最速10億円突破 申ジエ逆転V

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 JLPGAツアー2020-21年第9戦『富士通レディース 2020』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が10月18日、千葉県千葉市・東急セブンハンドレッドクラブ(6,659 Yards/Par 72)で行われ、申ジエが通算7アンダーで逆転優勝。2打差の通算5アンダー、2位タイはペソンウ、前年優勝の古江彩佳が入った。首位スタートの淺井咲希は通算4アンダー、4位タイ。
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 スキがない。申ジエが今季初勝利を逆転で飾った。「今回が来日3戦目。こんなに早く勝てるとは思ってもいなかった。きのうは天気が悪く、とても厳しいコンディション。いいプレーができたことがうれしい」と、安どの表情で語っている。

 そして、JLPGAツアー通算23勝目(米ツアー資格の2勝は除く)で生涯獲得賞金が、10億円を突破したことも知った。207試合の達成は、史上最速。「それは、すごい。試合を開催してくださるスポンサーのおかげです。でも、(賞金は)どこへ行ったのか…」といい、「もっと優勝を重ね、いろいろな意味で多くの人とわかちあう。もっとそういうことをしていきます」。これまで以上に、チャリティーを含む社会貢献を行うことを遠回しに話した。世の中の役に立つ。プロデビューから終始、変わらぬスタイルである。

 この日は、首位と1打差でスタート。「今年のコースセッティングは、今までの中で最も難しい。バーディーをとることは大切だけど、パーセーブがもっと大切だと思った。前半はショットの調子がとても良く、もっとバーディーチャンスがあったけど、なかなかうまくいかない。後半はより集中力を高めた」という。

 15番でバーディーを奪う。ハイライトは続く16番。グリーン奥、15ヤードの第3打を1メートルに寄せ、連続バーディーとして優勝を手繰り寄せた。「この3日間、ショートゲームがいい。セッティングが難しいから、とにかくボギーを打たないようにした。途中、トップでも全く予断を許さない展開。ホールアウトするまで、とにかく勝ったーという気持ちにはなれなかった」と振り返っている。

 コロナウイルス感染症拡大の影響で、来日が大幅に遅れた。他にもさまざまなアクシデントが発生。「5月中旬に右手首、6月にも左ヒジの手術を行った。去年は試合へ出場しながら、ケアをしていたから大事にはいたらなかったけど、今年は自粛生活が続いたことで悪化。主治医から無理は禁物と止められていたから、クラブを握るようになったのは8月末です。ただ、イメージトレーニングだけは休みなく続けた」そうだ。

 ただし、不安がなかったわけではない。「やはり、一番の心配は体力。朝のランニングなどを行っていたけど、来日初戦の日本女子オープンでは後半、調子がいまひとつ。でも、前週から後半、いいショットが出るようになり、体力が回復したことを実感できた」。ということで、今回の優勝を最も喜んでいるのは、当のご本人だろう。

 さらに、こんなメッセージを伝えた。「アスリートに故障はつきもの。私は、もっと強くなるために手術を選択した。故障をしてもプレーを続けられることを証明したかったです」と頼もしい。実力者の復活。終盤のJLPGAツアーは、さらにおもしろくなる。(鈴木 孝之)

【JLPGA】

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