無敗で牝馬3冠達成ならば史上初! 秋華賞を占う
【 2020/5/24 東京11R 優駿牝馬(G1) 1着 4番 デアリングタクト】
秋華賞出走馬の前走レース別成績(過去10年)
■表1 【秋華賞出走馬の前走レース別成績(過去10年)】
そして、前走オークス組の成績は【2.0.0.11】。2018年アーモンドアイ、19年クロノジェネシスと2年連続で優勝馬が出ており、休み明けの不利を感じさせない結果が出ている。あとは前走クイーンS、前走3勝(1600万)クラス以下の組から好走馬が何頭か出ている。
秋華賞で好走した前走ローズS組(過去10年)
■表2 【秋華賞で好走した前走ローズS組(過去10年)】
春のクラシックは不出走だった馬は16年カイザーバル、14年タガノエトワール、11年キョウワジャンヌと3頭いる。いずれもローズSで2〜3着に入り、優先出走権を獲得した。ちなみに16年のローズS1着はシンハライト(オークス1着・桜花賞2着)、14年のローズS1着はヌーヴォレコルト(オークス1着・桜花賞3着)、11年のローズS1着はホエールキャプチャ(オークス3着、桜花賞2着)で、桜花賞・オークス両方で好走した馬がローズSを勝っていた。そんな馬を相手にトライアルで善戦した、ということになる。
秋華賞で好走した前走紫苑S(G3)組と前走オークス組(過去10年)
■表3 【秋華賞で好走した前走紫苑S(G3)組と前走オークス組(過去10年)】
前走紫苑S組も前走ローズS組同様、まずは前走5着以内に入っていることが重要だろう。そのうえで、春のクラシックで好走していれば「買い」と判断できそう。19年のカレンブーケドールはオークス2着、17年のディアドラもオークスは4着と善戦していた。16年のヴィブロス、パールコードはオークス不出走だった。
最後に前走条件クラス(3勝クラス以下)組について触れておく。前走3勝(1600万)クラス以下のレースに出走していた馬の秋華賞成績は【0.2.2.27】だ。好走した馬は18年2着(5番人気)ミッキーチャーム、15年3着(8番人気)マキシマムドパリ、13年2着(2番人気)スマートレイアー、12年3着(6番人気)アロマティコの4頭。特に2着に入った2頭は当日5番人気以内に支持されていた。19年はエスポワールが3番人気で9着と敗れているものの、前評判が高い馬は警戒した方が良さそうだ。また、ミッキーチャームとスマートレイアーはディープインパクト産駒だ。そしてマキシマムドパリとアロマティコはキングカメハメハ産駒だ。この点にも注目してみたい。
今年の秋華賞出走予定馬
■表4 【今年の秋華賞出走予定馬】
【結論】
オークス2着のウインマリリンにも注目。桜花賞には出走していないが、芝2000mはフローラSを含め3戦全勝だ。本馬も休み明けのローテーションは予定通りだ。
今年のローズSは中京芝2000mで行われた。勝ったのは3番人気のリアアメリアで、2着に14番人気のムジカ、3着に11番人気のオーマイダーリンが入った。さらに4着はデゼル、5着はクラヴァシュドールという結果だった。一応、上位5頭をマークしたいが、この中でオークス・桜花賞で3着以内に入った馬はいなかった。例年に比べると、やや出走馬のレベルが低いと言えるかもしれない。
一方、紫苑Sはマルターズディオサが勝利した。ただ、同馬は桜花賞8着、オークス10着と春のクラシックでは結果を出せなかったので、今回も狙いづらい。それならば、出遅れた影響で6着に敗れてしまったが、オークス3着のウインマイティーの巻き返しを警戒したい。
あとは抽選次第だが、もし出走できれば無傷の3連勝中であるディープインパクト産駒・レイパパレに注目。前走夕月特別を勝ったソフトフルートもディープインパクト産駒だ。特にレイパパレは5番人気以内に支持される可能性もありそうで、有力馬の1頭となりうる。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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