬は17年ツクバアズマオーが勝利し、連対率25.0%・複勝率37.5%はトップ。この組の3着以内馬3頭はいずれも前走ディセンバーSで5着以内に入っていた。

また、中4〜8週の馬が4勝を挙げ、連対率18.2%・複勝率24.2%は中1週の馬に次ぐ数字だ。この組の3着以内馬8頭中6頭は前走3着以内に入っていた。なお、中9週以上の馬からは連対馬が出ていない。

中山金杯 近5年の前走からの斤量増減別成績

■表5 【中山金杯 近5年の前走からの斤量増減別成績】

最後に表5は前走からの斤量増減別成績。前走から斤量増の馬が全5勝をあげ、連対率50.0%・複勝率56.3%と非常に高い。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。出走数こそ少ないが、今年も前走から斤量増の馬に注目していただきたい。

斤量減の馬は複勝率11.1%、増減なしの馬は同9.1%で、斤量増の馬に大きく離されている。

今年の中山金杯の出走予定馬(1/3現在)

■表6 【今年の中山金杯の出走予定馬(1/3現在)】

今年の中山金杯の出走予定馬は表6のとおり。

<結論>

未知数な部分はあるものの、人気は明け4歳のディープボンド、条件戦を連勝中のヒシイグアスあたりが集めそうだ。しかし、ディープボンドは古馬初対戦に加えて、表4で示した不振の中9週が気にかかる。ヒシイグアスも勝利した近2走がともに瞬発力勝負で、時計が掛かる今の中山に合うかは微妙だ。

これまでのデータからヴァンケドミンゴテリトーリアルの2頭を推奨しておきたい。ヴァンケドミンゴは前走の福島記念で2着。バイオスパークにクビ差届かなかったが、直線で内を通ったバイオスパークに対して、ヴァンケドミンゴは外を回しての2着で勝ちに等しい内容だった。今回は1キロ増の56kgで、バイオスパークから1kg軽く、逆転は十分に見込める。バイオスパークは2kg増で斤量増は買い材料だが、57kgは成績がいまひとつだ。

テリトーリアルは昨年の中山金杯で3着。前走の中日新聞杯は9着に敗れたが、2走前の福島記念では3着と好走している。前走と同斤量ではあるが、7歳と前走9着が嫌われるようなら面白い。穴としては昨年2着のウインイクシード。前走から中1週、ディセンバーSで5着も表4の好走データに合致しており、スムーズに先行できれば面白い一頭だ。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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著者プロフィール

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