激動の2020年。マリーンズの2021年はもう始まっている

千葉ロッテマリーンズ
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【来季を見据える井口監督】

 激動の2020年シーズンが終わった。開幕が延期された。6月19日に開幕をしたがスタンドにはファンの姿はなかった。異例の一年をマリーンズは全力で駆け抜けた。そんなシーズンで4年ぶりAクラス、13年ぶりに2位になった。井口資仁監督はそれでも悔しさを口にする。

 「一度はホークスのしっぽを掴みながら、逃してしまった。掴みとり、上にのし上がりたかった。来年は絶対に優勝を掴み取る一年にしないといけない」

 2月の春季キャンプから指揮官が口酸っぱく選手たちに伝えてきたのは1974年以来となるリーグ1位での優勝をするということだった(05年のリーグ優勝はシーズン2位。プレーオフを制しての優勝)。10月に一度はゲーム差ナシまで詰め寄りながら引き離された。最終的には14ゲーム差。10月27日、目の前でホークスのリーグ優勝の瞬間を目の当たりにした。

 「去年はクライマックスシリーズ争いをして最後に敗れ4位となった。その悔しさをバネに今年は戦ってきた。今年は優勝争いをして最後に失速をした。この悔しさは来年、絶対に晴らしたい。選手たちも同じ思いだと思う」

 井口監督はシーズンが終わると若い選手たちと個別ミーティングを繰り返した。具体的な目標を共有するための作業だった。選手たちがそれぞれ課題をハッキリと口にして明確な目標設定をしてくれていることが嬉しかった。来季に向けての確かな手ごたえを感じた。

 「今年は束になって戦った。来年は個々がレベルアップすることで、この束を太く強くする」

 12月18日、久しぶりに本拠地ZOZOマリンスタジアムに訪れると多くの選手たちが汗を流す姿を目にした。

 「オレが現役の時なんて12月はほとんど球場に行ったことはなかったなあ。みんな目の色が違う」と頬を緩めた。

 そして自身もまたこのオフは研究の時間に費やしている。試合を見返し、気が付いたことをメモする。先発した投手の替え時を見極める兆候がどこかになかったか。表情から、ちょっとしたしぐさまで。そしてベンチからは判別できなかったボールのキレなどを画面を通して凝視する。打者も目線も同じ。好調だった選手がなにをキッカケにスランプに陥ったか。1試合1試合見返して選手たちの表情から細かい動きまで見直すことから始めている。

 「シーズン中は野球の夢しか見なかったからなあ」と苦笑いを浮かべる指揮官だがオフになってもやっぱり頭の中から野球が離れることはない。「選手たちは一回りも二回りも強くなっている。ただこの経験を来年、必ず生かしてチャンスを掴み取らないといけない。優勝をするためになにが足りなかったのか。みんなで見直したい」と意気込む。

 年が明ければすぐにキャンプインとなる。マリーンズの2021年はもう始まっている。リーグ優勝を掴み取るための準備に余念はない。

文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
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