粘りが身上 永峰咲希が公式戦初V

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 2020-21年JLPGAツアー公式戦、『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(優勝賞金3,600万円 賞金総額2億円)大会最終日が9月13日、岡山・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(6,640ヤード/パー72)で行われ、永峰咲希が通算12アンダーで逆転優勝を飾った。4位タイからスタートした永峰が5バーディー、2ボギーで念願の公式戦初制覇。JLPGAツアー通算2勝目をあげた。1打差の通算11アンダー、2位タイはイナリ、木村彩子、田辺ひかり。注目のルーキー、笹生優花は通算5アンダー、13位タイに終わった。
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 永峰咲希が通算12アンダーとスコアを伸ばし、1打差を死守。2018年フジサンケイレディスクラシック以来のJLPGAツアー2勝目、初の公式戦制覇で飾った。

 「歴史がある大きな試合。百も承知していたので、終盤は緊張しました。まだ、優勝した実感が湧かないけど、ドキドキします」と安どのため息を漏らした。

 初挑戦のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部はフェアウエー、グリーンがアンジュレーションに富み、多くの選手を悩ませる。しかし、ショットの精度が売り物だけに、持ち味を存分に生かせる相性の良さが味方した。「グリーンは、ピンポイントで打たなければチャンスがつくれない」と話している。

 この日、11番まで5バーディー、ノーボギーの快進撃。一時は独走態勢に入った。が、12番で50センチのパーパットを外すと一転、良い流れが逃げていきそうなムードに…。16番もボギーを叩き、後続から追い上げられる。それでも、最後までしぶとさを発揮。そういえば、初優勝も混戦をものにした。最終日の18番でよもやの3パット。プレーオフでもぎ取ったメモリアルVだった。今大会でも、「プレーオフになっても勝てる」と自身を鼓舞していたそうだ。

 それにしても、勝てそうで勝てなかった2年半。プロゴルフ界でよくいわれる2勝目の壁は厚かった。1998年度生まれの黄金世代、2000年度生まれのプラチナ世代、02年度のプレミアム世代が続々と台頭。

 「単純に技術が足りなかった。特にパッティングです。これまで何度かあった優勝のチャンス。ものにできなかったのは、パッティングでした」と分析。昨年のオフから今年6月にかけて、地元宮崎でパッティングの向上に取り組んでいる。

 「アース・モンダミンカップから、昨年まで確率の低かった距離のパッティングが入るようになった。少しずつ自信が出てきたところです」。ピンチがチャンスを変えた。コロナ過でもしっかりとやるべきことをやったからだろう。

 例年なら常にサポートを行う、母・香奈子さんが新型コロナウイルスの感染症予防のため会場には入れない。送迎を行っている。その香奈子さんは、「去年も優勝はできなかったけど、がけっぷちでシード権を確保した、しぶとい子です。崩れそうになっても、もうひと頑張りできるところがある」と粘り強さを信じ、エールを送り続けた。

 「1勝から2勝目までは間隔があいてしまったけど、3勝目はすぐに達成したい」と宣言する。プロ日本一の冠は大いなる自信と覚悟をもたらした。(宮脇 廣久)
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