古江彩佳 静かに2週連続V

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGAツアー2020-21シーズン第13戦『第39回大王製紙エリエールレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が11月22日、愛媛県松山市・エリエールゴルフクラブ松山(6,545Yards/Par 71)で行われ、古江彩佳が通算15アンダーで2週連続優勝を飾った。3打差の通算12アンダー、2位にイミニョンが入り、3位タイは通算9アンダーの菊地絵理香、笹生優花。また、渋野日向子が66の猛チャージで今季初のトップ5入りを果たした。
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 今回も、静かな優勝劇。少しの笑顔があっただけだ。ガッツポーズもなし。古江彩佳が2週連続優勝を飾った。アマチュア時の優勝を含めると、早くもJLPGAツアー4勝。今季3勝目は本当に強かった。優勝を意識したのは、「18番へ入ってからですね。2位と差があったので、安心感はあったけど、ホールアウトするまで何が起こるかわかりません。気を抜かないように注意しました」という。

 大混戦が予想された最終日。スタートから、淡々と18ホールをプレーしているように映る。そして、気がつけば優勝だ。

 「今までの優勝は、すべて3日間大会。だから、4日間大会の今回は少しプレッシャーがあった。また、今年の2勝はプレーオフ。次に勝つ時はちょっと安心してーという気持ちも少しだけ…。これを機に、4日間大会も頑張っていけるのかなぁと自信がついた」そうだ。

 序盤から、スキを見せない。2番、157ヤードの第2打を7Iで60センチにつけ、楽々とバーディーを奪う。ハデなプレーではなく、確実に。前半終了時、2位とは7打差をつけていた。「やはり、ボギーを叩かないことが大事です。ボギーがなければ安定感につながる」と、改めて口にする。さらに、この勝負哲学について、「高校2、3年ぐらいから、そんな気持ちを養ってきた。父から、バーディーをとっても、その後にボギーだったら意味がないだろう。そんな話をよくしていた」。わかっていても、実行することは難しい。要は試行錯誤しながら実現するにはどうしたらいいかを、自身が熟慮を重ねて続けている証拠なのだ。当然ながら、「これでいい」はない。

 ただし、この日は2つのボギーを叩いた。珍しいミスは、18番で3パットをしたことだろう。「カップの手前から、下りになることはわかっていた。でも、そこまでの上りを気にしすぎてパンチが入ってしまった。絶対、バーディーというより2パットでもいいと思ってはいましたけどね」。次戦へ向け、反省すべきところをピックアップする。

 一方で、クローズアップされることはなかったものの、今大会は新たな挑戦を行った。ランニングアプローチだ。「試合が続いているから、どんどん調子が良くなる。いい感じですよ」と前置きし、「やってみるしかない。怖がっていると、いつまでもできません。ドキドキするけど、試合でうまくいくと、うれしいからです」。練習をして試合で即、試す。試合で実践できなければ、何もならない。これまた、哲学のひとつ。「新しいことに挑戦することは、レベルを上げる重要な要素です」と話した。

 同組でプレーした笹生優花は、「安定感がすごい。私も一生懸命、プレーしました。古江さんはとてもいい人だし、やさしい」と絶賛。なるほど、古江は、いつも穏やかだ。たとえ、うまくいかない時も、「怒りません。怒っても一緒です。いいことはありませんよ」と、笑顔を浮かべた。プロ2年目とはいうものの、実質はルーキーである。20歳から、教えられたことがたくさんあった。
(中山 亜子)

《アラカルト》
◆通算4勝目=20歳179日は宮里藍、畑岡奈紗に次ぐ史上3位
◆2週連続優勝達成=1988年以降39回目
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