大逆転 ルーキーの西村優菜、JLPGAツアー初V

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGAツアー2020-21年第10戦『樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会最終日が11月1日、埼玉県飯能市・武蔵丘ゴルフコース(6,585ヤード/パー 72)で行われ、ルーキーの西村優菜が初優勝を飾った。首位から6打差の3位から、65の猛チャージで通算11アンダーの大逆転。150センチの小柄な体がひと際大きく映る。1打差の通算10アンダー、2位は勝みなみ。
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 ゴールドより、プラチナが勝った。18番、空気を切り裂くような鋭い音が響く。JLPGAツアー初優勝を飾ったルーキーの西村優菜は、この残り115ヤードの第3打を「100点のショット」と振り返った。ピン奥1メートルのウイニングパットもまったく危なげなし。

 「想像以上のプレーができた。本当にうれしい。14番から優勝争いへ加わり、強い気持ちで戦えたと思います」。日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯以来の最終日、最終組だ。首位の勝みなみとは6打差の3位からスタートした。前半は6番のチップインなど、3バーディー、1ボギーの内容。14番から3連続バーディーで勝に並びかける。

 「(最終日を首位で迎えた)コニカミノルタ杯では、緊張したけど、スコアを意識しすぎたことが反省材料。また、どちらかというと、守りのプレーだったかもしれない。あの試合後、次に最終日、最終組でプレーした時は、攻めるーと誓った。きょうはマネジメントだけではなく、気持ちのコントロールもうまくできたと思います」。

 18番でも、実は想定外の出来事があった。第2打を、「6Iでレイアップして、80ヤードを残すつもりで打ったら、ダフってチョロに…。だから、第3打はより集中しました」と話している。100点のショットは、絶対に失敗が許されない極限の状況から放たれた。経験を糧にしたものだ。ショットメーカーである。

 「勝さんは飛距離が出る。だから私らしく、ショットの精度でチャンスをつくった」という。1Wの平均飛距離は230-240ヤード。「あと、5ヤード、10ヤードはのばせるとは思うけど、たとえ距離が出てもラフへ行けば、難度があがります」とは、ごもっともだ。身長は150センチと小柄。「得をしたことは、試合で1度。橋の下からショットができたことぐらい。反対に損だと感じるのは、小柄だから飛距離に限界があることでしょうか」と、笑いながら語っている。

 さらに、アマチュアとプロの違いについて、「周囲の選手は毎日の成績で一喜一憂しない。気持ちの切り替え方がすごくうまいと思います」。長いシーズンを戦うためだ。名前は優菜(ゆな)。「やさしく、菜の花のように明るく」との願いが込められている。古江彩佳に続く、プラチナ世代2人目のツアー優勝者。「古江さんのアマチュア時代、プロの優勝を両方、間近でみた。すごい刺激。見て学びました」と観察眼を養った。そして、持ち前の洞察力もVの原動力。勝負には絶対がないーことを証明したからだ。 

【西村優菜 優勝アラカルト】出場10試合目 20歳89日

(中山 亜子)
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