【新日本プロレス】1.5でコブと“同級生対決”へ! 鷹木信悟に直撃インタビュー!

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【新日本プロレスリング株式会社】

『バルサン Presents WRESTLE KINGDOM 15 in 東京ドーム』1月5日(火)東京ドーム大会のNEVER無差別級選手権試合でジェフ・コブ選手の挑戦を受ける王者・鷹木信悟選手に直撃インタビュー!

スープレックスもパワーも向こうの方が上回ってるし分が悪いことは承知してるけど、それだけでは測れない部分がプロレスにはあるからさ

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――さて、鷹木選手。12月23日におこなわれた東京ドーム第2弾カード発表の会見でも、1月5日(火)NEVER無差別級王座戦への意気込みを語られましたが、あらためていまの心境はいかがですか?

鷹木 去年はIWGPジュニアタッグ3WAY、今年はNEVER無差別級6人タッグで東京ドーム大会に出場することができたけど、今回はシングルのタイトルマッチっていうことで過去2回とは少し気持ちの入り方が違うよね。

――東京ドーム大会直前のなかで、『WORLD TAG LEAGUE 2020』、そして年内最後のシリーズと続きましたが、現在のコンディションはいかがですか?

鷹木 もちろんダメージは残ってるけど、俺はダメージどうこうよりも試合をしてテンション上げてアドレナリンを出して、いろんな土地へ行って客の顔を見てる方が調整しやすいし、そういう意味でもコンディションは悪くないかな?

――対戦相手のジェフ・コブ選手とは2019年と2020年の『G1』公式戦でシングル対戦していますがいずれも敗戦し、最近では『WORLD TAG LEAGUE』12.6福岡でもタッグで敗れていますが、そのあたりはいかがですか?

鷹木 俺は“正面突破”っていうスタイルでやってきてる中で、ジェフ・コブとは体重差が20キロぐらいあるし、彼はアマレスでオリンピックに出てるからそういった意味では、スープレックスもパワーも向こうの方が上回ってるし分が悪いことは承知してるけど、それだけでは測れない部分がプロレスにはあるからさ。

――会見でも「こいつには中途半端な技やパワーは通用しないと思う。すべての魂を、俺はこいつにぶつけたいと思う」とコメントされていましたね。

鷹木 もうありったけの魂とこの培ってきた16年間の……いや、プロレスラーを目指した14歳の時からの想いをすべてぶつけるしかないよね。

――これまでの対戦成績だけをみると分が悪いですが、苦手意識などはありますか?

鷹木 ハッキリ言って10:0ぐらいで分が悪いので、このまま年を越すっていうのが俺としてはやり切れない部分もあるよね。ただ、新年早々に対戦できる機会があるので、そこですべてを返せるかわからないけど、まずはベルトを守らないと話にならないよ。

最終的には自分を信じて闘うしかないし、俺はそうやってこの16年間やってきたからさ

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――コブ選手が脅威の挑戦者であることは間違いないと。

鷹木 ああ。彼がまだアメリカのインディーとかでやってる時に、初めて映像を観たけど「とんでもないヤツだな」と思ったよ。で、なんで俺がジェフ・コブを意識してたかって言うと、俺は飯伏(幸太)、内藤(哲也)とかと一緒で、じつは彼も同い年なんだよね。

――コブ選手も57年組ということですね。

鷹木 俺、“同い年”っていうのを凄く意識しちゃうんだよね。言ってみたら、彼はアマチュアのエリートでオリンピックにも出てるし、そういった意味で俺は彼に対してすごいコンプレックスがあるわけよ? 当時はこっちが真っ向からぶつかったら弾き返されると思ってたから、“できれば避けたい相手”だったんだよね。

――それがいまではバチバチの真っ向勝負を展開されていますね。

鷹木 まさかこんなにアイツとどっぷりやることになるとは思ってなかったけど、自分自身が成長するため神様が与えてくれた試練だと思って、東京ドームという大舞台で結果を残すしかないよ。俺は常にそういう意気込みで臨んでるけど、ジェフが会見で「おまえは死ぬ覚悟ができているのか!?」って言ってたよな?

――言ってました。

鷹木 俺は死ぬ覚悟というよりは“生きる覚悟”を持って、常にリングにあがってるし、生きるか死ぬかっていう意味で俺の闘いは博打でもあるんだよ。今回は確率が悪いかもしれないけど、ちょっとでも可能性があるんだったら、アイツをブン投げることもできるだろうし、ぶっ倒すこともできるだろうし、あとはやっぱりありったけの魂というか、「すべてをぶつけたら何か奇跡的なモノが生まれるんじゃないかな?」って信じてるよ。最終的には自分を信じて闘うしかないし、俺はそうやってこの16年間やってきたからさ。

――対戦してみてわかるコブ選手の強さというのは?

鷹木 まず、観てわかる通りパワーはケタ外れだけど、彼は運動神経が凄いんだよね。あの身長と体重でその場飛びムーンサルトをしたりとか、あそこまで動けるのはあり得ないよ。

――レスラー目線でも、あの体型であの俊敏さはあり得ないと。

鷹木 あり得ないね!(キッパリ)。しかも、打撃で俺がエルボーとかしても首が太すぎてなかなか届かないし、ラリアットもホントに効いてるのかわからないよ。ただ、俺が(12.23会見で)「あえてスープレックスパーティーっていう土俵にあがる」って言ったのは、俺の体重は彼より20キロぐらい軽いけど、逆に彼をぶん投げることができれば、プラス20キロのダメージ、あるいは落下の高さや速度も考えたらかなりのダメージにはなると思うんだよ。あとはいままで培ってきた人間力とプロレス観とか、さっき言ったありったけの魂をぶつけるしかないよね。

内藤vs飯伏とは違った色の“同級生対決”ができるんじゃないかなとは思ってるよ

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――現在、コブ選手は“THE EMPIRE”の一員となりましたが、加入前と後で変わった点などはありますか?

鷹木 なんか「シリアスな部分をみせたいのかな」っていうのはあるけど、まだ見慣れてない部分があるのか、「ちょっと無理してるんじゃないの?」「ホントにそれがジェフ・コブの本音なの?」って俺は感じるよ。

――そのあたりもリング上で確かめたいと。

鷹木 そうだね。闘ってみればウソはつけないし、メッキが剥がれてしまうから、「このNEVERのベルトを賭けるんだから、もうTHE EMPIREとか関係なしに小細工なしにやろうよ」っていう気持ちだよね。

――ちなみにTHE EMPIREというユニットはどのようにご覧になってますか?

鷹木 ちょっと方向性が読めないよね。オーカーン(グレート-O-カーン)も俺的には何を考えてるかわからないし、(ウィル・)オスプレイも『G1』を経て、「オカダ(・カズチカ)の下にはいられない」みたいなことを言ってたけど、べつに違った形でも良かったんじゃないかなと。

――まだまだ掴めない点が多いと。

鷹木 べつに全員が結果を出したわけじゃないのに態度がデカくなってるから、「そうじゃねーだろ! まずは結果を出しみろ!」って言いたいよ。今回の東京ドームで3人全員シングルが組まれてるから、ここで3つとも勝利を飾って勢いづきたいと思ってるだろうけど、「そんなに甘くないよ」っていうのを俺は見せたいよね。

――先ほど、コブ選手と同い年という言葉もありましたが、“57年会”の飯伏選手と内藤選手が1月4日(月)東京ドーム大会のメインイベントで対戦することは意識されてますか?

鷹木 内藤もスマホサイトの日記でそのことに触れてたから、それは意識しないわけがないでしょ? ただ、そこで俺が彼らの邪魔をするつもりもないし、どうこう言ってもしょうがないし、目の前にNEVERのタイトルマッチも決まってるわけだし、ただ一つ言えるのは内藤vs飯伏とは違った色の“同級生対決”ができるんじゃないかなとは思ってるよ。

神様もしっかり俺の腹のなかを見てるんだろうな。「おまえ、コイツ苦手だろ?」「じゃあ、コイツを乗り越えてみろ」っていう試練だと思うよ

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――色の違った試合というのは?

鷹木 客も声を出せないから、おたがいがブン投げて、ブッ倒し合うみたいなドッカンドッカンした気持ちのいい試合をしたいよね。ただ、ジェフがTHE EMPIREに入ったことで、プロレス観的なものをいまリニューアルしようとしてるんだったら「どうなるのかな?」って予想がつかない部分もあるよ。

――なるほど。

鷹木 ただ、以前のジェフを知ってる俺からすれば、いまは“作られたジェフ・コブ”のような気もするから、「THE EMPIREはこうじゃなきゃいけない」っていうものに彼が縛られてると、それが墓穴を掘る可能性もあるんじゃないかなって。まあ、俺も最初は「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンらしくいこう」と思ったけど、結局やっていくうちに自分らしさが出ちゃったからさ(苦笑)。

――なるほど。そこはご自身も通ってきた道なわけですね。

鷹木 あと、さっき「ジェフ・コブに対してコンプレックスがある」って言ったけど、もちろんリスペクトもしてるよ。彼は父方のお婆さんが日本人っていう話もあるし、きっと日本人の“和の精神”も持ってるだろうから、彼にも絶対アツい部分があると思うんだよね。

――ファンもお二人の熱い真っ向勝負を期待してると思います。

鷹木 そういった意味で、1.4のメインで内藤vs飯伏、1.5で鷹木vsジェフ・コブをやるからには、あらためて「昭和57年生まれの俺たちが、まだまだプロレス界を引っ張っていくぞ!」っていう想いは持ってるよ。

――同世代で東京ドーム2連戦を盛り上げると。

鷹木 ジェフには同級生とかっていう概念がないだろうけどさ(笑)。ただ、俺がプロレスデビューした2004年に彼がアテネオリンピックに出てるっていう過去がある中で、紆余曲折して新日本のリングで、しかも東京ドームのリングで対戦するっていうのは凄い運命的だと思うよ。

――めぐりめぐって運命的ですね。

鷹木 正直、「分が悪いからやりたくない」って思ってたヤツと東京ドームで対戦することになるとは思ってなかったけど、やっぱり神様もしっかり俺の腹のなかを見てるんだろうな。「おまえ、コイツ苦手だろ?」「じゃあ、コイツを乗り越えてみろ」っていう試練だと思うよ。

コロナ渦でいままでと違った感覚を持ってプロレスができてるから、そういったものが2021年は研ぎ澄まされていく。だから、「本物しか残れない」と思うよ

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――2021年の開幕戦となる1.5東京ドームのコブ戦がご自身にとって試練の一戦であると。

鷹木 新年は明けてるけど、気持ちとしては今年一年間、2020年に散々やられてきたぶんを返す総決算だと思ってるし、この一戦次第で2021年の俺の勢いが決まるよね。

――では、その運命を占う一戦への意気込みをお願いします。

鷹木 2021年は俺ら同世代が39歳になる年だけど、プロレスって不思議なものでキャリアを重ねてくると、「キャリアってこんな武器になるんだな」って痛感するんだよね。キャリア10年でやっと俺はプロレスの「プ」の字がわかったと思ったけど、いま15年やってきてプロレスの「プロレ」ぐらいまでわかったかなぐらいで、俺たちはまだ未完成なんだよ。
 
――プロレスは奥が深いですね。
 
鷹木 そうなんだよ。プロレスってそれだけ奥が深いし、いまコロナ渦でお客さんが声を出せない状況の中でいままでと違った感覚を持ってプロレスができてるから、そういったものが2021年は研ぎ澄まされていくんじゃないかなと。

――あらたな境地に達してきてると。

鷹木 だから、これからは「本物しか残れない」と思うよ。いままでだったら「お客さんを沸かしたヤツが凄い」とかあったけど、いまは歓声をあげられないっていう意味でお客さんの反応がないわけじゃない?

――いまは手拍子や拍手がお客さんの反応になってますね。

鷹木 そういった意味では、本物しか残れない状況になっていくと思うし、世の中の景気も良いわけじゃないし、さらに競争は激化すると思うから、俺としては安易にデカいことは言いたくないし、今年一年を振り返っても『NEW JAPAN CUP』でも『G1』でもくやしい想いをしてるから、まずは2021年一発目の1.5に意識をすべて集中させたいね。

――では、最後に1.5東京ドームから始まる2021年への抱負をお願いします。

鷹木 来年は39歳になる年だから、「サンキュー」っていう意味で“感謝感激”かな。良いことも悪いことも勝ちも負けも全て自分の為だから有難いと思わなきゃ。あとはデカい結果残した時は“感謝感激雨霰”って言葉を人生で初めて使ってみたいよね(笑)
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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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