【鹿島戦プレビュー】〜“消化”試合ではなく、“強化”試合に〜

清水エスパルス
チーム・協会

【©S-PULSE】

今節は、ともにグループステージ敗退が決まったもの同士の対決となった。

ルヴァンカップ前節は名古屋と対戦した。相手はリーグ戦のメンバーを半数以上起用するも、エスパルスはリーグ戦からターンオーバーで臨んだ。2分にセットプレーから岡崎慎のシュートがバーを弾くなど、序盤は互角以上の戦いを見せる。それでも、前半アディショナルタイムに悲劇が訪れる。マテウスの直接フリーキックをGKネト ヴォルピが弾くも、丸山祐市に押し込まれて先制を許す。最も取られたくない時間帯に得点を与えてしまうと、堅実な戦いをする名古屋に対し54分に追加点を決められ、さらに後半アディショナルタイムにもゴールを決められて0-3の完敗となった。

一方の鹿島は、第1節の名古屋戦を0-1で落として迎えた前節の川崎F戦。43分に旗手怜央のシュートは41歳のベテランGK曽ヶ端 準が弾き出すも、ゴールライン際で三笘薫に拾われ、そのままゴール前までドリブルで持ち込みシュートを打たれる。これでネットを許され先制を許してしまう。さらに47分には自陣でボールを奪われ、クロスのこぼれを途中出場の小林悠がシュートを放つも何とかブロック。しかし、このボールを大島僚太に流し込まれて2点のビハインドを負う。さらに55分、三笘のグラウンダーのクロスを旗手に押し込まれて3点目。だが、ここから鹿島の反撃が始まる。63分に4枚替えを行うと、その交代選手が躍動する。84分には、永木亮太のシュートのこぼれを、同じく途中出場の伊藤翔が落ち着いて決めて1点返すと、後半アディショナルタイムには荒木遼太郎が自陣からドリブルで持ち込みスルーパス。このボールに抜け出した伊藤がGKと1対1になると、ワントラップから右アウトサイドで浮かせる芸術的なゴールでついに1点差まで追いついた。しかし、反撃もここまで。鹿島はエスパルスと同じく2連敗でグループステージ敗退となった。

エスパルスと鹿島は、ともに今季から新監督を迎え、新しいサッカーに取り組んでいる。リーグ序盤は、エスパルスが5連敗したのとほぼ同じく、鹿島も4連敗を喫している。一時は、17位、18位で最下位争いをしていたが、ここ最近ではエスパルスがリーグ4戦負け無し、鹿島が3戦負け無しと徐々に新しいスタイルに結果が伴ってきている。ただ、カップ戦では未だ勝ち星に恵まれていない。

そうした中で、エスパルスとして次に結果を出すのは、このカップ戦に出ている選手たちだ。エスパルスは、前節デビューを飾った成岡輝瑠を始め、ルーキーの鈴木唯人、川本梨誉、3年目の滝裕太、平墳迅といった若手が次々と起用された。カップ戦はここで終了することになるが、それでもリーグ戦の過密日程は続くため、彼らの力が必要になる時も必ず訪れるだろう。それはもちろん、リーグ戦の出場機会に恵まれない中堅、ベテランも同様だ。チームの勝利はもちろんだが、出場した選手全員が、リーグ戦のメンバーを脅かすようなアピールをする、その貴重な機会にしたい。この試合を、ただの消化試合で終わらせてはいけない。



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2020 YBCルヴァンカップ グループステージ 第3節
8月12日(水)19:00キックオフ

清水エスパルス vs. 鹿島アントラーズ
@IAIスタジアム日本平

放送
スカパー!

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著者プロフィール

チーム名の「S-PULSE」は、「サッカー・清水・静岡」の頭文字Sと、サッカーを愛する県民、市民の胸の高鳴りとスピリットを表現するため、英語で「心臓の鼓動」を意味するPULSEを組み合わせて名付けられました。 1993年に「オリジナル10」の一つとしてJリーグ開幕を迎え、クラブの歴史がスタートしました。 こちらのサイトではチームや試合、イベントなど様々な情報をお届けいたします

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