楽しいが一番 鈴木愛、埼玉で ー 笑顔

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGAツアー2020ー21年第10戦『樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)が10月30日、埼玉県飯能市・武蔵丘ゴルフコース(6,585ヤード/パー 72)で開幕する。29日は指定練習日。出場選手が入念に最終調整を行った。

 鈴木愛は3週連続でディフェンディングチャンピオンの大役。オープンウィークはしっかりと体力づくりを行った。「ゴルフは調整程度で1日だけ。しかし、3日間トレーニングをしてしっかりと体づくりをしました」という。引き締まった表情がグリーンのウェアに映えた。

 この日は午前9時から、たっぷりと練習でウオーミングアップ。そして、午後からインの9ホールで調整するという初めてのパターンを取り入れた。「たくさん練習をしてから、コースでプレーをすると、実戦のような気持ちになれる。いい練習ができた。ショットの調子がいいです」と手応えを感じている。

 あれから1年ーそれにしても、19年大会は鮮やかな優勝劇だった。手首の故障で約1カ月間、戦列を離れて、「復活の1勝。忘れられない試合です」。大逆転の賞金女王へこれ以上は臨めない起爆剤となったからだ。「春シーズン、優勝はしていたけど、うまくいきすぎた感じ。プレーの感触など、内容は納得できるものではなかった。結果だけよければいいというものではない。完ぺきを求め過ぎるのかもしれないけど、この大会からの3連勝が左手の故障や、心の迷いを吹き飛ばしてくれました」と、振り返っている。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、今シーズンもここまで、決して調子がいいわけではない。それだけに、今大会へ賭ける静かな意気込みが伝わってくる。「結果よりも、楽しくプレーをしたい。去年と同じ、おもしろいキャディーさんです。とにかく、楽しいゴルフを。きょうも、3ー4メートルのミドルパットを一球入魂で行った」と説明。その上で、ゴルフの基本である、グリーンは手前からーを徹底したそうだ。

 「ショットの調子がいいから、ピンを狙っていきたいけど、もし、上につけたらそれこそ大変。そういうグリーンです。だから、守りのプレーではないけど、センターを狙うような気持ちを忘れてはいけないと思います」。言い聞かせるようにうなずく。優勝を飾っても悩み、結果がでなくても悩む。なるほど、ゴルフは人生を写すスポーツだ。
(中山 亜子)
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