反省多き ロッテ佐藤のルーキーイヤー。2年目に向けて研究の日々

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

【勝負強い打撃で活躍をした佐藤だが捕手としての反省が頭に残る】

 ルーキーイヤーを終えた佐藤都志也捕手にとって忘れられない言葉がある。それは通算1428試合に出場し今季限りで現役を引退した細川亨捕手に、かけられた言葉だ。 親子ゲームという形で二軍戦に出場しマスクを被っている時に大ベテランは、よく声を掛けてくれアドバイスを受けた。

 リードに悩んでいると言われた。

 「思った通りにやればいい。若いんだから失敗を経験にすればいい。それを反省して成長する。ルーキーなんだから、失敗して当たり前。恐れずにおもいっきりやればいい」。

 大ベテランの言葉で楽になった事をよく覚えている。

 「気にかけていただいた。親子ゲームでしか一緒にはやっていませんが試合に行くと必ずアドバイスを頂いていました」と佐藤はシーズンオフに入った今、そのアドバイスを振り返る作業を行っている。

 そんな佐藤にとって悔恨の想いが残るのは11月9日、ファイターズとのシーズン最終戦(ZOZOマリンスタジアム)。この試合は尊敬をする細川の引退試合でもあった。初回を終えて4対1と3点リード。しかし二回に8番清水優心捕手に左翼へ2ランを打たれ1点差に詰め寄られると四回に再び清水に右前適時打を打たれ同点。チームは六回に勝ち越しを許し敗れた。

 「細川(亨)さんの引退試合。どうしても勝ち勝った。悔しかったです」と佐藤。

 悔やんでも悔やみきれないのは二回無死一塁。打者清水への場面だ。初球、外角へのボール球から入り、インコースに2球、ツーシームを続けて追い込んだ。

 「ファウルか、もしくはサードゴロのイメージだった」ともう1球、インコースにツーシームを要求。打球はレフトスタンドに消えていった。完全に狙いすまされての一撃だった。「ものすごくあの球を嫌がっているように見えたのでもう1球、要求をしたところを狙われた。自分が甘かったし清水さんの特徴をしっかり把握できていなかった」と、うな垂れるしかなかった。

 結局、負けている展開でこの試合をもって19年にわたった現役生活にピリオドを打つ細川と交代をすることになった。勝っている形でバトンを渡すつもりだった。しかし負けている展開としてしまった終盤に交代した。

 「スイマセン」と頭を下げると2度ほど肩を叩かれた。そして言われた。「思った通りにやればいいんだよ。人は失敗して成長する」。二軍の試合で教わった言葉だった。

 オフは今年の反省を生かす時間にしている。打者の研究に着手。資料、映像を見直し打者の特徴をもう一度、頭に叩き込む。そして毎日、試合中や試合後につけていたノートを見返す。シーズンオフであれば失敗点、反省点を冷静に振り返る事が出来る。

 「勝てる捕手、投手から信頼される投手になりたいです。捕手として試合に先発出場をしたい。そのためにはしっかりと研究をして反省を生かさないといけない。オフにどれだけ努力できるかが大事になる」

 佐藤のプロ1年目が終わった。プロの壁にぶち当たり、悩み苦しんだ日々だった。サヨナラ打など殊勲打を打った試合はあったが覚えているのは自分がマスクを被り打たれた場面ばかり。反省多き一年だった。しかし細川は言ってくれた。「失敗の数だけ若者は成長していく」と。2年目に向け自己研鑽を続ける佐藤。大ベテランのような味のあるリードをする日を夢見て修行の日々を送る。

文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
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