試合時間は今季チーム最短のわずか1時間11分。アウェイで久光スプリングスを圧倒!【NECレッドロケッツ】
【NECレッドロケッツ】
だからこそ金子監督は「久光さんは実力があるチーム」と認め、古賀も「久光さんは本当に強いチームなので、チームでしっかり勝とうというのはありました」と意気込んでいた。ただ同時に「1年1年チームカラーは変わってきますし、私たちのチームカラーも少しずつ変化している」という言葉からは、これまでのことはこれまでのこととして、この一戦にかける強い思いを感じさせた。
「試合の入りで、いかに自分たちのリズムのあるバレーをできるかがカギ」
「試合の入りで、いかに自分たちのリズムのあるバレーをできるかがカギ」金子監督 【NECレッドロケッツ】
金子監督がそう考えていた通り、序盤から鋭いサーブが相手の守備を苦しめた。山内の先制点の後、 山田のサーブで次々とチャンスを作り、いきなり6連続得点。山内のサーブでも島村の連続ブロードや古賀のバックアタックなどで、12-2と一気に流れをつかんだ。そこからも10点前後のリードをキープしつつ、押し込まれたラリーでは、ネリマンらがネット際のボールをうまく処理してつなぎ、相手のミスを誘う場面もあった。
相手をほとんど寄せつけることなく2セット連取
6連続得点で勢いに乗り、25-16で難なく最初のセットを奪う 【NECレッドロケッツ】
チームメイトを盛り立てる山内キャプテン 【NECレッドロケッツ】
質の良いパス。チームに安定感をもたらす小島 【NECレッドロケッツ】
試合時間はレッドロケッツ今季最短のわずか1時間11分。収穫は相手にほんの少しさえも隙を見せなかった点
後方からバックアタックを狙うネリマン 【NECレッドロケッツ】
分厚い攻撃を見せたレッドロケッツ 【NECレッドロケッツ】
島村は言う。「いつもだったら1セット目が良い展開でも、2セット目の入りで中だるみをしたり、セットの入りが良くても終盤でもたついて、相手に流れがいってしまうことがありましたが、今日はそれがなかった。各セットに入る前に、みんなで『今のセットは切り替えて、もう一回、一からスタートしよう』とか、3セット目に入る時も『2セット取ったことは忘れて、1セット目のようなイメージで行こう』という話が自然と出ていました」
そうした姿勢でプレーできる限り、劣勢の相手は挽回のチャンスを見出すことができず、早い段階で諦めムードが生まれてくる。今後も目指していきたいゲームの進め方だろう。
この試合での手応えを語った島村 【NECレッドロケッツ】
会心の試合を終えた後も、チームに気を緩めるような気配はなし
会心の試合でもまだまだこれからと語る選手たち 【NECレッドロケッツ】
「アタッカーの個々の力はあるのですが、それを打ち切らせる精度がこれから戦っていく上で、非常に必要になってきます。今日はアタッカーの技量で打ち切っている場面が多々あったと思うので、そこはみんながもっと関わって1点をとりにいく場面を増やしていきたい。つなぎの部分での2段トスなど、まだまだ精度を上げないといけないプレーはたくさんありましたので、そこは引き続き上げていきたいと思います」(金子監督)
アタック決定率通算57.1%!リーグ全体の堂々1位にランクの島村春世
「今までよりスピードやキレが増えている分、今までの体力ではきつい」好調さを物語る島村の言葉 【NECレッドロケッツ】
今季好調なチームの中でも、一際存在感を放っているのが、社会人11年目の島村だ。 開幕戦からこの久光スプリングス戦までの10戦で、全試合スタメン出場。生え抜きではチーム最年長であることを忘れさせるほど、若々しくコートを駆け回っている。自身は「開幕からこれだけできているのは久々です。ここ数年は全日本の活動でチームへの合流が遅れたり、コンディションの調整で、開幕戦に出られないことが続いていたので。でも、今季は開幕から頑張りたいとこだわっていたからこそ、それができているのは嬉しい」と笑顔を見せる。
もちろん、ただ試合に出ているというだけではない。ミドルブロッカーとして常に相手の攻撃の最前線に立ちふさがり、攻撃では得意のブロード攻撃を軸に、1試合平均10点以上をマーク。総得点116点はエース古賀に次ぐチーム2番手だ。アタック決定率に至っては、この試合までの9試合で50%以上のハイアベレージをキープし、10試合を終えての通算57.1%は現在、リーグ全体の堂々1位にランクされている。
「今季はレシーブが安定しているので、ミドルが活躍できる場面が多くて助けられています」と、自分の活躍よりも先にチームメイトへ感謝するあたりに島村の人柄がにじみ出ている。
「試合終盤に少しバテてしまう感覚がある」のは、体力的な衰えでは一切なく、むしろ「今までよりスピードやキレが増えている分、今までの体力ではきつい」らしい。そうしたスピード面の向上は、夏場の鍛錬期に取り組んできた成果に他ならない。
進化という意味では、同じポジションの上野や山田、新人の野嶋や甲らから様々な刺激を受けているという。「みんなそれぞれ良いところがあって、この子のブロックはうまいから盗みたいなとか、今の攻撃は私もやってみたいなと、いつも思わせてくれます。練習のAB戦では『負けないぞ』という感じでやっていますが、試合ではミドル陣で助け合いながらできていると感じています」と語る。
ある程度のキャリアを積み重ねると、自分のやり方だけにこだわったり、新しい試みにトライするのを避けたりしがちだが、島村にはそれがない。「現状に満足しているわけではないですし、自分の悪い所しか見えていないので、まだまだ進化できる」
レッドロケッツの頼れる大黒柱は、自身3度目となるVリーグ制覇に向けて、今、充実のシーズンを過ごしている。
待っているのは #鼓舞する赤ロケハリセン が鳴り響く年内最後のホームゲーム
11月のホームゲーム(大田大会)も2試合連続チケット完売。ファンとの共闘空間は熱を増すばかり 【NECレッドロケッツ】
アウェーでデンソーとの一戦を終えると、待っているのは年内最後のホームゲームだ。12月4日はヴィクトリーナ姫路 、そして5日はすぐにデンソーとホームで再戦することになる。
11月のホームゲームは2日連続チケット完売。リモート50の状況下とは思えないようなハリセンの音色が選手を励まし、チームがSNSで展開する文字通り「#鼓舞する赤ロケハリセン」の共鳴度合いは日に日に増して、選手とファンの一体感は高まる一方だ。Vリーグ屈指の絶対的な後押しがあるホームゲームに最高の形で戻れるか。
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