秋のG1にもつながる短距離重賞・キーンランドCを分析!
【 2020/7/4 函館11R TVh杯 1着 11番 ビリーバー】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
枠番別成績
■表2 【枠番別成績】
性別・年齢別成績
■表3 【性別・年齢別成績】
年齢別では4歳が群を抜く好走率を記録。回収率から人気馬中心であることが伺え、内訳を確認すると好走したのは5番人気までだった。とはいえ、その1〜5番人気なら【4.3.4.6】と信頼性は高い。次いで好走が多いのは5歳で、好走率では4歳に見劣るものの、単勝回収率では上をいく。4、5歳以外の成績はひと息で、特に3歳の数字には案外な印象を受ける。
洋芝1着実績の有無
■表4 【洋芝1着実績の有無】
前走クラスおよびレース別成績
■表5 【前走クラスおよびレース別成績】
中心となるのは前走G3で、なかでも函館スプリントS組の好走が多い。この組に関しては、次の表6の項でより詳しいデータを見ていく。前走G3では他に、アイビスサマーダッシュ組に3頭の好走例がある。この組では前走から同じ騎手が継続騎乗すると【1.1.0.2】で、人馬ともに新潟から札幌へと転戦してきたら要注意と考えられそうだ。CBC賞組もなかなかの好走率だが、今年の登録馬には前走CBC賞という馬が見当たらなかった。
前走オープン特別も出走例は多いものの、延べ48頭で好走したのは3頭のみ。ただし前走1番人気に限れば【1.2.0.5】と悪くなく、好走例はすべてここに当てはまっている。そして、前走3勝クラスの成績が非常にいい。該当する8頭はいずれも前走1着で、そのうち半数の4頭が好走を果たしている。
なお、前走G1に関しては「同年の高松宮記念に出走した馬」という視点に基づくデータを表7の項で確認したい。
函館スプリントS出走馬の各種データ
■表6 【函館スプリントS出走馬の各種データ】
同年高松宮記念の着順別成績
■表7 【同年高松宮記念の着順別成績】
【結論】
まずは函館スプリントS組で、そこで1〜3着だった馬しか好走例がないことを表6で確認した。今年該当するのは1着のダイアトニックと2着のダイメイフジ。しかし、もうひとつの好走条件である前走4角通過順が気にかかる。これも表6で確認した通り、前走函館スプリントSの場合はそこで4角3番手以下だった馬しか好走していないが、前者は4角2番手、後者も4角1番手だったのだ。キーンランドCは上位人気が強いレースでもあり、人気が予想されるダイアトニックが順当に勝っても不思議はないが、好走例がないデータに合致している点は頭に入れてもいいかもしれない。
アイビスSD組は、ジョッキーが継続騎乗してきたら要注意と表5の項で述べた。本稿執筆時点では未確定ながら、アイビスSD3着のビリーバーは前走と同じく杉原誠人騎手が騎乗する見込み。洋芝での1着実績も持っており、注目に値する1頭だ。
前走オープン特別の好走率はあまりよくないが、そこで1番人気に推されていた馬に限っては例外だった。今年の登録馬ではエイティーンガールが前走のUHB賞で1番人気に推されている。4歳牝馬という点もセールスポイントで、前走は7着に終わったものの巻き返しに注意したい。4歳牝馬ではもう1頭、好走率が非常に高い前走3勝クラスを勝ち上がってきたアスタールビーも侮れない存在と言える。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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