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【アスリートナイトゲームズイン福井 大会レポート】〜雰囲気・絶好のコンディションに好記録続出!!〜

日本陸上競技連盟

新型コロナウイルス感染症の影響により、7月から屋外シーズンが本格的にスタートする形となった今季の陸上界ですが、その後は、日本陸連が策定した「陸上競技活動再開のガイダンス」に沿った感染防止対策をとりながら、全国各地でさまざまな競技会が開催されるようになっています。
8月23日には、東京・国立競技場でゴールデングランプリ(GGP)が開催されましたが、中5日空けての8月29日には、Athlete Night Games in FUKUI(アスリートナイトゲームズイン福井)が、さらにその翌週となる9月6日には富士北麓ワールドトライアルが、それぞれ開催。1年延期となった東京オリンピックに照準を合わせ直してリスタートを切ったばかりのトップアスリートたちが多数参戦し、大いに盛り上がりました。

クラウドファンディングによる運営資金調達をはじめとして、福井陸上競技協会が、企画・運営のさまざまな面で従来の国内競技会になかったスタイルで開催を実現させたアスリートナイトゲームズイン福井。第1回となった昨年は、わずか3時間半ほどのタイムテーブルのなかで合計4つの日本新記録・タイ記録が誕生する“歴史的な一夜”となりました。
今年は、会期を少しずらして8月29日に。ほとんどの陸上競技会が無観客で行われているなか、度重なる議論や検討、関係各所との連携が行われた末に、観戦者数の制限や入場時の検温、ソーシャルディスタンスでの座席配置等、感染拡大を防ぐ最大限の対策をとったうえで観客を入れて開催することに。最終的に、クラウドファンディングでは640万円を超える支援金額が集まり、予定していた座席数もソールドアウト。2700名が見守るなかで競技が行われました。

当日は、最高気温35℃超えと、昨年同様に厳しい暑さとなりました。午後から開始された記録会の部では、強い向かい風のなかでのレースが続きましたが、招待の部の第1種目となった男子走幅跳が始めるころには風向きが変わり、ホームストレートが強く追う状態に。このため、走幅跳やトラック種目の予選では参考記録となるパフォーマンスが続出しましたが、トラック種目の決勝が始まる時間帯にはそれも落ち着き、絶好のコンディションが整いました。

青木12秒87w、金井13秒27! 男女スプリントハードルで好記録続出!
ハイレベルなレースが展開されたのは、男女スプリントハードルでした。まずトラック最初の種目となった女子100mHの予選1組で、寺田明日香選手(パソナグループ)が追い風参考(+2.3m)ながら自身の日本記録(12秒97)を上回る12秒92の好タイムをマーク。同2組でも、7月に13秒13の自己新をマークしている清山ちさと選手(いちご)が13秒03(+3.7)で、さらに追い風1.7mの条件で行われた3組では青木益未選手(七十七銀行)が、ゴールデングランプリで更新したばかりの自己記録(13秒09)を塗り替える13秒08の自己新でフィニッシュ。実に13秒30が決勝進出のボーダーラインとなる高水準となったのです。続いて行われた男子110mH予選では、1組で日本記録保持者(13秒25)の高山峻野選手(ゼンリン)は13秒46(1組1着、+2.4)をマーク。3組では、今季すでに13秒34の自己新記録(=日本歴代2位)をマークしている金井大旺選手(ミズノ、前日本記録保持者)が13秒33(+2.0)でフィニッシュし、好調を維持している様子をうかがわせます。男子110mHも13秒67をマークしても決勝に進めないレベルの高さでした。
そした迎えた決勝。女子100mHでは、寺田選手と青木選手が抜け出して激しく競り合う展開となりましたが、最終ハードルクリアランス後に青木選手がわずかにリードを奪ってそのまま先着。いったん12秒85で止まったフィニッシュタイマーは、その後、12秒87の正式記録が表示されました。2着で続いた寺田選手も12秒93で、これも日本記録を上回るタイム。しかし、無情にも追い風2.1m。決勝レースは参考記録扱いとなりました。とはいえ日本の女子100mHで12秒8台が出たのはもちろん、同一レースで2選手が13秒を切ったのも初めてのこと。東京オリンピックの参加資格取得期間は、コロナ禍の影響で現在休止される措置がとられ、12月から再開されることになっていますが、女子100mHにおいても、複数選手による参加標準記録(12秒84)突破の可能性が見えてきました。このパフォーマンスが評価されて、青木選手は大会MVPにも輝きました。

男子110mHの決勝は、序盤からの飛び出しを得意とする金井選手を、高山選手がややリードする滑りだしとなりましたが、金井選手が中盤で追いつき、ほぼ同じリズムでハードルをクリアしていく展開に。最終ハードルを越えてから金井選手が高山選手を突き放してフィニッシュし、日本人2人目の13秒2台となる13秒27(+1.4)で、GGPに続く2勝目をあげました。2位の高山選手も13秒34の好タイム。3位は、終盤で金井・高山選手を追い上げた石川周平選手(富士通)。ラスト2歩でバランスを崩してフィニッシュしたにもかかわらず日本歴代4位タイとなる13秒39をマークし、学生時代から指導を受ける谷川聡コーチが2004年アテネオリンピック予選で記録し、日本記録として14年間破られることのなかったタイムに並びました。さらに、自己記録(13秒62、2017年)を大幅に更新する日本歴代8位タイの13秒45でフィニッシュした野本周成選手(愛媛陸協)、予選(13秒57、+1.5)・決勝(13秒58)ともに昨年までの自己記録(13秒63)を上回った藤井亮汰選手(三重県スポーツ協会)が4・5位に食い込む好結果。6〜8位で続いた高橋佑輔選手(DAC、13秒60)、増野元太選手(メイスンワーク、13秒62)、栗城アンソニー選手(新潟アルビレックスRC、13秒64)を含めて、この8選手が今季日本リストの上位を占める形となりました。

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男子100mはケンブリッジが10秒03で桐生に勝利!
「9.98スタジアム」の別称を持ち、この大会でも招待種目は「9.98カップ」と銘打っているだけに、この会場での男子100mは、やはり特別な種目。今回も、決勝は最終種目に据えられ、メインイベントとして行われました。今年は「9.98」の名称の“起源”ともいえる桐生祥秀選手(日本生命)のほか、桐生選手同様、2016年リオ五輪男子4×100mR銀メダリストのケンブリッジ飛鳥選手(Nike)、2017年・2019年世界選手権同種目銅メダリストの多田修平選手(住友電工)、そして昨年、9秒台スプリンターとなった小池祐貴選手(住友電工、9秒98)と豪華な顔ぶれがエントリー。勝負・記録ともに期待が集まりました。
レース前の段階では、すでに10秒04の今季日本最高を含めて10秒0台を2回マークしている点やGGPでも優勝を果たしていることから桐生選手が優勢、これに続くのが1レースごとに復調の兆しを印象づけていたケンブリッジ選手とみられていましたが、予選・決勝ともにトップでフィニッシュラインを駆け抜けたのはケンブリッジ選手でした。両選手は、予選(3組)から同じ組に。追い風0.9mのなか行われた予選は、ケンブリッジ選手が2017年以来の自己新記録となる10秒05をマークすると、桐生選手は0.02秒差の10秒07で続きます。追い風1.0mという好条件下で行われた決勝では、今季改善著しいスムーズな前半に加えて、ここまで「物足りない」と評価していた後半でも自身の持ち味を生かした走りを披露したケンブリッジ選手が、桐生選手との競り合いを制して先着。日本歴代7位タイとなる10秒03まで記録を更新して優勝を果たしました。2位の桐生選手も今季4回目、通算で22回目の10秒10未満となる10秒06で続き、高いレベルの安定感を印象づけました。3位は小池選手でタイムは10秒19、4位には予選を10秒18(+1.5)で走った多田選手が10秒21でフィニッシュ。ともに前戦のGGPよりも調子が上がってきている様子がうかがえました。

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女子100mは今季好調の鶴田が11秒48でV 男子走幅跳は学生の吉田が優勝
このほかでは、女子100mで今季日本最高記録が誕生しています。今季好調の鶴田玲美選手(南九州ファミリーマート)が、追い風1.1mのなか行われた決勝で、11秒48をマークして優勝を果たしたのです。鶴田選手は、今春、大東文化大を卒業して、社会人1年目。これまでの自己記録は昨年マークした100m11秒89、200m24秒43でしたが、7月末の東京選手権を100m(11秒81、-0.5)・200m(24秒05、-0.8)をともに自己新記録で2冠を獲得すると、8月上旬に11秒61(+1.4)へと記録を更新。GGPでは11秒72(-0.9)で2位に食い込む健闘を見せていました。アスリートナイトゲームズイン福井では予選で追い風参考(+2.9)ながら11秒53をマーク。迎えた決勝では、11秒62の自己新記録で2位に続いた壹岐あいこ選手(立命館大)以下を突き放し、11秒4台突入を果たしました。

男子200mは安田圭吾選手(大東文化大)が、上山紘輝選手(近畿大)との競り合いを0.01秒差で制し、20秒71(+0.8)で優勝。予選では今季日本リスト2位となる20秒61(+1.5)の自己ベストをマークしており、2週間後に行われる日本インカレに向けて弾みをつけました。

昨年、好記録に沸いた男子走幅跳は、開始時刻がやや早いタイムテーブルとなったことが影響し、厳しい暑さと強い追い風に苦慮しながらの試技となりました。勝負は、第1試技者の吉田弘道選手(立命館大)が1回目に7m86(+2.5)をマークしてトップに立つと、4回目には追い風参考(+2.7)ながら8m05の跳躍を見せて、さらに記録を伸ばします。最終跳躍で小田大樹選手(ヤマダ電機)が8m04(+2.5)をマークしましたが逆転はならず。吉田選手の勝利となりました。吉田選手は大学3年生。昨年の西日本インカレを制したときにマークした7m88(-1.4)が自己記録の選手です。当初のエントリー段階では出場枠に届かない、いわば“ウエイティング”の状態でしたが、欠場者が出たことで繰り上がり、大会3日前に急きょ出場が決まったといいます。公認記録での8m台は叶いませんでしたが、セカンド記録の7m86を3回(1・5・6回目)の試技でマーク、ファウルが1回、一番悪い記録が7m75(2回目)という内訳からは、安定感の高さが伺えました。
昨年のこの大会で8m40の日本記録を樹立した城山正太郎選手(ゼンリン)は、最終跳躍で7m75(+1.8)を跳び、4位に浮上して競技を終了しました。拠点とする北海道がコロナ禍の自粛期間中、活動への制限が大きかった影響もあり、仕上がりは遅れ気味。今後は、全日本実業団を経て、日本選手権にピークを合わせるべくトレーニングを進めていく計画です。

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◎秋シーズンは、日本選手権、日本グランプリシリーズをお楽しみください!
延期になっていた第104回日本選手権は、10月1〜3日に、新潟・デンカビックスワンスタジアムにおいて開催。また、別開催で行われる第104回日本選手権混成(男子十種競技、女子七種競技)は9月26〜27日に長野・長野市営陸上競技場で、第104回日本選手権長距離種目(男女5000m、10000m、3000mSC)は12月4日に大阪・ヤンマースタジアム長居において、それぞれ実施します。
現在、どの大会についても、新型コロナウイルス感染拡大防止策をとりつつ準備中。大会に関する情報は、順次、日本選手権特設サイト( https://www.jaaf.or.jp/jch/104/ )にてご案内しますので、ぜひ、ご参照ください。

また、再編されて今年で3年目となる日本グランプリシリーズは、今季から佐藤食品工業株式会社を「日本グランプリシリーズ ネーミングライツパートナー」にお迎えし、「サトウ食品日本グランプリシリーズ」の名称で、グランプリプレミア4大会(東京、静岡、神戸、広島)、グランプリ9大会(水戸、新潟、大阪、鳥取、出雲、山口、北九州、熊本、延岡)の計13大会が開催される予定でした。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止や延期を余儀なくされていましたが、このたび、秋シーズンにグランプリ4大会(山口、大阪、北九州、新潟)を開催することが決定!
こちらについても、会期や出場選手、ライブ配信予定等の情報は、日本グランプリシリーズ特設サイト( https://www.jaaf.or.jp/gp-series/ )においてご紹介していきます。どうぞ、お楽しみに!


文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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