渋野日向子 バースデーは出世魚をセレクト

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

第36回伊藤園レディスゴルフトーナメント グレートアイランド倶楽部(千葉県)最終日

 ジワリジワリと復調。22歳の誕生日を迎えた渋野日向子は5バーディー、2ボギーの69でプレーした。「22歳。新しい年齢を迎え、心の中で整理がついた。気持ちが切り替えられたと思います」と話す。大きな収穫は、ショートパットだった。「たとえば、7番、下りのスライスだったけど、ラインがとても難しい。カップを外すか、外さないか…。そういう微妙なところでした。でも、自信をもって、強めにストロークができたと思います」と表情は明るい。

 この日は、10番スタート。いわゆる裏街道だった。序盤からより丁寧なプレーを心掛け、1打ごとにより慎重なマネジメントを繰り返すシーンが印象に残る。というのは、右足に不安を抱えているからだ。「ここ1週間、寝ている時も痛い。痛みがひどくて目が覚めてしまうこともあった。負担を軽くするため、シューズへインソールを入れ、試しながらプレーを。おかげで、いい感じです」という。

 つまり、スイングもできるだけ体をコントロールしながら。今大会、何度か口にした「タテの距離が合わない」も、ワンクラブ大きいものを選択するなど、ひと工夫、いや、ふた工夫しながら、ベストショットを模索する。16番からコントロールショットがうまくいくようになった。加えて終盤のパー3の7番では、運も味方。「5Iでアゲンストの風に負けない低めのボールを打った。ちょっとダフってしまったけど、キックが良かったですね」と、うれしそうだ。これが、冒頭のパッティングにつながっている。ラッキー7である。

 JLPGAツアーは、残り2戦。次週は初のディフェンディングチャンピオンとして迎える大会だ。「22歳の第1戦。全英よりも気楽です。きょうのようなプレーができれば、上位で戦えるかもしれない。しっかり予選を通過して」と、さらに気を引き締めた。きょうは自宅で家族水入らずのパーティーが待っている。ちなみに、メインは「私のリクエストで、ブリの照り焼き」とか。ブリは出世魚だ。幸多き22歳になりますようにー。
(中山 亜子)
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