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4番を務める安田尚憲内野手

失敗と向き合い、努力を続けるロッテの若き4番安田。収穫の秋へ

千葉ロッテマリーンズ

 「三風五雨(さんぷうごう)」という言葉がある。人生を10日としたら、3日は風が吹いて、5日は雨。晴れの日はせいぜい2日ぐらいだという意味だ。人生というのは逆風が吹いていて当たり前。雨が降って当然。晴れる日など10日に2日程度しかないというのだ。そう思っていれば日々に辛い、悔しいと嘆く必要はない。それは当たり前なのだから。いいことばかりではないのが人生。その中でいかに我慢し、努力し根気強く日々を過ごしいつか訪れるであろう晴れた日、つまりチャンスを生かせるかなのだ。

 プロ3年目の安田尚憲内野手は7月21日のライオンズ戦(メットライフドーム)から4番に座り続けている。ヒーローになる日もあれば、チャンスで打てずに打ちひしがれる日もある。その繰り返し。人生、毎日、うまくいくわけはない。当たり前の事なのである。

 安田の長所の一つに悔しさを忘れない事がある。人は誰だって悔しいと思う事がある。大事なのはその悔しさを三日で忘れてしまうのか。いつまでもなにくそと思い、その後の人生に繋げるかだ。プロ2年目、昨年3月10日のドラゴンズとのオープン戦後、安田は二軍落ちを通告された。2年目の飛躍を誓い、開幕から年間通しての一軍入りを目標にした一年。開幕を目前にしての通告は事実上、前年のオフから目標に掲げていた初の開幕一軍の夢が潰えた瞬間だった。悔しかった。その想いをただ嘆くのではなく安田はバットを振る事で晴らした。通告後、室内練習場で打撃マシンと向き合った。

 「悔しかったです。正直、ヘコみました。ただ結果が出ていませんでしたし、自分の打撃も出来ていなかった。落ちて当然と受け入れるしかありませんでした。結果が出せなかったことが悔しかったです」

 二軍落ち通告直後にバットを持って室内に現れた若者の姿勢は評価に値するものだった。納得いくまで打った。打ち続けた。時間は流れた。安田の目は、うっすらと濡れていた。涙を吹き払うように振って、振って、振りまくった。

 「結果を意識し過ぎていたと思います。あの後、映像を見ていたら、フォームもスイングも小さくなっていた。背中も丸くなっていた。結果が欲しい、打ちたいと思っていた中で気付かないうちにフォームが小さくなっていたのだと思います」と安田。

 二軍では徹底的に打撃映像を見返し、自分を見つめ直した。そして悔しさをぶつけるように打ち込み、結果を出した。このシーズン、イースタン・リーグで本塁打、打点、最多安打の三冠を達成。満を持して3年目に向かった。そして今がある。

 「どんなスターにでも悔しい出来事は起こる。そんな悔しい事が起きた時、道は2つある。ここからやってやるぞ、見返してやるぞと歯を食いしばって頑張るか、諦めてダメになってしまうか。それで人生は大きく変わる」。当時、一軍打撃コーチを務めていた大村巌 現横浜DeNA二軍打撃コーチは涙を流しながら打撃マシンと対峙する若者にそのように伝え励ました。安田の原点である。

 安田は必死の日々を過ごしている。日々の悔しさを忘れることなく、反省と努力を繰り返しながら成長をしている。野球は失敗のスポーツと言われる。失敗とどう向き合うかで人生は大きく変わる。ペナントレースは終盤に突入している。1974年以来、46年ぶりのリーグ優勝を狙うチームの4番を打つ重圧は計り知れない。しかしその経験こそが若武者を真の4番へといざなう。秋は深まっている。安田のプロ3年目。失敗と向き合い、収穫の秋とする。

文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
 

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