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伝統に学ぶ 月山の精神『鍛練』

BOATRACE

 ボートレーサー赤岩善生と奈良県桜井市を訪れたことがある。『月山(がっさん)日本刀鍛錬道場』の取材・撮影であった。
『スピリッツ』というボートレース特番は、業界の主人公であるトップレーサーに別の世界を知ってもらうのが目的。超一流と出会うことで起こる『心の化学変化』に期待したものだった。
その一つが『月山』である。武道家でもあるレーサー赤岩善生による『鍛錬』の見学や対談は丸一日を要したが、とても内容の濃いものであった。

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相手をしてくれたのは月山貞利(がっさん・さだとし)さん。人間国宝・月山貞一氏(故人)を父とする刀鍛冶一筋の人は、奈良県指定無形文化財保持者であり全日本刀匠会顧問でもある。そして、人物は誠実で真心に満ちている。
奥州出羽、今の山形県月山に発祥した刀工の伝統と技は、800有余年の歳月を経て月山貞利さんや子息の貞伸さんに受け継がれている。鍛え上げられた一振り一振りが生み出す槌音は、古代から続く山の辺の道近くに響いている。

今や美術工芸品として賛美される日本刀ができあがるまでの工程は複雑。奥行きも際限がないが、月山貞利さんが象徴的に例示してくれた話に『火花』がある。

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鋼の中でも特に良質な「玉鋼(たまはがね)」が刀剣の主な材料。これを熱して打ち延ばし、さらに小割りすることで上質な鋼を抽出し塊とするのが刀づくりの手始め。これだけで相当な時間を要する。

そののち、炭素の含有量を調整し不純物を除去するために行うのが『鍛錬』。充分熱せられた素材を平たく打ち延ばし折り返していく。この折り返しの回数は流派によって異なるが、概ね12回から15回とされている。
常人では扱えないほど重い槌を振り下ろす時、素材から『火花』が飛ぶ。
何気なく見ていれば「綺麗だ…」で終わってしまう光景だが、この『火花』は『不純物』だという。
『不純物』が鋼から外部に飛び散り、『純化』していくというのである。

『鍛錬』とは強くすることを第一義としていない。
まず、純化する、キレイにすることからはじまる。
さらに、折り返し層をつくることで分子構造を均等化する。
そして、粘りを増していく。

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この世界では、固すぎて折れてしまう刀はまったく評価されない。
『折れず』『曲がらず』『よく切れる』刀が求められるのだ。
何か人と共通する部分があるような気がする。

赤岩善生は、この過程を真剣な表情で見つめ、熱心に耳を傾けていた。

世界は大きい。ボートレース界もボートレーサーもそうした大きな世界につながっていくべきだろう。
それは地域という空間の広がりであり、業界という場の広がりであり、歴史や未来という時間の広がりである。
当然、謙虚になる。『礼と節』の原点だろう。

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