<国内男子ゴルフ>コロナ禍で挑む連覇。今平周吾は孤独な戦い
【柏木キャディ。ぶっつけ本番の今平のために、開幕前日に一人でコースをくまなく見て歩き©JGTO】
昨年覇者は、たとえ孤独と不便を強いられても、連覇を狙いに来ると決めた。
先週のマスターズ(44位T)から帰ったばかりの今平周吾は、18日夜に、会場の宮崎入りする。
本来なら、帰国後2週間の隔離生活が待つところを、特別措置での出場が可能となったが、「JOC認定オリンピック強化指定選手」に向けて設置された「アスリート用東京オリパラ準備トラック」、通称「アスリートトラック」と呼ばれる、厳しいガイドラインの遵守が条件だ。
17日の17時30分に、成田空港に到着した今平はすぐにPCR検査を受診、その場で陰性判定を受けて入国。
同日中に、いったん横浜の自宅に戻った。
改めて、翌18日の正午前に、新横浜駅を出発。博多駅まで来て、そこから、車で同日夜9時ごろ到着する予定だが、移動するのだけでも大変だ。
新幹線では隣と前後2席も押さえて、合計6席を確保。
博多から宮崎までは、自身で手配した専用ハイヤーを使う。
現地の宿は、フェニックス・シーガイア・リゾート内のコテージ「ヒムカ」をひとりで一棟丸借り。
プレー以外は外出もできず、食事は施設内でとるきまりだ。
項目すべてが守られているか、常にスタッフが随行して監視を受ける。
コースに来ても、制約は多い。
クラブハウスにも入れず、キャディ以外の他選手との接触も禁止。ラウンド中の会話も控え、トレーナーのケアは15分のみ。
練習や取材時も、周囲との距離を確保できるよう、大会では出場が正式に決まった月曜日にきゅうきょ、今平の専用打席やパッティングエリア、リモート取材用のブレハブ小屋が設置された。
今週のキャディをつとめる柏木一了さんには事前に、8ページにも及ぶ「今平選手受入対応マニュアル」が大会から届いた。
マスクは、プレー中もできるだけ着けること。一定の距離を保つことや、直接の接触を避けるため、クラブの受け渡しはグリップ部分を触らず、ボールもタオルなどに乗せて手渡すなど、細かなルールが記してあった。
初日当日の朝、ぶっつけでコース入りする今平のために、18日の練習日はひとりでコースをチェックして歩いた柏木さんは、「明日、練習場で落ち合うことにしていますが、どうなることか…。それでも、彼が出させていただくと決めたことだから。普通の状況ではない中で、僕はいかに普通の状況を作ってあげられるかだと思っています」と、話した。
年間2勝目を飾った昨年大会は、ここから2年連続賞金王への道筋を、2人で描いた。
ジャンボ尾崎やウッズ、ケプカらに次ぐ史上6人目の連覇達成へ。コロナ渦中の偉業で、距離をとっても切れない絆を証明する。
昨年は、今大会の年間2勝目で、キングロードを駆けあがりました 【©JGTOimages】
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