2020/21シーズンの昇格3チームが決定

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ラ・リーガ・スマートバンクに降格したレガネス、エスパニョール、マジョルカに代わり、2020/21シーズンのラ・リーガ・サンタンデールには新たにウエスカ、カディス、エルチェの3チームが参戦することが決まった。

近年はラ・リーガ・スマートバンクから昇格してきたクラブの多くが、ラ・リーガ・サンタンデールで好成績を残してきた。新たに昇格してきた3チームも、開幕が近づいている2020/21シーズンで世界中のフットボールファンにインパクトを与えようと目論んでいる。

ウエスカ

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2019/20シーズン終盤にエネルギッシュなスパートを見せたウエスカは、アラゴン州のライバルであるレアル・サラゴサとの熾烈な2位争いを制し、自動昇格の権利を勝ち取った。

1960年創立で、正式名はソシエダ・デポルティーバ・ウエスカ。2008年にラ・リーガ・スマートバンクに昇格するまでは、歴史のほとんどを地域リーグで過ごしてきた。2シーズン前には史上初めてトップカテゴリーへの昇格を果たしたが、定着は叶わず1年で降格している。

ラージョ・バジェカーノで選手として、監督として活躍したミチェル監督の指揮下、昨季のウエスカはシーズンを通して自動昇格圏を争った末、最終節でカディスを上回りリーグ王者に輝いた。チーム得点王は12ゴールを記録した日本のベテランストライカー、岡崎慎司。1月に加入したラファ・ミルも18試合で9ゴールを挙げた。中盤ではアスレティック・クルブから加入した経験豊富なミケル・リコ、元デポルティーボのペドロ・モスケラらがキーマンとなり、最終ラインは元アトレティコ・マドリーのホルヘ・プリードが支えた。

ラ・リーガでは近年、ビジャレアル、エイバルといった小さな町クラブがトップカテゴリーへの定着を実現してきた。この数年でプロクラブとしての環境や経営体制を整えてきたウエスカも、これらのクラブに続く可能性を秘めている。

カディス

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カディスは2019/20シーズンのほとんどを首位で過ごした末、一番にラ・リーガ・サンタンデール昇格を決めた。トップカテゴリーへの復帰は14年ぶりであり、カディスの町では盛大なお祭り騒ぎが繰り広げられた。

1910年に創立したカディスは、60年以上の歴史を持つプレシーズン大会「トロフェオ・ラモン・デ・カランサ」の主催者としてスペインフットボール界に貢献してきた。同名のスタジアムは熱気あふれるファンが作り出す陽気な雰囲気に満ちており、過去にはそのピッチ上でマヒコ・ゴンサレス、キコ・ナルバエスといった有名選手が黄色のチームカラーを守ってきた。

アルバロ・セルベラ現監督は2016年4月に就任すると、わずか2ヶ月後にはプレーオフを勝ち抜き、チームをセグンダB(3部)からラ・リーガ・スマートバンクへと昇格させた。自らのカウンタースタイルを「奪い、走る」と形容する指揮官は、後に「カディスのシメオネ」と呼ばれるようになった。

主将を務める守護神のアルベルト・シフエンテスは、セグンダB時代からセルベラと共に戦ってきた41歳の大ベテランだ。セビージャやヘタフェ、ラスパルマスでプレーしてきた30歳のフアン・カラ、アトレティコ・マドリーやシャルケ、ワトフォードを渡り歩いてきた34歳のホセ・マヌエル・フラードも豊富な経験をもたらしている。チーム1のタレントはレアル・マドリーの下部組織出身であるアレックス・フェルナンデスだろう。現在もレアル・マドリーに所属するナチョの弟である彼は昨季、MFながら12ゴールを記録している。

アルバロ・ネグレドも加入した今季、セルベラ率いるカディスはラ・リーガ・サンタンデールに新たな彩りを加えてくれるはずだ。

エルチェ

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シーズンの大半を7位以下で過ごしながら、エルチェは終盤のスパートによってプレーオフ圏内に滑り込み、5年ぶりのラ・リーガ・サンタンデール復帰を果たした。

1923年の創立以降、特徴的な緑と白のチームカラーを持つエルチェは、歴史的に1部から3部のカテゴリーを行き来してきた。最盛期は1960年代で、1963/64シーズンにはラ・リーガ・サンタンデールで最高順位の5位に入り、1969年にはコパデルレイで初の決勝進出を果たしている(アスレティック・クルブに0ー1で敗戦)。

最後にトップカテゴリーに所属したのは2014/15シーズンで、ラ・リーガが定める厳格な財政基準を満たすことができず、強制降格となった。2017/18シーズンにはセグンダBまでカテゴリーを落としたが、その後は元エイバルCEOであるパトリシア・ロドリゲスをフロントに招き、経営再建に努めてきた。

昇格の立役者となったのは、2018年2月に就任した元エスパニョールのMF、ホセ・ロホ・マルティン“パチェタ”監督だ。昨季のラ・リーガ・スマートバンクで最多セーブ数を記録したエドガル・バディアは、プレーオフの4試合で1失点も許さなかった。クラブとラ・リーガ・スマートバンクのの通算最多得点記録を保持する40歳のニノは、サラゴサとの準決勝を制する決勝点を挙げた。ジローナとの決勝ではサイドアタッカーのペレ・ミジャが主役となり、劇的な決勝点をセカンドレグの95分に決めている。

8月23日まで続いたプレーオフを戦い抜いたことで、エルチェは新シーズンに向けた準備期間をほとんど得られぬまま2020/21シーズンの開幕を迎えることになる。それでも近年のラ・リーガ・サンタンデールでは、いくつもの昇格組が躍進を遂げてきた。開幕が迫っている新シーズンにおいても、同じことが繰り返される可能性は十分にあるだろう。

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