【UFC】ファイターになるべくして生まれた村田夏南子がついにオクタゴンデビュー

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【Photo by Kiyoshi Ota/Getty Images|Zuffa LLC/UFC】

幼い頃から道場に入り浸っていた村田夏南子は生まれた時からファイターになることを運命づけられていた。

初めは柔道、続いてレスリングで卓越した才能を見せた27歳の女子ストロー級格闘家はやがてMMAに目を向け、国内外を問わずランキングを駆け上がる中で、UFCの殿堂入りファイター、桜庭和志の目に留まることとなる。

中学時代に柔道で全国優勝を果たした彼女はレスリングのフリースタイルに転向。2011年には世界ジュニアで金メダルを獲得した。

「ずっと2012年のロンドン・オリンピック出場を目指して集中していて、2020年の東京オリンピックのことも考えたんですが、今は目標が変わりました。それでも自分が取り組むことでベストでいるという目標は変わりません。それがMMAです」

「一番好きなファイターは桜庭さんです。少し前にマスクをプレゼントしてくださって、数戦してファイターとして認められてからは私も入場の時にマスクを着けるようになりました」

愛媛県松山市出身の村田は確かにここまで長い道のりを歩いてきた。

「柔道を始めたのは3歳の時です。でも戦うのは好きじゃなくて、畳の上に下ろしても、すぐにはい出ていってしまうような子どもだったと聞いています」と7連勝中のInvicta FC元王者は語る。

「祖父が柔道の道場を開いていたので、物心つく頃からそこにいました」

【Zuffa LLC/UFC】

今も成長を続けるサブミッションのスペシャリストは、UFCで次の章を始めるにあたって自分の開発すべきエリアがどこかを認識している。その言葉は謙虚で明瞭だ。

「私のレスリングはパーフェクトじゃありません。でも、毎日の練習を通して良くなっているのを感じることができます。ただ、いったんその地点に到達すると、より多くの障害が見えるようになり、自分の課題が見えてくるんです。成長というのは終わりのないループなんでしょうね。私はブラジリアン柔術(BJJ)で紫帯を持っていて、今はほとんどの時間をレスリング、打撃とBJJに費やしています」

さまざまなマットの上で人生を過ごし、多数のメダルを獲得したことによって村田は自然と自信を身につけた。10代のうちに多様なスポーツのクロストレーニングをしてきたことが初期の成功の基盤になったと彼女は考えている。

「柔道とレスリングをやってきたことはすごく役に立ったと思います。総合格闘家にとってこれ以上のコンビネーションはないんじゃないでしょうか」

「UFCと契約してから、私はスタートラインに立った気がしているんです。目の前に置かれた全ての試合に集中して、これからも上に登っていきたいと思います。それは私のキャリアを通して変わらないでしょう」

村田は試合前のキャンプをアメリカのコンバット・スポーツ・アカデミーで終えた。2019年にInvictaで2勝を挙げた時から変わらないルーティンだ。

「この大変な時期に試合の準備を手伝ってくれた日本とアメリカのチームメイトたちには感謝以外の言葉がありません。このパンデミックで、私は何事も当然と思ってはいけないことを学びました。謙虚になり、日常の環境に感謝できるようになりました」

新しい環境で自分のなりわいへの感謝を覚えた村田が万全を期して臨む相手は経験豊富なランダ・マルコスだ。当初発表されたリビーニャ・ソウザはけがのために撤退を発表した。

デビュー戦で好印象を残すチャンスは一度きり。世界が見守る最も過酷なバトルグラウンドであるオクタゴンで、その評価は入場する時から始まっている。

「新しいマスクで登場するつもりです。みんなを驚かせるパフォーマンスを見せますから、どうか楽しみにしていてください」

彼女の狙いは連勝を重ね、キャリア12勝目を飾ることだ。だが、試合後の予定は師匠の桜庭が決めることになるかもしれない。

「Invictaでデビューする時、桜庭さんに入場曲を使わせてほしいとお願いしたんです。許可はもらえたんですけど、条件を2つ出されました。1つ目は勝つこと。それから日本で彼をクラブに連れていくことでした。2つ目の方はまだクリアしていないので、桜庭さんは絶対まだ覚えていると思います」

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