【AFTER GAME】 2020-21第8節 群馬戦(11/21〜22)~悔しさの残る連敗。バネにする以外に道はなし~
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今シーズンの開幕節以来、ロボッツは群馬クレインサンダーズと2度目のアウェー連戦に臨んだ。第7節終了時点で、両チームのゲーム差は1。上位陣の差が詰まっている今年のB2東地区においては、この首位攻防戦が持つ意味は、非常に大きかった。しかし、第1戦は今季最多失点となる96-75で敗戦すると、第2戦はオーバータイムに及ぶ攻防の末に86-81で連敗。開幕節の雪辱を果たすことはできなかった。しかし、この結果をどう受け止め、どう収穫にしていくか。全てをバネにする意気こそが、今のロボッツに必要ではないだろうか。
シュート精度、リバウンド。積み重なった差
また、スタッツを見ると、ロボッツと群馬の間で差をつけられたのがリバウンドである。トータルリバウンドを見ると、第1戦では群馬の#41ブライアン・クウェリに10本、#3マイケル・パーカーに9本のリバウンドを取られるなどで8本差(38-30)、第2戦ではパーカー1人に14本のリバウンドを取られ、チームとしても9本差(45-36)をつけられている。リバウンドの差がこれだけ付いてしまうと、チャンスメイクそのものに難を抱えかねない上に、ディフェンスにおいても自分たちの優位を作ることは厳しくなる。常々、リチャード・グレスマンHCや選手たちが「チームとしてリバウンドが課題」と言い続けている中でのこの差は、決して無視できる結果ではないといえるだろう。
2試合を終えて、キャプテンの#25平尾充庸は記者会見で「小さなひとつひとつのことが勝敗を分けた」という言葉を残した。今節の敗戦は何かが特段悪かったことで差をつけられたというよりも、1プレー1プレーの中で積み重なったわずかな差が、終わってみれば大きな内容の差となって表れたのではないだろうか。これをすぐさま修正することは難しいかもしれない。しかし、泥臭く改善を続けないことには、勝機は見いだせないだろう。
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修正力に見えた意地
しかし、ロボッツも同じ相手に何度も好き勝手にさせない。今季2度目のスターティングメンバーに起用された#31アブドゥーラ・クウソーや、途中出場となった#0遥天翼が相手の突破をたびたび食い止め、群馬が走る展開を許さなかった。インサイドのディフェンスが作用したことで、群馬もショットクロックを消費する展開が増える。粘り強く、残り1秒まで気を抜かないディフェンスで、ロボッツは着実に流れを作っていった。
また、オフェンスにおいては#6小林大祐や#11チェハーレス・タプスコットらがインサイドへ貪欲に切り込み、チャンスを確実にものにしていく。ペイントエリアでの得点や、ターンオーバーからの得点では群馬を上回り、プレッシャーをかけ続け、攻守にわたって前日からの改善が見られた。相手の力量を実際に確かめた上で、今できることは何か。その上でどのアプローチならば駆け引きに出られるかという、「修正力」が光ったことで、群馬をあと一歩の所まで追い詰めた。
しかし、結果は結果。これで群馬には開幕から4戦4敗となってしまった。その事実は揺るがないものである。平尾が第2戦の試合後、「やるべきことが見えてはきていると感じますが、今日の試合を最低限の位置にしなければならないと思っています」と会見で述べたのは、その通りといえる。この日以上のゲーム展開を見せないと、勝利を望むのは難しい。群馬との今季の対戦は来年4月にもう一度残っている。そしてその舞台は、ロボッツのホーム・茨城である。リベンジの時に向けて、なんとしても勝利をもぎ取るという戦いを、積み上げていってほしいところだ。
負けたからには、勝つしかない。「守るべきホーム」での戦い
福島のキーマンとなるのが、オールラウンダーであるキャプテン、#21菅野翔太だ。今季、3シーズンぶりにB1・三遠ネオフェニックスから福島に復帰した彼が、攻守にわたってチームを引っ張っている。また、シーズン途中から合流した元NBAプレイヤーのビッグマン、#0エリック・マーフィーをはじめとして、外国籍選手もタレント揃いとあって、ロボッツはあらゆる局面で集中力の高いプレーが求められることになるだろう。
敗戦によって生じた流れを吹き飛ばすには、勝利が最適だ。「守るべき場所」であるホームでの戦いを、アリーナや画面で戦いを見つめるファンやブースターのために、力強いパフォーマンスを見せなければならない。
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