3連複は案外堅い? アイルランドT府中牝馬Sを分析
【 2016/10/15 東京11R 府中牝馬ステークス(G3) 1着 13番 クイーンズリング】
2011年以降の府中牝馬Sで3着以内に入った馬
■表1 【2011年以降の府中牝馬Sで3着以内に入った馬】
人気面をみると、1〜3番人気に支持された馬が13頭いた。好走馬全体(27頭)の約半分に迫る48.1%を占める結果となった。表2は府中牝馬Sの馬連・馬単・3連複・3連単の配当一覧。12年は馬連18720円という万馬券になったこともあり、馬単は46480円、3連単も173540円という高配当になった。しかし、同年の3連複は15640円に収まった。3連複の最高配当は15年の20460円であり、全体的には控えめな印象だ。3連複は3000円以下だった年が4回もあり、平均配当(過去9年)は7953.3円だった。1〜3番人気がよく馬券に絡んでいる影響で、3連複の配当が抑えられている印象だ。
府中牝馬Sの馬連などの配当(2011年以降)
■表2 【府中牝馬Sの馬連などの配当(2011年以降)】
次に前走レース名、同着順、同人気をみていく。わかりやすいように表組ではレース名を色分けしている。基本的にはレースのグレードで分けているが、レースの種類が多いG3はさらに区別した。
前走クイーンS組が最も多く8頭が3着以内に入っている。そして、8頭中5頭は前走クイーンSで3着以内に好走していた。残る3頭は前走クイーンSで5〜7着に敗れていたが、前走1〜3番人気の支持を受けていた。
前走関屋記念組は4頭いて、こちらも前走3着以内か3番人気以内だった馬が好走していた。また、11年は前走小倉記念を勝っていたイタリアンレッドが優勝、前走マーメイドSを勝っていたフミノイマージンが3着と好走。前走G3組の全体の傾向として、「夏場の重賞で、好走した馬か1〜3番人気だった馬を狙え」という馬券作戦が有力になりそうだ。
近年は前走G1組も有力で、16年以降、毎年1頭は馬券に絡んでいる。前走ヴィクトリアマイル組が2頭、安田記念組とドバイターフ組がそれぞれ1頭好走している。しかし、勝ち馬は出ていない。ラッキーライラックやリスグラシュー、ヴィブロスは海外のG1でも勝ち負けできるほどの実力馬だが、府中牝馬Sでは勝ち切れなかった。休み明けや、本番を見据えた仕上げになりやすいといった影響があるのかもしれない。夏場順調に使われていた馬に比べ、分が悪くなる可能性を認識しておきたい。
一方、前走オープン特別組が2勝2着1回と、3回馬券に絡んでいる。前走米子Sや小倉日経オープンで2着以内に好走していた馬たちだ。重賞以外でも夏場のレースで好成績を挙げていた馬には注意すべきだろう。前走オープン特別組は【2.1.0.6】という成績になっており、出走例は少ないながらも好走率は高い。
また、前走3勝(1600万)クラス組も17年1着クロコスミア(5番人気)、13年3着スイートサルサ(7番人気)の2頭が3着以内に入っている。ただ、前走3勝クラス組の成績は【1.0.1.21】。基本的には苦戦傾向で、好走確率は低いと考えておきたい。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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