2020年は新外国人豊作シーズンだった? パ・リーグ各球団1名以上は戦力に
【(C)パーソル パ・リーグTV】
“大物助っ人”の移籍加入も多数
そして、パ・リーグ6球団の新加入助っ人の最終成績を確認すると、各球団最低1名以上は、チームの重要な戦力になっていたことがわかる。前評判に違わず活躍した、あるいは適応に苦しんだ選手たちについて振り返っていきたい。
北海道日本ハムファイターズ
2020年シーズン成績 【(C)パ・リーグ インサイト】
巨人から移籍してきたビヤヌエバ選手は、チームが固定しきれていない三塁手候補として54試合に出場。高い守備力と好走塁で存在感を発揮するシーンもあったが、打撃では昨季の打率.223、8本塁打という成績を下回った。2018年にパドレスで20本塁打を放った長打力を、いまだ日本では発揮しきれないままだ。
東北楽天ゴールデンイーグルス
2020年シーズン成績 【(C)パ・リーグ インサイト】
シャギワ投手は、開幕からブルペンの一角としてフル回転し、26試合に登板した時点で防御率2.82と安定した投球を見せていた。しかし、そこからの3試合で10失点と急激に調子を崩し、二軍降格を経験する。イニング跨ぎを三度こなすなど献身的な姿勢も見せていたが、31試合登板、防御率5.81でシーズンを終えた。
埼玉西武ライオンズ
2020年シーズン成績 【(C)パ・リーグ インサイト】
ノリン投手は来日初登板が8月29日の楽天戦と出遅れたものの、6回を3失点にまとめて初勝利を飾る。続く9月5日の北海道日本ハム戦でも、さまざまなフォームを使い分ける“幻惑投法”を武器に、6回2失点10奪三振と好投した。しかしその後は2試合続けてノックアウトされ、9月26日の楽天戦では1イニングわずか8球で緊急降板。そのままそれが今季最後の登板となった。
2011年MLBドラフト1巡目指名選手であるスパンジェンバーグ選手は、三塁と外野を兼任するユーティリティ性が持ち味。さらに15本塁打のパンチ力に加え、12盗塁、リーグトップ8本の三塁打を記録するなど、“足”での貢献も大きかった。調子の波があるものの、汎用性の高さと大事な局面で飛び出す一発で、着実にチームの助けとなっている。
千葉ロッテマリーンズ
2020年シーズン成績 【(C)パ・リーグ インサイト】
シーズン後半の9月に電撃入団したチェン・ウェイン投手は、言わずと知れた元中日の左腕エース。日米通算95勝の輝かしい実績をひっさげ、9年ぶりの日本球界復帰となった。しかし、登板した全試合でクオリティ・スタートを達成するも白星はつかず。11月15日に行われた福岡ソフトバンクとの「パーソル CS パ」第2戦では先発に抜擢されたが、3本塁打を浴びて負け投手となった。
入団時は育成契約だったフローレス投手は、3月に支配下登録される。初登板・初先発となった7月12日の埼玉西武戦で3回6失点を喫するなど苦戦したが、二軍降格を経て10月の再昇格以降は、ロングリリーフ要員に定着した。
オリックス・バファローズ
2020年シーズン成績 【(C)パ・リーグ インサイト】
MLB通算282本塁打を誇る“正真正銘の大物メジャーリーガー”として、大きな期待を集めたジョーンズ選手。8月に5本塁打、9月に日米通算2000安打と随所で存在感を見せるものの、ゴールドグラブ賞4度の外野守備も精彩を欠き、攻守で本領発揮とはいかないままシーズンを終えた。ロドリゲス選手は7月10日の北海道日本ハム戦でサヨナラ3ランを放ったが、ジョーンズ選手と同じく日本球界への適応に苦しみ続けた。
福岡ソフトバンクホークス
2020年シーズン成績 【(C)パ・リーグ インサイト】
シーズン60本塁打の日本記録保持者・バレンティン選手は、野球ファンなら誰もが知る元東京ヤクルトの主砲。昨季も33本塁打を記録していたこと、ジュリスベル・グラシアル選手とアルフレド・デスパイネ選手の来日が遅れていたことで、ファンや首脳陣からは当然大きな期待を寄せられていた。しかし、なんと打率1割台、本塁打も一桁と絶不調。8月中盤以降は1打点も挙げられず、シーズンを終えてしまった。
2020年変則シーズンはひそかな豊作年?
即戦力としての働きを期待されているため、毎年多くの外国人選手が来日し、そしてわずかな期間で離れていく。そんな中で、各球団1名以上は来季につながる活躍を見せた今季は、前評判とはまた違った形ではあるものの、外国人選手の豊作年と言えるかもしれない。彼らは今後も持ち前のパワーや技術を生かし、頼もしいプレーを継続することができるだろうか。
文・望月遼太
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